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(昨日の続き)ということで、年末以来もったいぶってました「連作」の正体は「水上の音楽」でした(汗)
お聴きになった方の中に、自分が知ってる「水上」の曲じゃない、と不審に感じた方がいらっしゃるかも知れませんが、「水上」にはいろいろバージョンがあるんです。 新ヘンデル全集版などでは「水上の音楽」というタイトルは3つの組曲の総称となっています。全部通して演奏すると1時間近くにもなる大曲ですが、昨日お聞かせした「序曲」は第1組曲の第1曲、つまり「全曲演奏版」のCDを買われたらその最初にかかる曲ですね。 これに対して、一般にオーケストラ演奏会などで広く親しまれている「組曲・水上の音楽」というのは、ハーティという人が3つの組曲から6曲(実は5曲)を選び出してつなぎ合わせ、近代風にオーケストレーションを増強した編曲版なんです。 ハーティ編曲版に使われている曲は、全曲版の通し番号でいうと第3曲、第5曲、第7曲、第8曲ときて、フィナーレが第11曲で、昨日の「序曲」は入っていません。曲の順序はといえば、第3曲(ABAの3部形式)をちょん切ってしまい(汗)、3A-5-7-8-3B-11、ということになります。 今回私の「連作」で考えてるのは、「序曲」とハーティ版に使われた各曲を、原典版に多少手を加えた程度の編成でやってみようということです。本来野外演奏用の曲ですからチェンバロによる通奏低音なんかは入ってないわけですが、「序曲」では使ってみました(汗)・・・あとは、3Aと11でティンパニを使うぐらい。ハーティの編曲には確かに大オーケストラの華やかさはありますが、かえって原曲のもつ底力が失われるように思うので・・・ それにしても、年末の「連載」でも書きましたが、こういう曲は王室の野外パーティのために書かれ、本来たった一回演奏されればお蔵入り、という性格のものだったわけですね。さいわいこの「水上」なんかは国王が大いに気に入って、いろんな機会にくりかえし演奏を所望したそうですから、楽譜が保存されていただけで、そんな理由でもなければ現代のわれわれがこの曲に接する機会はなかったかも知れません。ヘンデルだけではなく数多くの作曲家の手になる数え切れない曲が、そうやって使い捨てられて消えていったのでしょうね・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.01.28 23:01:24
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