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カテゴリ:日活撮影所あれこれ
撮影所というところは変わった人間が生息する場所のようだ。私の知る限り何と云ってもその筆頭は浦山桐郎氏だ。異端児であり、天才でもあった。
彼は浦さん、浦公で通っていたが、助監督としても最優秀の折り紙を師匠の今村昌平氏からつけられていた。今村さんがチーフ助監督の時はセカンドで川島雄三監督につき、今村さんが監督に昇進してからは今村組のチーフとして活躍した。 川島監督の代表作「飢える魂」桑野みゆきが出演しているのが珍しい 浦さんが日活に入ったのは偶然からである。助監督試験で合格したのは松竹だった。次点で落ちたのがなんと、山田洋次だったそうだ。それが運命のいたずらで、身体検査で肺に影があるという理由で浦さんは松竹を落とされ、代わりに山田洋次が合格した。後に大ヒットシリーズ「寅さん」を撮った山田洋次監督である。浦さんは製作再開したばかりの日活に入社した。 浦さんは普段傍で見る限りまともな助監督だった。ところが酒が入ると人間が変わった。猫が変じて虎になるどころか、まともではなくなるのだ。小男の部類に属する浦さんだが、見境なく相手に突っかかっていく。そして喧嘩になる。やくざと殴り合いボコボコにされることもあったらしい。 そしていまひとつユニークな奇行がある。別名「泣きの浦」とも呼ばれていた。イマヘイさんと飲みにいき、酒が入る。頃合いを見てイマヘイさんが「ウラ公、泣いてみろ」という。すると即座にウラさんは泣き出す。それもヨヨと泣き咽ぶのだ。本当に涙を流して男泣きするのである。そしてイマヘイさんが「やめろ」と言うやケロッと泣き止むのだから大概の人は驚く。 世に奇行の持ち主は多いと言えど、こんな芸当が出来たのは浦さんだけだろう。 お二人とも今は天国の住人になった。イマヘイさんは今年が初盆だ。さぞかし賑やかに芸術論争をしていることだろう。合掌。 今村昌平日活作品全集(1)(初回限定生産)イマヘイさんの作品群 浦さんの存在が大きい ブログランキング参加中 どうぞよろしく ↓ 楽天ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.07.08 10:43:16
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