映画『青燕 청연
Blue Swallow』@TIFF
これは在日の始まり、はじめの在日の映画と思った。
朝鮮人と日本人、男と女を区別しない空が一番好き...
朴敬元 パク・キョンウォン(チャン・ジニョン)が詩的な言葉に託した(隠された)思いは
今の在日の心情にも通じるかも。
でも、もし80年後の現代の在日も
詩的な言葉でしか心情を語れないとしたら...
詩などの創作芸術に胸の裡を託し
直截的な心情の吐露を回避するとしたら...
それは視覚化されない綿のような重圧が
現代も残ったままだからなのかもしれない。
もうひとつ、
日本人に見える(見せようとする)在日(ハン・ジヒョク)の像は
現代の在日のひとつの鏡像のよう。
選択肢のひとつとして、
生活の言語、支配者の国の言葉日本語と
人生の言語、祖国の言葉朝鮮語を矛盾させ共存させ使い分ける生き方がある。
肉体の言語と魂の言語の峻別と乖離と混沌のambivalence。
それは
木部が外務大臣を思いやるかのような偽善的な言葉のオブラートで
キョンウォンの人生を手助けしたい本音と真心を包んでいるような...
生きる手段、道具としての言葉、演じる言葉と真実のギャップが
在日(の居場所)の二重性を孕み、二重性とも絡んでいるように見えた。
朝鮮人と日本人、男と女を区別しない空が一番好き...
この言葉は海を越え普遍の地平にも広がる。
黒人女性はまず人種で差別され
女性としても差別され二重の弱者の時代を長くすごした。
Alice Walkerの小説を読んだり公民権運動の時代の話を聞いて知った。
映画を観て
この時代の半島の女性が
黒人女性とオーヴァーラップした。
被支配者として、さらに女性としても区別されている。
black and woman
さらに
コンテンツの分野で新しい女性像、男性像が提示されているのが興味深い。
ドラマ「チャングムの誓い」や「私の名前はキムサムスン」に登場する男性のように
女性が夢をかなえる姿を見守る男性像へと
表現が変遷して来ているのが見てとれる。
画期的な女性像を表現した
『浮気な家族』(2003年)
には傍らで見守る男性がまだ不在だった。
2004年、2005年に社会が潜在意識下で求める女性像が変わってきて..
これまでの女性像を超えた女子像、男性像が描かれはじめている。
(韓国語では、genderとしての女性像の謂いで女子像という言葉をつかう)
古いのか新しいのかわからない映画。古い題材を新しい語法で、(古い革袋に新しいぶどう酒を入れるのとは逆の)...
これが普遍的ということなのか。
ユン・ジョンチャン監督作品。
ほぼ同時代のアイルランドを描いた
『麦の穂をゆらす風』で英国軍がアイルランドにしていたこと、
まるでパラレルだった、近親憎悪は世界中で起こるものなのだろうか...
to be continued...!?
buzz KOREA
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