4484668 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

confuoco Dalnara

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Free Space

Copyright (c) 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.

Unauthorized reproduction or appropriation of this site,
Unauthorized reproduction or appropriation of images and photographs,
Unauthorized reproduction or appropriation of interpretation, understanding, writings or points of view from within this site are all prohibited.
Unauthorized curation is also prohibited.
Do not mention without prior permission or without indicating the source of this site name and URL.

Please put in quotes with indicating the source of this site as blog name and URL.

Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.

本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は
著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください
無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、
表現
情報、意見、
解釈、考察、解説
ロジックや発想(アイデア)
視点(着眼点)
写真・画像等も
コピー・利用・流用・盗用することは禁止します。
剽窃厳禁
悪質なキュレーション Curation 型剽窃、
つまみ食い剽窃もお断り。
複製のみならず、ベース下敷きにし、なぞって語尾や文体を変えた剽窃、
リライト
、切り刻んで
翻案等も著作権侵害です。
引用、言及の場合は必ずご一報下さい。
Copyright (c) 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.

Freepage List

映画の感想


殺人の追憶


無間道(InfernalAffairs)


ほえる犬は噛まない


HERO


おばあちゃんの家


猟奇的な彼女


名もなきアフリカの地で


光復節特赦


クジラの島の少女


イル・マーレ


歌追い人


中毒(純愛中毒)


殺人の追憶・拾遺


映画2003


殺人の追憶と比較


MUSA-武士-


クラシック(ラブストーリー)


オアシス


Mystic River


miscellanea


로스트 메머리즈


殺人の追憶(2回目)


Master and Commander


Girl With a Pearl Earring


豊穣と多様


LIT


Cold Mountain


Passion


浮気な家族


子猫をお願い


春香傳


miscellanea 2


無間序曲


Vozvrashcheniye


Che


OLD BOY


Belleville Rendez-Vous


ESMERALDERO


Birthday Boy


Samaria


New Cinema Reloaded 2005 Mar.


マルチュク通り 李小龍&成龍


Mo Cuishle Million Dollar Baby


Menschliches, Allzumenschliches


Charlie and the Chocolate Factory


La Marche de L'Empereur


miscellanea 3


Sympathy for Lady Vengeance


recent appreciation


borders, crash, here and there


ノラボセ 王の男


miscellenia4


PIFF2007 & 2008


miscellenia5


miscellanea6


言葉について


単語


翻訳


語源と派生と発展


東西


details, fragments


quo vademus?


外来語


Auslander


比喩


super


pidgin、Creole


長音発見


Nomenclatura


Ko Phuket(海溢)


外界語 Extra-Terrestrial?


同床異夢、色即是空


連歌


10×10


miscellanea


cadence


サタンヘヨ so sweet Sweetie


financial Frankenstein


CV?


Rose tussie-mussie


amantes, amentes


Rhyme


重箱


上火下沢


Pod Learning


韓国いろいろ


forest of neon


韓国の友人


After 6 years...


韓国ドラマ


恋人たち-S(e)oul Cafe


2003年8月


‰留守電‰


清渓川


記入例


数字


節分とデポルム


韓国中華(half&half)


King & Queen


チャギヤ~


ケータイ天使・ポータビリティ


K-Pop詞


富士くちびる


君の名は


迷うTango


韓国映画とIMF


南北


韓国と沖縄


初伏中伏末伏、伏日


韓国料理 海千山千


渤海を夢見て


絵本の絵


Birthday Boy 絵本のような映画


温達と平岡


miscellanea


PIFF2004


oeuf a la carte, 卵と韓国


BBBF(Blood type B Boy Friend)


music


酒飲み韓国


1、2、3!


amor fati-運命を愛する人たち


vegee Seoul


外界語 Extra-Terrestrial?


街の写真


春節電子boom(春節特需)


パドタギ-波乗り


1588


Gone With the Wind


with Bobby


3月3日サム


cadence


サタンヘヨ so sweet Sweetie


Als das Kind Kind war


manuscript...瑞雨


moves


暗行御史


酒飲み韓国2:ウォンシャッ!


jujube棗


miscellanea 2


重箱


混淆する芸術


miscellanea3


miscellanea4


finearts


ポジャギ(袱紗)、クレー


絵とシニフィエ


波山


絵の余情



蜜と乳、金光海のパリ



make’n’take


緋色の研究


古い海


魚の絵/和紙の写真


睡蓮 at the Marmottan


唐草たち


Allegory of Painting


Twinkle UK


asian field


Muse-um?


