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ボックスアート ゲームボード(クリックで拡大) REBEL.pl新作ゲーム第3弾。デザイナーはŁukasz Woźniakで、去年「Szalone Małpy」という、お猿さんがテーマのキッズゲームでデビューした。 プレイヤーは17世紀のオランダ人商人。世界最古の証券取引所と言われているアムステルダム証券取引所で、オランダ東インド会社の支社(というか、6つの商社をまとめて東インド会社にしたんだけど)の株式に投資したり、それらの会社が扱ってる商品そのものに投資(先物取引ってことかね)したりして、お金持ちになることを目指す。今どき珍しい純投資ゲーム。なお、なんでタイトルが「メルクリウス」かというと、ローマ神話における商業神だかららしい。ちょっとひねりすぎじゃないかなーw 各会社の株価と商品単価を示すマーカーをゲームボード上に置き、プレイ人数に応じた枚数の株式トークンと商品トークンを用意して、各プレイヤーが70金と価格変更カード5枚、特別アクションカード3枚を持ったらゲーム開始。 スタートプレイヤーから順に手番をプレイする。手番中、プレイヤーは3回まで取引を行い、カードを1枚プレイし、カードの位置をずらして(後述)、カードを1枚引く。これだけ。数ある投資ゲーの中でもシンプルな部類に入るだろう。 取引とは、株式トークンか商品トークン1枚を売買すること。これを自由に組み合わせて3回までできるけど、同じ種類の株式/商品を複数枚売ったり買ったりすると、プレイヤーに不利になる価格補正がかかる。1枚だけ売れば現在価格で売れるけど、3回の取引中に同じものを2回売ると1枚あたりの価格が-1金、3回売ると引く2金になる。もちろん、まとめ買いすると1枚あたりの価格が上がる。当然、個別にちまちま取引した方が効率はいいわけだが、何しろ価格は水物。次の手番には下落/高騰してるかもしれない。価格変動を見越した上で、まとめて取引した方が得ならそうすべきだろう。 取引を終えたら、手札からカードを1枚プレイする。たいていは価格変動カードで、株価と商品価格が上がったり下がったりする。 価格変更カードの一例。 ここが「メルクリウス」の肝で、このゲームの2大特徴が凝縮されてる。 まず、カード1枚で株価と商品価格が両方上下するのだが、片方が上がったらもう片方は必ず下がるようになってる。また、各会社と商品のあいだには密接な関係があり、その組み合わせは決まっている(単純に1対1対応してるわけではない)。さらに、株価の変動範囲はカード1枚ごとに±1だが、商品価格の変動範囲は±2。株価はプラスになるカードが、商品価格はマイナスになるカードがやや多い。このように、株式と商品とのあいだで値動きに違いがあるので、投資の仕方もそれに合わせて考えなければならないのだ。長期的に損しないのは株式だが、ローリスクローリターンではぼろ儲けできない。危険を冒して一攫千金を狙い、先物投資するのが山師ってもんだろうw とはいえ、手札以外に何の情報もないのではほぼ運ゲーだ。しかし「メルクリウス」2つ目の特徴として、「プレイしたカードは3ラウンドに渡って効果を発揮する」というのがある。カードはプレイしたら即捨て札になるわけではなく、手元のプレイヤーボード上に置かれ、手番ごとに右にずれていき、プレイヤーボードから押し出される3ラウンド後まで市場に影響を与え続ける。だから誰かが「コーヒー-2」なんてカードを出したら、以降3ラウンドに渡ってコーヒー価格は2ずつ下がり続ける。すでに持っているコーヒーは早めに売り抜けた方が無難だが、もし手札に「コーヒー+2」カードがあるなら、下げ止まったところでコーヒーをまとめ買いし、そのあと「コーヒー+2」をプレイして利益を上げるなんてこともできる。 プレイヤーボードはこんな感じ。下段のスペースにカードを置き、ラウンドごとに左にずらしていく。上段にはアクションサマリーがあって分かりやすい。 正直、これだけでも純投資ゲーとしては面白いと思うが、ここに味付けとして「闇市場」「配当」「ニュース」の3枚の特別アクションカードが追加されてる。 この3枚が特別アクションカード。 各プレイヤーが同じものを持っており、それぞれゲーム中に1回だけ使うことができる。「闇市場」は手番外での取引を可能にし、「配当」は現在持っている株式数に応じた配当金を全プレイヤーにもたらす。各会社はゲーム中に1回しか配当しないので、自分が多くの株式を持ってる会社の株価が高いときにプレイしたいが、それが叶わないなら、他プレイヤーの邪魔をするためにプレイするのもありかもしれない。「ニュース」は価格変動を行わないことができ、手札を交換することができる。地味だが、手札のどれもプレイしたくないときがゲーム中に1回はあるだろう。そのときには重宝するはずだ。 価格変動カードの山が尽き、そのあと2ラウンドプレイしたらゲーム終了。持ってる株式と商品を現在価格で換金して、一番お金持ちのプレイヤーが勝ち。 繰り返すが、実にシンプルな純投資ゲー。それだけにプレイ感は地味で、価格変動に一喜一憂しつつも黙々とプレイすることになるだろう。しかし、全然先行きが見えない系の投資ゲーとは違い、少し先までのおおよその値動きは読めるし、他プレイヤーの売買やカードプレイからその意図を読むこともできる。それに相乗りしたり、あるいは邪魔したり。「配当」カードによる収入はかなり大きなものになるので、そのプレイタイミングも重要だろう。特殊能力てんこ盛り系ゲームで大騒ぎしたい人には向かないだろうが、静かな、そしてわずかな動きにしびれるようなゲームが好きならきっと気に入るはずだ。 BGGの和訳ルール
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