Short Shorts Film Festival & Asia 2010
Short Shorts Film Festival & Asia 2010 公式サイトはこちら。いつも映画blogでは大変お世話になっております、migさんの弟さんでもある、片岡翔監督の作品が、Short Shorts Film Festival & Asia 2010に出品されるということで、拝見してきました。昨年もいろいろと映画blogerさんの間では話題になってましたね。スケジュール調整をして行って参りました。上映は3回ありましたが、仕事の都合で、私たちは最終日の6月19日、ブリリアショートショートシアターにて鑑賞です。(前回ブリリアショートショートシアターに行った時の画像などあります)今回のエントリーは、オフィシャルコンペティション→アジアインターナショナル&ジャパン部門→A&J-Gとなっています。エントリーされた6作品を鑑賞してきました(以下鑑賞順の感想、登壇時のインタビュー含む)。『焼き肉』"Yakiniku" 大眉俊二 / 日本 / 1:41 / ドラマ / 2009オープニングにふさわしいテイストだなと感じます。たった2分足らずのなかに、いろんなことが詰め込まれている作品。正直、最初の焼き肉が出た瞬間にオチがわかるのですが(笑)、わかっていても次に出てくるのは何だろう? とわくわくしてしまったり。『Mr.バブルガム』"Mr. Bubblegum"片岡翔 / 日本 / 13:16 / ドラマ / 2009そしてこちらが片岡監督の作品。 ロリポップな色彩の中に、シュールな現実を描く。シュールなのにそうと感じさせず、ふわふわと弾ける感覚はタイトルそのもの。衣装・小道具のみならずロケ地にまでこだわるところはさすがです。最後のオチなどにもきちんと意味があるのも興味深いところ。映画にちなんで、オリジナルのバブルガムを作られたそうで、1ついただいてきました。劇中使用したバブルガムは大きそうで、1つ50円するらしく、俳優さんたちはアゴが筋肉痛になるほどだったと、最後に登壇した監督と、主演の船越真美子さんがQ&Aで仰せでした。DSCI0001 posted by (C)rose_chocolat映画が終了して、片岡監督と少しお話をしました。低予算で作ったので、ここまでまとめるのはなかなか大変だったとのこと。ショートショートは大抵低予算だと思うんですが、それでもここまで空気感を統一してくるのはすごいと思います。 その物語の中に引き込まれるんですね。 観客を集中させる力がありました。「Dr.スランプ」の、アラレちゃんみたいな衣装ですねってお話したら、「いやーそれよく知らないので今度漫画読んでみます」とのこと。 齢がバレる。。。笑上映順は2番目ですので順番としてはなかなかよかったのでは?観客賞を受賞されたそうで、おめでとうございます。『撮影禁止!』"No Photography"Bahman Moshar / イラン / 15:07 / ドラマ / 2009とにかくヒロインが走る。 それを追いかける男たち・・・ という構図。光の具合を見るシーンなどは個人的に好きです。ただ、中間からラストにかけてはもう少しオチを感じさせるものがあってもよかったかなと。『ミッドナイトバー』"Midnight Bar"渡辺浩司 / 日本 / 16:25 / ドラマ / 2009とあるバーに集まった男女5名のお話。ショッキングなテーマが輪廻して、という展開なのですが、いかんせんテンポがスロー気味で私は少々ここで睡魔が登場・・・ラストから始まる物語、というのもまた面白い発想です。『宿題』"Familyship"Hye-ryeom Yoon / 韓国 / 3:44 / スリラー / 2009わずか3分間の中に凝縮された人間の「業」は見事。韓国映画の「恨」をわかりやすい事例で表わしているような感覚で、韓国映画の面白さというものをとても的確に詰め込んでいるような印象。いつも当たり前に感じている家族の間にも実は様々な感情が流れている。 そして時にその感情が暴発してもおかしくはないという視点は、ある意味斬新。彼女の長編も観てみたくなります。 韓国の新しい才能を感じさせますね。 「家族が家族として機能していない現象は、どこの国でもありうる」という視点に基づいて作られたそうです。ブラックコメディの中に自身を反映させたいという言葉が印象に残る。わずか12時間での撮影だったそうです。『変わりゆく地、プーケット』"Phuket"Aditya Assarat / タイ / 32:00 / ドラマ / 2009元は観光映画ということで作成された映画だそうで、時間もショートにしては30分越えと長めなんですが、これ結構自分のツボに来てしまいました。プーケットの美しい風景と、淡々と進む物語の調和がよかった。主演のイム・スジョン(Lim Soo Jung)さんは、どことなく私の好きなチョン・ドヨンの若かりしころに雰囲気似てるかな? 英語も聞き取りやすい。 そしてもう1人の主演の Sorapong Chatreeさんの、年月を経た人間のよさっていうのが表れてて素敵な映画になっていました。ラストのカットも、「ここで終わってほしいなー」というところでちゃんと終わっているのもいい。監督はもともとプーケットにご縁があるらしく、幼少のころに訪れていたようで、しかしながら現在のプーケットにはその面影はなく。。。 その昔のよきプーケットへの敬意を込めて作ったということでした。Q&Aにて質問をさせていただきました。1か所、明らかにその流れと違う無言のシーンがあり、その意味をお尋ねしたのですが、一見意味のない感じであっても、そのシーンに込められた想いは観客に想像させる余地を与えたりしているということで、このあたりの感覚は小津安二郎的なのか。行間を読み取るシーンは、ショートよりも少し長めの尺だからこそできる作業ではありますが、そこも入れてきたということで、単なる観光映画が始まりとは思えないくらいの感慨を覚えました。DSCI0010 posted by (C)rose_chocolat映画終了後ロビーにて、パンフレットをいただいていると、「プーケットの監督が、あなたにサインを差し上げたいので」(!)とご指名をいただき、PR用の台紙にサインしていただきました。 すごくうれしい~。きちんと映画を作られている監督という印象でした。ということで、ショートショートの映画祭は初めてでしたが、非常に楽しかったです。制作側と観客との距離が近いのもいいことだなと思いました。次回は、他のエントリーも観賞してみたいですね。貴重な体験でした。