昔の石


miscellanea


mirage


kinetic typography


光の詩人


Le Sang D'un Poete


Blauer Rauch...und Serge Lutens


朱雀


猩々


現在の記憶 scrap and build


The Great Wave:Surfin' Edo


空間の余白は時間の巻物


miscellanea2


miscellanea3


People


Marlene & Leni


genius


business/culture


同床異夢


cocoon化


kool’n’def


get/put


old-fashioned


period et comma


mannequin


2038年


白いごみ箱


10%、Butterfly Effect


supraliminal?


G-mail


LOHAS-LOTUS-Barnbrook


miscellanea


diary 4 S


春節電子boom(春節特需)


同床異夢、色即是空


パドタギ-波乗り


shuffle


10×10


WMD


moves


Rapper 酔虎


the last train


runner's shoes


Brand Extendibility


839


okstate


Comet Impact:how to make a comet, or fly


face neuron


nano


A-dog


Чебурашка:White Cheburashka


Because it is there.


時雨殿


Ultrasonic mosquito


冥王星で朝食を


Digital Cinema


World Mapper


miscellanea2


miscellanea3


miscellanea4



カントとカモノハシ


City


許浚


バカの壁


気になる本


miscellanea


琥珀の望遠鏡


Music


Drum Jam Session


organ w/ 吟遊詩人


theremin、玄琴


12月の音楽の時間


Ludwig’s homework


from Mars to Muse


miscellanea


miscellanea2


Anthology


如逢花開、如瞻歳新


掬水月在手


秋千


花・自然


金桂


風の音


韓藍~夏から秋へ


ソナギ(驟雨)


星 夜


蝋梅/山茶花


multi colored


潅仏会の薔薇


初蝉、長回しの夢、映画みたい


花の寺


口切 炉開きの頃


Valentine birds


瑞泉寺の躑躅


miscellanea


galactica


月と星


花の旅


高麗川の曼珠沙華


京都


cooking/foods


Salute-Salt


お漬物料理?


★Yummy Rolled Cake★


青菜炒め


oeuf a la carte, 卵蒸し


Kimchi Tomato Ramen


新酒の酒粕



風水九節板


やわらか


miscellanea


紫ずきん


猫の舌


anchovy aficionada


もやしもん 発酵韓国(発酵いろいろ)


miscellanea2


Architects


Alphabetical Order


Slope


韓国料理のお店


photos


小鳥がもらったもの


黄金騎士登場


sora


hana


Seoul


Under the Sea



in the zoo


風景 街の風景


the sea


おしゃれ裏番長


鳥、小鳥の話


of Iguaz


小鳥の朝


Jan 22, 2021
XML
テーマ:韓国!(17020)
カテゴリ:映画
映画は金忠植キム・チュンシクによるノンフィクション
「実録KCIA『南山と呼ばれた男たち』」を元に再構成したもの。
但し、大統領殺害の動機を特定、限定あるいは
断定していない。
複数の可能性を提示し
「藪の中」のように謎めいた余韻も残す。
映画で描写されているように、
複数の動機、複雑な心理、複合的な要因による
事件として観ることで「大局的に」俯瞰も出来た。

イ・ビョンホン、イ・ソンミン
クァク・ドウォン、イ・ヒジュン、キム・ソジン出演
ウ・ミンホ監督『KCIA 南山の部長たち 남산의 부장들
The Man Standing Next

(以下、映画の核心に触れる部分もございます)

以前、「ダ・カーポの歴史」という筆者オリジナルの表現で
映画を評したことがある
が、
フィルム・ノワール的主人公描写に
今回は(筆者風に言えば)「マトリョーシカの歴史」と
小輪舞(ロンド)形式が重なり
近現代史のひずみが普遍的に描出されている感がある。

namusan 1.jpg

(以下、映画の核心に触れる部分もございます)

史実では「革命(5・16軍事クーデター)」に参加していない
金載圭=キム・ギュピョン(イ・ビョンホン)が
大統領(イ・ソンミン)を殺害する際に
「각하! 왜 혁명을 하셨습니까?
왜 우리가 목숨을 걸고, 혁명을 했습니까!?」と
「革命」を引き合いに出し
「革命の裏切り者」として断罪し下野を迫る。
5・16に参加もしていないギュピョンが思い描いた
「革命」とは何だったのだろうか。
映画は史実の忠実な再現ではなく、
史実と虚構のあわいに潜む普遍的真理を炙り出しもする。

