それは1962年11月30日。
L.A.の英国人ジョージ(コリン・ファース/Colin Firth)が
愛するジム(マシュー・グード/Matthew Goode)を失って8か月。
喪失感が波打つ。
波が高くなり昂揚し
思わず拳銃をこめかみに当てそうになる。
そして波が静かに引けるような一日。
絶望失望喪失感を抱えて
それらの感情がとぐろを巻き高波のように迫った時
そして波がまたおさまった時の心の動きを
繊細に描き出す。
内面は激しく揺さぶられているのに
いつもの通り
多くの人に会い
多くの会話をする外面。
ランウェイを歩くモデルたちのように
美しすぎる、一糸乱れないたたずまいの登場人物たちが
モデルハウスとモデルで構成された遠い世界を視るようで...
心ここにあらず、の心象風景を際立てる遠景になっている。
自分がゆっくり進み
声が聞こえなくなるシーンは
現実世界とのシンクロニシティ(synchronicity/同時性)を失っているかのよう。
現実の時計が進み
日常は動いて行くのに
自分はそれに遅れているようで
ひとり残され
別の時空に浮遊しているかのように見える。
自分にも経験がある心理だった。
フィルムの色遣いが
繊細に変化していくように見えた。
さいしょは蝋人形のように蒼白く
シンディ・シャーマンの作品のような色。
しばらくして天然色に変わったようにみえた。
空気の色が変わったかのようだった。
親友チャーリー(ジュリアン・ムーア/Julianne Moore)に会い
教え子のケニー(ニコラス・ホルト/Nicholas Hoult)と夜の海で泳ぎ
波は静まっていくかのように見える。
その間も
波間にジムの思い出が浮かんで沈む。
そして一日の終わりが来る。
韻文の日記のように詩的で
そして
恋と愛も
孤独も喪失も
男であろうと女であろうと
そうかわりはない、と最後に思った。
シチュエーションは違うけれど...
別離のあとの時間、
時の進み方に鋭敏になるところから
この歌も思い出した。
It's been seven hours and fifteen days
Since u took your love away
I go out every night and sleep all day
Since u took your love away
:
:
`Cause nothing compares
Nothing compares 2 u
カルロス(Jon Kortajarena)が言っていた言葉だったろうか。
"Love is like a bus,
you just have to wait for a little while,
the next one will come along."
恋はバスのようなもの。
ちょっと待てば次が来る。
でも待つ間がつらい...
なぜなら
Nothing compares 2 u
だから。
『もう少し近くに/Come, Closer』みたいな
せつない気持ちも。
Campo Baeza/カンポ・バエザがTom Ford/トム・フォードの家を設計したことから
映画の中の家や建築にも目を凝らしてしまった。
Colin Firthがフェルメール役。
『真珠の耳飾りの少女』。
フェルメール展。
to be continued...!?
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