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「Collusionは犯罪ではない」というトランプ氏の自己弁護がニュースで頻りに取り上げられている。共謀、通謀、談合などがcollusionの訳語で、一般的には悪事を企んだり実行する時に使われる。もちろん文脈によっては罪になる。一番身近な例では、共謀して物品価格や入札価格を設定したら独占禁止法に触れる罪になる。要は共謀の内容が問題だ。もしも外国政府がアメリカの選挙の結果を左右することを意図してある情報を提供し、それを使うことを前提として受け取ったら、それは罪になる。国家反逆罪にもなるかもしれない。
Collusionは犯罪ではない、というような文脈を無視した突飛な発言をする理由は、そういう馬鹿げた論理を熱狂的に受け入れる人々がいるからだろう。 そういえば、昨日のフロリダ州タンパのトランプ・ラリー(支持者たちの前で扇動的な演説をして士気を盛り上げる集会)で、Qと書かれたプラカードを掲げたりTシャツを着ているトランプ支持者たちが幾人か見られた。少し調べてみると、去年の10月あたりから4chanというBBS(電子掲示板)に「Q Clearance Patriot」というハンドル名で書き込みがはじめられた(後に8chanに移されたようだ)。最初の書き込みは「Calm Before the Storm」というタイトルだったそうだが、これはトランプ氏が何かの集会の時に使った意味不明の不気味な言葉で、これを題名にしているということがトランプ氏との繋がりを感じさせる。Q Clearanceは、機密情報アクセスレベルQということらしい。どうやら政府の機密情報にアクセスできる人物、またはグループのようだ。ディープステート(国家を陰で操る人々)に対して、大統領が計画・実行している反撃のマスタープランについて情報を拡散することが目的だという。 Qの下に集まる人々は熱狂的なトランプの支持者で、大手メディアはフェイクであるから一切信じない、ロシア・ゲートは一部の民主党支持者たちの陰謀であると確信している。そういう人たちにとっては、これぞ俺たちの待ち望んでいた大統領の御言葉、とばかり飛びつくのだろう。今後QあるいはQAnon(Q Anonymous?)の運動がどう展開するかわからないが、Q陰謀論を信じる人たちがいる限り、この大統領のどんな非合理的な行動も受け入れられてしまうのだから、ただ恐ろしい。 アメリカの民主主義はあと二年持つのかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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