魯迅「故郷」で主人公が再会した幼い頃からの友人との間には
埋められない断絶(この場合身分出自階級によるもの)があることに気づかされる。
年齢の差はあるが、同郷で軍隊も同期、
日本語の使用や創氏改名を強制された植民地時代に
育った世代という共通点もある。
むかしを思い出し、ある時はマッコリとサイダーを薬缶の中で
割って飲み、ある時は「あの頃はよかった」と日本語でつぶやけば
「あの頃はよかった」と日本語で返ってくる阿吽の呼吸、息が合った関係。
そこに映画は「革命」の同志という虚構の大義を挿入し
大統領とギュピョンの絆を強化し、
カタルシスの装置として畳みかけてくる。
隔絶され安全なアンガ(安家)の畳敷きの部屋は
大統領にとっては日本語の歌も聴いて寛ぎ
(*本作では韓国語で歌われるが、
イム・サンス監督『ユゴ 大統領有故』では日本語で歌われる)
心の「故郷」のような場所、居場所でもあったはず。
そしてそれは、ギュピョンにとっても少なからずそうであったはずだ。
二人だけの歴史を回顧し、思い出が共鳴する居場所、
ふたりの歴史的絆はフィクションの設定で強化されていた。

しかし、「임자 옆에는 내가 있잖아, 임자 하고 싶은 대로 해.
(お前の隣には私がいるじゃないか。したいようにしろ)」と
鷹揚磊落に言い放ち、忖度させておきながら、
後にはギュピョンを「友人を殺すような奴」と突き放し貶める。
あからさまに人間扱いしなくなる。
人身攻撃し人間以下のように扱う。
そんな無責任で冷酷、自己中心過ぎる最高権力者の一言は
「故郷」や「歴史」を共有する関係をぶち壊した。
二人の「歴史的」絆をも否定するような残酷すぎる一言だった。
「革命」を含めた歴史によっても結びつけられていた
繋がりはそうして断ち切られた。
「故郷」のような部屋に呼ばれギュピョンの代わりに
大統領とサシで飲むのは警護室長に代わった。
それは魯迅の「故郷」にも匹敵するような断絶、
そして絶望感だったに違いない。
そんな不実な言葉や態度もギュピョンに一線を越えさせた、と推測する。
ただし、それは個人的な憤怒だけではなく
歴史を都合よく修正しながら保身する権力者の不誠実さ厭らしさへの
拒否感や危機感も相まって
その延長線上の表現として「革命の裏切り者」が飛び出たのだろう。
独裁者との同郷で歴史的な絆にとどまらず、
実際にはそれほど親しくなかったらしいもう一人の部長パク(クァク・ドウォン)も
ギュピョンの同志・友人として描き、
「友人を殺すような奴」の導火線、
ギュピョンを追い詰める装置となっていた。

部長たち、の運命の明暗を貫くのは
輪舞曲の小ロンド形式(ABACA)だった。
映画の中でAにあたるのが
大統領の「お前の隣には私がいるじゃないか。したいようにしろ」
というフレーズである。
パクも嘗てそう言われ、大統領のお墨付きで手を汚しても
身分の安定は保証されたと思いきや
裏切ったと看做されれば追われ粛清される。
ギュピョンも同じ言葉をかけられたからこそ、
大統領の意を汲んで動いたのだが
結果は「友人を殺すような奴」と切断処理され、蔑まれる。
さらにギュピョンは同じ言葉=Aが
クァク室長(イ・ヒジュン)にもかけられているのを耳にする。
A→B→A→C→A

曖昧な言葉ひとつで周囲を右往左往させ
下の人間を動かし殺人も教唆し、
最後は自分は知らない、と突き放して責任から逃れようとする。
韓国現代史の政変の一描写でありながら
日本の極右政権あるいは戦前の大日本帝国も想起するほど、
利己的で無責任、卑劣な独裁者の姿が小ロンド形式を通しても
普遍的な旋律で浮かび上がる。
そんな仮構の映画的反復が
暗殺前後40日に凝縮された事件の地平を
普遍的に押し広げてもいた。

