日大藝術学部学生の企画による映画祭
「朝鮮半島と私たち」で清水宏監督の
『有りがたうさん』(1936年)などを。上原謙主演。
清水宏監督の朝鮮半島関連作品はほとんど観ていたが
『有りがたうさん』は初めて。
川端康成の掌編小説、伊豆を舞台とした「有難う」が原作。
「道路を作ってもその道路を歩くことなく次の現場へ」
と「有りがたうさん」(上原謙)が運転する長距離バスとすれ違った
白い服の女性、朝鮮半島からの労働者はさびしそうに語る。
亡くなった親の墓守を頼んで去らねばならぬ事実が示唆するものは多いが、
波風を立てることなく深く掘り下げることなく淡々と過ぎていく描写は
まるで風景、通り過ぎるだけの景色の一部のように
閉じられた世界として描かれている余韻。
何かが変わる、何かを変える映画ではないが
今となっては遠く閉じ込められ微かになった声が聴こえてくる、
疑似記録的な意味もあるのかもしれない。
白い服の表象に閉じ込められ
強く訴え抵抗する態ではない
無臭化された風景、「物言わぬ」淡彩画としての白い服の労働者たちから。
勝海舟の「氷川清話」
昔は、日本の種子は、みな朝鮮から輸入したのだからノー。
特に土木事業などは、尽く朝鮮人に教わったのだ。
いつか山梨県のあるところから、
「石橋の記」を作ってくれと頼まれたことがあったが、
その由来記の中に「白衣の神人来りて云々」という句があった。
白衣で、そして髭があるなら、疑いもなく朝鮮人だろうヨ。
この橋が出来たのが、既に数百年前だというから、
数百年も前には、朝鮮人も日本人のお師匠様だったのサ
との隔たりを思う。
変質してしまった白衣の表象が鉄格子のようにも見える。
清水宏『ともだち』(1940年、朝鮮総督府鉄道局)はあらためて
朝鮮半島の子どもの背の低さが気になった。
同じ学年ではあろうが...
孫基禎は身長170㎝だったが
関東大震災の時、身長が高いので朝鮮半島出身者と目星をつけられ狙われていたという証言もあったから。
外地の子どもたちの栄養状態が悪く
宗主国の子どもとは生育に差があった、という現実を反映した描写なのか
偶然なのか、何かを示唆しているのか...
今回の映画祭の上映で
阪本順治監督『KT』(2002年)に若かりし日のパク・ソンウンが出ていることに気づいた。
to be continued...!?
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