『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督と、
コスタ・ボーテス監督によるモキュメンタリー
『光と闇の伝説 コリン・マッケンジー
Forgotten Silver』(1995年)
映画史に燦然と輝く先駆者、
聖書に題材をとったスペクタル映画を
世界初のトーキーでカラーで撮ったのは誰であろう、
ニュージーランドの映画監督コリン・マッケンジーだった。
コリンの足跡を辿り、世界初のスペクタル映画が撮影されたセット跡を
ニュージーランドのジャングル中に発見したピーター・ジャクソン一行...
モキュメンタリー形式を取ることにより、
観客のその時代への映画人たちへの関心を強力に高める一方
映画史上に足跡を残せなかったのは無名のスタッフだけではない。
完成出来なかった映画のやるせなさ、儚い運命を掬い上げ
歴史に埋もれた映画人や未完成映画への
敬意と普遍的なオマージュの余韻を残し、騙された感はない。
クライマックスに向かって高揚させられていく気持ちから
信じてしまいそうにもなるが
例えば発見発掘された『サロメ』上映時の会場や観客のしょぼさ等から
予算の実際もうかがい知れ、夢から醒めそうにもなる。
そして2018年の現代に観ると...
映画界を追放されたハーヴェイ・ワインスタインが
コリン・マッケンジーを称える姿として私たちの前に甦り、
今後も残っていくだろうというアイロニー。
(撮影が終わっていた『ゲティ家の身代金』のケビン・スペイシー出演部分は
全て撮り直されたが
このようにむかしの映画の中では彼らは生き続けるのだろう)
彼は映画界から追放されてもなお映画の中に、
映画の世界に姿を残して生き続けるのかというふしぎな感慨も。
バーチャル、仮構の楼閣というモキュメンタリー、
映画という容れ物の懐の深さ、
闇を照らし出し暗闇の中でも光り得る用途に思い至りもする。
映画界、映画史における映画の意味をさまざまに感じさせ考えさせる作品だった。
「建築の20世紀」展で感じたこともふっと思い出した。
建築の儚さ。
コンペに勝たなかったらその設計、建築はこの世に生まれることさえかなわないのだから。
コンペに落ちた建築と
未完の映画、どちらも忘却の彼方には沈んでいくかもしれない。
でも、どちらも記憶し愛惜する者たちはいる。
どちらが幸せだろうか。
そして映画の中で生き続ける者たち。
ピーター・ジャクソン監督の神妙な顔、演技力に脱帽!(^_-)
to be continued...!?
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