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カテゴリ:青年マンガ他
『くるねこ(其の三)』くるねこ大和 其の二は萌え死ぬかと思うほど子猫満載で、写真も多くて猫フェチにはたまらん一冊だったが、マンガの面白さより子猫のかわいさに魂をうばわれがちな一冊だった。 あまり間を置かずに出ていた其の三は、本来のマンガにもどっていたけど、本当にこの人のツボの押さえどころは自分のためのマンガかと思うほどしっくりぴったりくる。ところどころ大声出して爆笑するところもあるし、たった4コマで泣かされるページもある。 最近、こういう画面が白っぽいマンガがしっくりくる。昔はそれこそ「東京バビロン」の頃のCLAMPみたいにトーンバリバリでみっしり書き込んだ画面や「見る」より「読む」ほうに比重のおかれたマンガのほうが好きだったのに、これも枯れてきた証拠だろうか。 いや、こういうあっさりした、ミリペン一本でかけてしまう漫画は、読者を選ぶだろうけど、一度虜になった読者はわりと最後までついていくような気がする。伊藤理佐さんもそんな一人だ。ストーリーより作家さん自身への興味や共感だな。 ところで1巻の帯に謎の作者のプロフィールとして「時代小説を愛する中年独身女と猫の生態」みたいなコピーがついていて、ひとごととは思えなかったんだが、この人は36歳だった。まあ十分中年といえる年齢だけど、自分から敢えていうほどの年齢か? 私はてっきり自分とおなじぐらいかと思っていて、最近、そういう年齢のギャップに驚かされることが頻繁にあるような気がする。 ことさら自分を貶めて(というかみっともない素をみせて)受けを取るタイプのマンガ家さん(西原さん、伊藤さん、この人とか。TONOさんはちょっと違うけど)は、作品年齢が実年齢よりかなり上の印象なんだけど、それは単に読み手である自分の精神が子どもっぽいからだろうか。 最近、話が合うのは自分より一回りほど下の人たちで、実は話している時点では自分は年齢を見破られたことがないので、敢えて実年齢はバラさずに想像におまかせにしていることが多い。仕事で出会う人も、シンプルライフで飾っていないのに「うそでしょ」って思うほど実年齢とギャップのある人が多いな。こないだ名古屋で会った人は、学生かせいぜい20代中ごろかと思ったら大学生の娘がいる40代半ばだったし。 そんなこんなで、プロフェッショナルな仕事している限りは、もはや女性にとって年齢というものは有名無実化していて、どうでもいいことなのかもしれない。 あらら全然話がそれているな。 とにかく「猫村さん」は擬人化している時点で受け付けなかったし、猫バカ猫自慢だけのマンガももう飽き飽きしているけど、この適度に一線引いている猫育てマンガは、作者の脱力しているライフスタイルと一体化していて妙に面白い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.02 22:33:48
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