カテゴリ:ダンス
英国ロイヤル・オペラ・ハウス版
兵士の物語 2009 新国立劇場 中劇場 開演13:30/18:30 作曲 イゴール・ストラヴィンスキー 原作 A・N・アファナシェフ 脚本 C・F・ラミューズ 演出・振付 ウィル・タケット 美術・衣裳 レズ・ブラザーストン 照明 ニール・オースティン 指揮 ティム・マーレー 演奏 ソルジャーズ・アンサンブル・オーケストラ <キャスト> 兵士 アダム・クーパー ストーリーテラー ウィル・ケンプ 悪魔 マシュー・ハート 王女 ゼナイダ・ヤノウスキー とりあえず、舞台の感想です。 舞台装置から役者の衣装、メイクに至るまで、ウィル・タケットの徹底したこだわりを感じる空間での濃密な1時間15分でした。 中劇場の舞台の上に設えられた酒場。中央奥には、悪魔が描かれている幕がかかる小さな舞台が。開演前から(と言うより、あれも演出なのか?)ストーリーテラーのウィルと指揮者のティム・マーレー氏が舞台上(酒場内)をウロウロ。客の役をつとめる楽団員やスタッフ(?)と何やら挨拶したり、話をしたり。舞台奥の暗がりに視線をやると、いつの間にかアダムとゼナイダもスタンバってます。我々「観客」も、酒と芝居を楽しみに酒場を訪れた客の1人のような楽しい錯覚を覚えます。こういう演出、好きだな。 「俺はどこにいたらいいんだ?」「お前さんの持ち場はここじゃねえよ」とウィルに促されて指揮者が小さなオーケストラ・ピットに降りて暫しの後、ウィルの口上で芝居の幕が上がりました。 観終わって… 今回は歌こそないものの、4人の出演者全員がダンスと演技(マイムではなく完全にストレートプレイ)をソツなくこなし、マルチプレイヤーぶりを発揮。こうなるともう「ダンサー」とか「役者」だけの括りでは形容できないですね。本人的にも「役者」の比重が多そうなウィルは、もはやダンサーというより踊れる役者ですね。(え?何を今更) あと、再確認したのが「アダム・クーパーは踊ると巨大化する」ということ。現役バレエダンサーのうっとりする美麗さとは違うんだけれど、大らかで、雄大で、何かこう…空気の動きが見えるような感じ。上手く言えません。よーするに魅力的ってことよ(笑)。地味で朴訥な役なのに華麗に見えるアダム、凄い。 元々恵まれたプロポーションの持ち主ではあるけれど、以前マシュー・ボーンがそんな(巨大化)ことを言っていたのが印象に残っていて、今回久しぶりに踊る彼を観て…あぁ、やっぱり!と思いました。 ゼナイダ@故郷の恋人とのパ・ド・ドゥが切なくて、胸にぐっときました。この作品の振付けではここが一番好きでした。…しかし2人とも大柄なので、舞台が狭くてオケピットに落ちるんじゃないかとヒヤヒヤしたわ。それ意外の場面も使わない床面、スペースはないんじゃないか?ってくらい、無駄なく計算し尽くされた演出でした。全てがぎゅっと濃縮されているから、1時間15分でも短いと感じないんでしょうね。逆にこれが3時間続いたら…観ているこっちが疲労困憊しそうです。 さて、ここからがメインの感想…なのかな。 ほんのりと噂に聞いていましたが、 マシュー・ハートの毒気にやられました・・・。 体格的には共演のアダムやウィルより小柄で、とくにアダムのように「そこにいるだけで」自然と視線が惹き付けられるようなオーラを備えているタイプではないのに、存在感が凄すぎ。役柄の”悪魔”そのものに、あの場、あの空間を支配しているようでした。役者やの~。オン・ユア・トウズでも見ているはず…その時の記憶が無いのが悔やまれます。こうなると俄然、来年のSWAN LAKEではマシュー・ハートの王子役が見たくなるわ。 ★「演劇ライフ」演劇ニュース9/11 『アダム・クーパー&ウィル・ケンプ出演『兵士の物語』公演初日』(画像あり) http://blog.engekilife.com/2009/09/heishi.html にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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