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未熟な作家の気まぐれファンタジー小説blog

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2007.04.21
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カテゴリ:落雷疾風記
「うぅ・・・・・・。」
僕は目を覚ますと、自分の部屋のベッドに横たわっていた。風景は変わらなかったが、なんと時間が約10時。寝すぎてしまった。
僕はベッドから降りると、ランプが点いている机の上にある精霊石を見て、思い出した。指輪の事だ。恐る恐る左手の中指を見てみると、その指輪は見事にはまっていた。その指輪には読めない文字が書いてあったが、ロイドランゲイス湖にいた時、ジンが設計図に書いていた文字にそっくりだった。
ジンは仲直りした両親の許(もと)へ帰ってしまい、自分の部屋には沈黙の2文字しか当てはまらない。いつもの様には戻ったものの、やはり淋(さび)しかった。
僕はベッドへ寝転がり、明々と点いているランプから放たれている熱に包(くる)まれながら、姿勢の悪いまま日記帳を開いた。
『6月23日 ついにレヴェナーンに帰って来ることに成功した。しかしレヴェナーンの姿は変わろうとしており、産業都市ナイルスと合併する予定。合併すると、レヴェナーンはレヴェナスに名を変え、戦力を増す。ローレライも軽々追い返せるだろう。
ナイルスの長ジャルースさんは、初めに寄った休憩所でマァティスの仮面を授けてくれた老人だった事にはさすがに驚いたが、僕が一番驚いたことは、そのお孫さんの内、3人は僕とほとんど同い年だとか。早く会ってみたいなぁ・・・・・・。』
少し今晩は気が弾まず、元気も無いまま再び床に就いた・・・・・・。
僕はその晩、夜中の1時になっても眠れなかった。昼間に寝すぎたのではなく、気分が落ち着かない。僕はこっそり部屋から抜け出し、ご無沙汰だった家の周辺を散歩した。
周りはとても暗く、月明かりが雄一の灯(ともしび)。足元に気を付けながら、テクテクと行ったり来たり。そこへ1人の男性が僕に近寄ってきた。
「・・・・・・カルメス山はどうだったんだ?相当疲れただろう。」
オスカーだった。聞いた話によれば、オスカーは真夜中になるとレヴェナーンの事レヴェナスを歩き回り、その剣銃捌(さば)きを活(い)かして夜間パトロールをしているそうだ。
「あぁ、結構疲れたよ。だから落ち着かなくて・・・・・・」
「・・・・・・そうか。俺はなぜあの悪夢を見てしまったのだろうか・・・・・・。今でも疑問に思うのだが・・・・・・。」
僕はカルメス山に行く前の事柄を思い出した。僕とオスカーの他にも、ティクル、シュリー、ジンがいる。しかし、これはあくまでも重大な鍵を握っている人物の話。
「僕も時々そう思うんだ。そもそもなぜ悪夢で知らせる必要があったんだろう・・・・・・。」
「そうだな。しかしそれは俺でも、他の人でも分からないだろうな。とりあえずナイトメアとは何らかの縁があるのだろう。だがそれなら、セルヴォイさんも関係してくるはずだ。しかし彼は悪夢を見なかった。どういうことだろう・・・・・・?」
僕は少し寒気を感じた掌(てのひら)に軽く息を吹きかけ、そのときにチラッと見えた指輪の事を話すことにした。
「この指輪の中には、僕にしか持てない精霊が眠っていて、名前はヴァルスィンって言うんだ。昼寝をしていたら、夢で会ってさ、元々はお祖父さんの精霊らしいけど、凄く誠実な精霊だったよ。」
「へぇ~・・・・・・俺も精霊は持っているぞ。『風』だけだがな・・・・・・・。それで十分。」
と、腰に差していた名剣『ゲルクナーガス』を抜き、地面に刺して魔法文を詠んだ。ゲルクナーガスは、刀身が半透明だがほぼ透き通っている、まるでガラスで出来ているかのような剣だ。なぜこの剣が名剣かというと、今から20年程前、オスカーの故郷でもある、メイリル島の『ウォンキャベルネイ』という集落の周辺で善良な者同士の仲間割れが起きた。その時まだ幼かったオスカーのはといつの間にか離れ離れになり、1人で修行をし、風を味方につけたそうだ。その途中、別名『風神の秘剣』と呼ばれていたゲルクナーガスを発見し、愛用してきた。そもそもゲルクナーガスのような種類は残り2つあり、ゲルクナーガスの他に、『風神の左籠手(さこて)』の事『バルクナーガス』、『風神の右籠手(うこて)』の事『ダルクナーガス』の2つがあるらしい。これらの3つが揃(そろ)って、『参武塵風剣(さんぶじんふうけん)』と呼ばれる為、それらの3つは秘剣と呼ばれる様になったらしい。
やがて、1体の狼の様な精霊が現れた。
「ふぅ・・・・・・。こいつの名前は『エリス(アバリット科)』(狼型♀)。『炎』や『水』など、形ある魔法の手助けをする魔法を得意とする、援護精霊だ。移動の時も、背中に乗れるから結構速いのが特徴だ。」
そこで、僕はオスカーに精霊の召喚魔法文を教わった。
「いいか、自分の所持している全ての種族の精霊は、『アーフォス』という魔法で召喚できる。文は、『我らを守護する聖なる霊よ』と言えばいい。アーフォスと言ったところで、精霊は出てこないから気をつけろ。」
僕は頷(うなず)き、早速その魔法を唱えてみる事に。
「・・・・・・わ・・・・・・我を守護する聖なる霊よ。いでよヴァルスィン・・・・・・!」
唱えたものの、精霊は出てこない。
「ほぅ。どうやらその精霊は出す所と出してはいけない所を区別できるようだ。まぁしばらく待て。」
僕は少しがっかりし、オスカーにもう少し精霊の事について聞こうと思ったが、あまりパトロールの邪魔をしてはいけないと思い、理由を言わぬまま、家に戻った。
親が眠る中、僕は床が軋(きし)む音にドキドキしながら部屋に戻り、机の前に座り、柔らかなランプの明かりに顔を照らされて、気分は朝方の朝日を浴びる様。時計は2時を差しそうで、しんみりとした空間の中、刻々と時間が過ぎる。

チッ、チッ、チッ、チッ・・・・・・

時計は、何だか僕を甘やかしている様な音で、時を刻む。別に時計を憎(にく)んでいる訳ではないが、それは自分が自分を甘やかしている気持ちでいっぱいの時、そう感じるのかもしれない。
・・・・・・ついに時計は夜中の2時を差した。特別な時間ではないが、1時間は早い。僕はなぜか疲れが生じてきたので、ベッドの布団に潜り込むと、息絶えるかの様に、眠った。   





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Last updated  2007.06.15 22:31:22
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