ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の
インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門で韓国の短編映画を(≧∀≦*)
全4部門のプログラムのうち、
プログラム4[ドラマ]部門では
ユン・ソングン監督『ぼくのおじいちゃん』と
キム・ボラ監督『リコーダーのテスト』などを鑑賞。
『ぼくのおじいちゃん』は...
祖父の田舎で学校に通う小学生ノイン。
「おじいちゃん、Nintendo DSがほしい。
お父さんはいつこっちに来るの」
ソウルで働く父は子どもを自分の父親に預けたきりめったに田舎には来ない。
ノインは父が来るまで待ちきれず祖父にもねだってみた。
韓方の材料が売れてまとまったお金が入ったとき
祖父がおもちゃやに聞いてみると...
「DSはないけれど似たようなのはあるよ。8千ウォン」と店主。
孫の喜ぶ顔が見たい祖父はそのおもちゃを買ってみたが...
『おばあちゃんの家』みたいな
都会育ちのわがままな孫と
田舎の祖父の話かなぁと思って観ていたけれど...
短編ドラマだけにもう少し詩的な余韻。
牛が逃げてしまったり
記憶の中追憶の中のような光景が遠い風景のように描かれる。
ユン監督によると実は自分の子ども時代の時の話が含まれているとのこと。
自身が牛を逃がしてしまったこともあるそうだ。
すべて遠景のカメラで撮られていて
クローズアップがないので
もしや...と思い後ほど監督に
「ご自身の子ども時代を描かれているから
そしておじいさんがその時どういう思いだったか知る由もなかった、
という思いからカメラは終始寄らずに遠景なのでしょうか」
と確認したところ、その通りだ、とのお答え。
おじいさんはどんな思いだったのか...
自分が親になっても
その時の祖父の胸中は知ることができない、未だにわからない、
という思いから全編通してカメラは寄らずに撮影したとのこと。
そんな監督の子ども時代、そして祖父への思いがつまった作品。
監督自身から映画へこめられた思いを聞くと感動もひとしおだった。
『リコーダーのテスト/リコーダー試験』の演出もすばらしかった。
1988年。
小学生のウニ(ファン・ジョンウォン)は両親と兄ひとり姉ひとりと暮らす、5人家族の末っ子。
父(チョン・インギ)は日曜日にこっそり恋人に会いにカフェに出かけ
母(パク・ミョンシン)はそんな夫に不信感と苛立ちを募らせる。
年の離れた姉は夜遊びばかり、年の近い兄はウニに冷たく意地悪もする。
今度のリコーダーの試験でうまく演奏することができれば
家族ももう少し自分に注目し、愛情を示してくれるだろうか...
ウニはリコーダーの練習に励みたいが
兄のお下がりの古いリコーダーはなかなかいい音がでないのだ...
同じ名前の少女、
『冬の小鳥』の監督ウニを思い出した(作品中はジニ)。
子どもの孤独、
子どもが愛情とやさしいまなざし、あたたかい抱擁を切望する姿は
胸が締め付けられるようで...オーヴァーラップした。
子どもの哀しみ。
それは小さいけれど深い。
子どもの怒り。
これも小さくみえるけれど
突き刺さる。
そんな子どもの心の動き、機微が繊細に描かれていた。たった28分の中で!
子ども時代にふと感じていたさびしさを思い出す作品。
そして大人になった今の視点で観ると...
大人自身も日々の生活と自分の悩みに精一杯手一杯で(豊かさや余裕もなければなおのことかも...)
子どもに愛情を注ぐほど精神的余裕もないのかもしれない、と思ったりもする。
大人もさびしく孤独なひとりの人間だった。
ウニのさびしさ、と同時に
家族それぞれのさびしさや人間の孤独も感じられた。
ばらばらな家族の共通点は...
それぞれの人間としてのさみしさ、孤独感かもしれない。
キム・ボラ監督は来日できなかったのが残念だけれど...
よい作品だった。
どちらも大邱短編映画祭に出品されていた作品とのこと。
大邱/テグの映画祭も行ってみたくなった^^
to be continued...!?
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