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テーマ:韓国!(16968)
カテゴリ:映画
あらすじ
77歳のマンソク(イ・スンジェ)は寒い冬の早朝の牛乳配達中に ソンさん(ユン・ソジョン)という独り身の女性と出会う。 いつしかソンさんに惹かれ 強引に世話を焼き始めるマンソク。彼なりの愛情表現だった。 ソンさんとの出会いを通じて知り合った駐車場管理人のグンボン(ソン・ジェホ)と 痴呆症のその妻(キム・スミ)との交流。 老いてからの友情に愛。 4人は仲良く遠足に出かけるほど親しくなっていったが... 2012年に観客数1千万人以上を動員したイ・ビョンホン主演『光海 王になった男』の チュ・チャンミン監督の2011年ヒット作『拝啓、愛しています/그대를 사랑합니다/Late Blossom』。 マンソクの性急さや女性をリードする姿と、 情熱的で子どもっぽく嫉妬深くもある熱くストレートな愛情表現は まさに現代の、10代から30代の恋する韓国男性そのもの。 リアルによく知っている、 そして韓国ドラマなどでもよく見聞する 恋に落ちた時の韓国男性そのものなのだが... 大胆で熱くストレートな一方、 「あなたを愛しています」と言う時の 「あなた=당신タンシン」は 二婦に見えず(まみえず)とばかり亡妻以外にはつかわないと言うマンソク。 ソンさんには「あなたを愛しています」(あなた=그대クデ)という表現で 先立った妻に配慮しながらも 最大限の愛を表現しているのも韓国らしい。一途さと古風な義理堅さの両立。 そんなマンソクを見ながら 70代のおじいさんも 恋をすると現代の韓国の若者と変わらない言動なのかもしれない、 三つ子の魂百までかしら、 と映画の前半ではそう思いもしていた。 あぁ韓国らしい、と。 ただ違うのは... 「時間」だと気付いた。 出会いは早朝、 時計の文字盤、目ざまし時計など時間を意識する時計のモチーフがなんどか登場し 見上げる満月も やがて欠けていく、進んで行く時の歩みを象徴しているかのよう。 若いころとおなじように ありったけの思いをぶつけて愛しても 老いた二人にとってその先の時間は限られている。 若いころには形式的に聞く ひとごとのように聞き流してしまう「死がふたりを別つまで」という言葉は 映画の主人公たちにとっては まさに目の前の、隣り合わせの現実。 死という別れをも意識する意識せざるを得ない愛は まだわたしの知らない、 もっと哀切で純粋でつつましく... 静謐で深い愛なのだなぁと しみじみと感じる。 愛×時間 若い時には意識しない、 老夫婦や老いた人たちだけが気づく 人生の奥妙と真理が描かれている。 愛と時間(老い)の対比で より鋭敏に人生の深遠を見せてくれる。 音楽の使い方が韓国ドラマのように時にメロドラマっぽすぎて 音楽で、ラブソングの歌詞などで盛り上げすぎる傾向はある演出だけれど... 思いやりと深い愛情に満ちた主人公たちの姿には敬意も浮かぶ余韻を残す作品。 今年たまたま 老後を描いた映画で スペインのバンド・デシネ アニメ『皺』や 香港の『桃さんのしあわせ』を観ていたけれど... その2作品に共通の老人ホームとは違う空間、 社会や自分の過去や自分の家族たち等、しがらみも含めて より密な関係、関わりがある空間・世界が描かれているとも感じた。 これら2作品にはない、老いての恋愛、恋が描かれることで 人間の生の本質が浮き彫りになっている。 即ち、他者とのもっとも親密な関わりのひとつである 恋愛や結婚生活という世界を描くことで 人間に一番必要な愛する誰かとの結びつきを描くことで、 より深く、またより濃密に人間の生が立ち上がってくる。 老いた人々の愛情と生が その最後のステージでしっかり切り結ぶ様子が これが人生、とその生の輪郭をくっきり際立たせ、 これが人間だ、という思いを強くさせる。 まだ私の知らない喜びや悲しみや選択だけれど、 そこに正面切って立ち向かう人生の先輩たちの清清しさ、爽やかさも感じた。 ベテラン俳優たちの自然な演技と その四重奏もすばらしいが... 彼らから見れば若手(!?)の オ・ダルスとイ・ムンシクの 刺青!?コントもなかなか楽しかった。 文盲だが いつも誰とでも丁寧語で話すソンさんの話し方や 控えめで美しいたたずまいと素朴な表情そのままの演技もすばらしかった。 まるで野の花のよう。 『桃さんのしあわせ』のディニー・イップ/葉徳嫻の演技に 勝るとも劣らない。 原作のマンガは 売れっ子マンガ家/ウェブトゥーン作家カン・プル/강풀の同名作。 こんなに人生の機微がわかるなんてすごいなぁとあらためて思う。 これまで数多くの作品が舞台化・映画化され 『拝啓、愛しています』はまず舞台化されていた。 ほかに映画化されたのは ユ・ジテ、イ・ヨニ、カンイン主演『純情漫画』 チャ・テヒョン、ハ・ジウォン主演『バカ』 2012年ヒット作チング、ハン・ヘジン、スロン主演『26年』など。 12月19日の大統領選挙投票日までは Twitterで毎日ひとつのマンガを掲載し 投票を呼びかけていた姿も印象的。 余談ですが... 配給のアルシネ・テランさんはヨーロッパ映画配給のイメージが強かったけれど... 今回のように韓国映画も配給するのですね。 パトリス・ルコントの作品いろいろや、 『みつばちのささやき』を思わせる、 トルコのセミフ・カプランオール監督の『蜂蜜』も配給。『蜂蜜』は好きな作品。 今年はキューバが舞台のオムニバス映画『セブン・デイズ・イン・ハバナ』も拝見。 映画館では愛らしいハート型の『拝啓、愛しています』タオルいただきました♡(≧∀≦*)♪ to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用・ 盗用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 26, 2024 01:16:28 AM
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