他にも歴史的地層に思い至ったシーンは
畳に流れる血に足を滑らせて倒れるギュピョンの象徴的な姿。
日本による植民地支配の負の遺産をも引きずったような
歴史的絆で結ばれた大統領とギュピョンだが
ギュピョンが滑らせた足の下には
血=軍事政権、権力者が流させた血があり、
さらにその下の地層には日本統治が影を落としているようにも見える。
フィルム・ノワール的瞬間に
歴史の地層を垣間見せるような映像。
ギュピョンも血を流させた側で
その血に躓き、足を取られるという現実。
大義や義憤に駆られていても、
決して清廉潔白ではないことを象徴的に示唆するようだった。

また、同志・友人であるパクが命からがらパリ郊外に逃げ
気づけば片方の靴が脱げ靴下姿になっているシーンは
事件後南山か陸軍本部か運命の分かれ目を前に
足元が靴下だけと気づくギュピョンのシーンにリンクする。
靴がない=生きのびることはない、もうここで終わる
ふたりの部長たちの運命の暗転を仄めかせる描写が
反復もされているよう。
一方で、彼らが中途半端に独裁者の独裁を終わらせようとしたことで
もっと酷い歴史を招来してしまった未来まで垣間見える。
映画『タクシー運転手』の光州
『1987』のソウルで描かれてもいたように
民主化運動で斃れた市民たちの多くの足に靴はなかった。
李韓烈の足からスニーカーは脱げ落ちてしまっていた。
文脈、状況は異なるにせよ
1979年に靴を履いていない男たち、
失敗し転落する部長たちの靴下だけの足は
1980年には始まる次の弾圧、より苛酷で暴力的な独裁を呼んでしまった
遠因であることを示唆もするようなオマージュ的反復にも思える。
その1979年の男たちの足元には
恐ろしい時代の趺音の予兆が重ねられ、
彼らのある種の失敗が尾を引いていることも示唆するよう
(深読みし過ぎかもしれないが)。
1979年に起きた事件という歴史上の一点を超え、
第五共和国の扉も開けてしまった、
パンドラの箱を開けてしまった忸怩たる歴史観も
靴下の描写の反復から拡張現実のように観取した。

ギュピョンが大統領を殺害した動機は
個人的な憤怒や絶望に
義憤あるいは大義に駆られた部分も絡み合ったように
複眼的にも描かれていたが
結局、「火事場泥棒」のような次の独裁者を招来してしまった、
という歴史のアイロニーも示している。
朴正煕という独裁者のマトリョーシカの中からは
全斗煥という次の独裁者、より苛酷な軍事政権が出てきただけ、
というアイロニーも示され、
「マトリョーシカの歴史」も実感させられる。

ただ、それは1979年の韓国だけが抱える問題だっただろうか、
という深思もした。
民主化を求める市民たちによる釜馬民主抗争にどう対応するか、
大統領らが検討する会議の席で
クァク室長の「カンボジアでは300万人以上殺している、
こっちも戦車を出して100万200万人くらい殺したって(拙訳大意)」という言葉には戦慄した。
(但し、上記発言は金載圭の主張のみに基づく)
同時代のカンボジア、ポル・ポト派の独裁者が齎す
ジェノサイドに言及し参照しようとまでしている恐ろしさ。
民衆弾圧に躊躇がない独裁政権の闇、
箍の外れた感覚を余すところなく伝えている
(その会議には全も同席していたはず)。
世界史的に見ればそれは、イデオロギーの違いを超えて
従わない者、目障りな者を排除する国家の暴力性が共通する。
しかも、自国民に限らない。
米国が南米の軍事政権に対しては軍事物資と資金援助で
支援をしつつ左派を弾圧して
アルゼンチンでは3万人が死亡・行方不明になった「汚い戦争(1976~1983年)」、
米国政府が主導したチリ・クーデター(1973年)により
自由選挙で合法的に選出された社会主義政権が覆された事件なども
相似形として浮かび上がらせる。

