あらすじ
DVD部屋の店長ドゥシク(シン・ハギュン)とアルバイト・テジョン(ト・ギョンス)の
開かずの「7号室」をめぐる攻防。
短編『10分 10분
10 Minutes』で数々の賞を受賞した
イ・ヨンスン監督『7号室 7호실
Room No.7』(2017年)
(以下、映画の核心に触れる部分もございます)
マ・ドンソクと SHINee ミンホ主演の
イ・ソンテ監督『アンダードッグ 二人の男 두 남자 Derailed』を
彷彿とさせもする設定。
即ち、甲乙関係 갑을관계 ではなく
乙同士、負け犬たちの対立が
「生き残る」ための過酷な社会の現実を浮かび上がらせもするが...
『アンダードッグ』には瞬間的「義理」が
人間性への希望のようにぼんやりとした光のように浮かび上がっていた。
本作はそこまで過酷ではない、苛酷な結末には至らない。
人生の一発逆転に縋る綱渡りのテンションが
サスペンス・アクションとして張り詰めんばかりの次の瞬間
ぷつんと切れた時にほの見える人間らしさが(監督は『正しく生きよう』の演出部にも)
映画としては転調してしまっているようにも見えるし
トーンが変わって「文学的」に転んだ、と言えなくもない。
(映画のジャンルは「ブラックコメディ」となっているが)
映画を作りたかった店長と
奨学金獲得に失敗して学費を借りたため返済に追われる(アメリカや日本も他人事ではない)、
ミュージシャン志望のアルバイトは
死体隠しと一攫千金の緊張をついには捨てて最後に真っ当に生きることを選んだ。
姉家族の元へドゥシクが家財一式を積んでポンコツ車を走らせる風景は
夕日に照らされどこか希望の余韻を残す。
狭い商店街・地域の中で
店の権利金が上がったり下がったり
損切りをどうするかで次に動けない状態は
常に自転車操業の自営業者たちのジレンマでもあるが
不動産物件に限らず投機や投資の話にも通じ
キャッシュフローの問題だけでなく狭い人間関係も足枷のようで
二進も三進も行かなくなった現代人の生を象徴しているよう。
抜け出せない泥沼、負け組たちの閉塞感が伝わり、
このあたりも韓国の現代文学にも通じる趣が。
そして、最近の韓国映画に欠かせない(?)中国朝鮮族の青年(キム・ドンヨン)は
最低賃金より低い時給を押し付けられそうにもなる。
弱い者はさらに弱い者へ力を行使し(一種の甲乙関係)、
社会から疎外された者同士さらに疎外しはじき出し合ってしまう構図、現実も。
(日本のドラマや映画では
外国人実習生からの搾取はもちろん
東京入国管理局の収容施設での難民への虐待も描かれないが...)
テジョンの首左側のラテン語のタトゥーは
Frustra laborat qui omnibus placere studet と読める。
「八方美人は骨折り損」の意。
確かに、前半は仲間内のしがらみに絡め取られている感があった。
韓国の映画館で撮影したスタンディー。
脇役で一人
ド・ギョンス(EXO D.O. 디오) と同じくSME所属の人がいた気がする。
EXO の中ではダントツ演技派まっしぐら!?の
ディオはもう出演した映画が8本を数える。
to be continued...!?
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