まるい月の下の火星は裏千家のつぼつぼのようで愛らしかった。
今日も見えるだろうか、火星と月がなかよくしているところ。
Titleのマルレーニはテア・ドルンの戯曲名。
8月に101歳の誕生日を迎えたばかりで先日亡くなったレニは1902年ベルリン生まれ。
一方マルレーネは1年早くベルリンで生まれている。
ふたりは町ですれちがうことはなかったのだろうか。
ギリシャ神話のヤヌスの2つの顔のように
あるいはその戯曲でふたりがドイツの姉妹として描かれているように2人は同じ時代を闘った女神のすがたで重なっている。
お気に入りの映画の一本が『嘆きの天使』だったヒトラーは
マルレーネに自分の映画への出演を要請するが彼女は断って母国を去った。
その後は反ナチ運動に積極的に参加した。
ドイツ時代の映画は『モロッコ』や『上海特急』を観た記憶がある。
アメリカ時代の映画はアガサ・クリスティ原作の『情婦』を観た。
ヒールを脱ぎ捨て熱い砂の上を裸足で歩いていく姿や愛する男を助けるための、冷淡に見えて熱い愛情表現が印象的だった。
アメリカの市民権をとった彼女はドイツにかえれなかったようだ。
お墓はパリにあるはず。
「外国は故郷にならなかったけれど、故郷は外国になってしまった」
第2次世界大戦中ドイツの敵国アメリカに渡った彼女は
生まれ故郷を切り捨てた苦しさを抱えていたかもしれない。
ヒトラーはワーグナーを崇拝しレニを賞賛していた。
戦後レニはヒトラーに加担したとして
母国ドイツからも冷ややかに遇されたと聞く。
マルレーネは戦前のドイツと距離を置き
レニは戦後のドイツに距離を置かれていた。
どちらにとっても故郷は外国になってしまっていただろう。
その点でもむすびつきそうなふたりの像。
外圧におしつぶされない強靭な精神と個性、creativity。
似ている。向いていた方向が違うだけ、ヤヌスのように。
剄いミューズたちに敬意を持っていた。
試練を乗り越え創造力を失わず活力に溢れ長寿を全うしたふたりの女神。
彼女たちに比べたらそれほどの修羅場をくぐりぬけたわけでもなく
マッカーサーの言う12歳の少年のように自分が小さく幼く見える。
(正確には『近代文明の尺度で計ると、われわれが45歳であるのに対し、日本人は12歳の子供のようなものだ』)
でも、むかし見た『オリンピア』(『民族の祭典』『美の祭典』)は
時代のありのままを撮っていたような気がした。
開会式のシーンには第3帝国が出てきていたが...。
私が今もおぼえている一コマは陸上棒高跳びでの日米決戦のようす。
競技も応援もすごくおもしろかった。
羽織袴で扇子に日の丸の日本応援団と
紺ブレ(白黒映画だが...)にパナマ帽のUSAコール。
全米オープン・テニスの日本でのテーマ曲はJBの’Sex Machine’だった。
マイケル・チャンとピート・サンプラスの引退セレモニーは見たかったなぁ。
17歳で史上最年少全仏チャンピオンになったマイケルの額を見ると
微かにレスリー・チャンを思い出す。17歳の時の試合を見てみたい。
サンプラスは史上最年少19歳で全米を制した。
サンプラス、フィリプーシス、ソクラテス、アリストテレス、ヒポクラテス...
ギリシャ系の名前は「ス」で終わる人が多いかも。
決勝を見て、
男子シングルスの試合の傾向がサービス・エースばかりのパワー・テニスに移ってしまうのかどうか
ちょっと気がかり。ラリーももっと見たい。
TVで’Rhapsody in Blue’(performed by The Marcus Roberts Trio)をしていた。
やはり聞き惚れて手がとまってしまう。色っぽい曲だ。
to be continued...!?
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