Park is finished.のアメリカ側の論理、その言葉を
映画の中のギュピョンはどの程度の範囲で捉えていたのだろうか。
しかし、映画の中に「カンボジア」への言及が飛び出したことで
期せずして観客には(筆者には)アメリカのやり口をも喚起させた。
世界史的に俯瞰すればベトナムやキューバをはじめ、
American Imperialismに逆らう(と看做された)国は
悉く大国に介入され攻撃されてきた史実も想起させる。
中南米でもアジアでも米国に都合がよければ援助し
都合が悪ければ執拗に介入し攻撃するアメリカ帝国主義。
アメリカが冷戦・反共の橋頭堡に韓国を利用してきたやり方、
駐留米軍を引き上げると脅す恫喝的やり口、
そして家父長制的秩序を独裁者の元維持しようとする韓国も
一回り大きな米国中心覇権主義的家父長制的秩序に
雁字搦めに組み込まれ固定されていることも悟らされる言葉だった。
マトリョーシカの歴史、として次の独裁者を招来してしまった
暗殺の「失敗」面は、一方でアメリカ帝国主義のフレームから
自由に逸脱することは出来ない、冷戦下の硬直的世界に
共通する限界をも示唆し、
歴史の地層がさらに空間的にも時間的にも広がっている思いも
かみしめながら観ていた。
家父長制的秩序の階段から転落した部長たちの一方で、
その暴力的統制とマクロで入れ子になっているのが
覇権国家アメリカ帝国主義、超大国がトップに君臨する家父長制。
従わない者は容赦なく切り、追い詰め攻撃する親分米国の下で
父親の背中を追うように同じような暴力で家父長制を維持する、
維持せざるを得ない冷戦構造、
その構造に磔にされたようなアジアや南米の国々の無力さ
選択肢のなさも沁みわたるよう。
(パク元部長が米議会に訴えたのも、
その冷戦構造ヒエラルキーを知悉していたゆえだろう)

ミクロで見れば
大統領と部長たちサークルの関係性は一方で
小輪舞(ロンド)形式が重なり、
韓国現代史の視点ではその事件は
パンドラの箱を開けて
「マトリョーシカの歴史」を作っただけだった。
マクロで見れば
普遍的な独裁者像も示しつつ、
独裁国家の構図に米国帝国主義の掌の上構造が重なり、
冷戦下のヒエラルキーに封じ込められた袋小路、閉塞感もにじませて、
部長たちの袋小路と革命変革や民主主義の袋小路も
オーバーラップし合奏されていた。

虚実綯交ぜの「ファクション(Fact+fiction)」、
事件を再構築した演出には
フィルム・ノワール的ミザンセーヌMise-en-scèneもブレンドされている。
スリーピースのスーツの下はカフスボタン付きシャツ姿で
スタイリッシュながら硬い表情が続くギュピョンが
一瞬で感情を爆発させる激情的な姿からは
マイケル・コルレオーネの佇まいも想起する。
やられる前にやるスタイルもマイケル流だった。
原作者キム・チュンシクのインタビューによれば
2016年に映画化したいと作者を訪れたウ監督は
『ゴッドファーザー』のように作りたいと思った、と
語っていたというエピソードも思い出されて。

namsan 2.jpg

時空を引き延ばして観ることが出来
歴史の地層を「大局的に」俯瞰させる設定、
虚構の文脈が挿入される一方で
心の拠り所、「故郷」を喪失したひとりの男の
フィルム・ノワールとしても映像的に両立させている。
軍事独裁政権時代は禁書だったらしい魯迅も想起しながら考えた。

ポスターでイ・ビョンホンがヘッドホンを装着しているショットからは
『善き人のためのソナタ Das Leben der Anderen / The Lives of Others』を想起。
東ドイツのシュタージStasi(国家保安省)を描いた映画。

ウ監督とイ・ビョンホンは
『インサイダーズ/内部者たち 내부자들』以来
2回目のタッグ。
映画発の流行語!?
「モヒートに行ってモルディブを飲もうか」のアン・サング風ルックスで
ピザを食べようとするイ・ビョンホンのCM
もぜひ。

**マトリョーシカ(人形)/Матрёшка=ロシア名物、入れ子構造になった人形。

to be continued...!?

buzz KOREA

Click...

にほんブログ村 韓国映画

にほんブログ村 映画

にほんブログ村 映画評論・レビュー

にほんブログ村 韓国情報

にほんブログ村 K-POP

にほんブログ村

Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.

本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は
著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください
無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、
表現
情報、意見、
解釈、考察、解説
ロジックや発想(アイデア)
視点(着眼点)
写真・画像等も
コピー・利用・流用・
盗用することは禁止します。
剽窃厳禁
悪質なキュレーション Curation 型剽窃、
つまみ食い剽窃もお断り。
複製のみならず、
ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、
リライト

切り刻んで翻案等も著作権侵害です。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Apr 18, 2024 08:52:15 PM
[映画] カテゴリの最新記事


Recent Posts

Archives

・Jun , 2024
May , 2024
Apr , 2024

Calendar


© Rakuten Group, Inc.