プリザーブドフラワーやっと、怪しい小道を抜け、目的地Kスタに到着すると、先客が6名店内で、店長と談笑しながら、何かを待っていた。 後から来た俺には詳細は全くわからなかったが、 夕方から販売って言ってたし、まだ14時だしとりあえず聞き耳を立てながら 現場に馴染んでみた。 みんなさくらちゃんのファンなので、共通の土壌は出来ている。(はず) 話の流れを総合すると、どうやら本人が来てくれるっぽいが、ドタキャンもありえるので、 期待しすぎない様にマインドコントロール。(いいのかこんなんで?) 現時点で7名の男がいるが、先に来ていたグループの方全員が買うわけじゃないようで 一番イケメンの男子が「全員買えるね」と発言し、俺を勇気付けてくれた。 実はKスタの場所を一度確認したら、吉祥寺のケーニッヒへ行って、レバーブルストを 買う予定だったのだが、この場を離れると購入の権利を失うのは明らかな空気であり、 一歩も動けない状況になった。 この後にさらに購入希望者が来たら、抽選かじゃんけんという事になるっぽい。。。 さてどうなることやら。 Kスタの店長は足利のサイクル酒井の親父とオーバーラップするインチキ臭さがあり この手のタイプの扱いは慣れてる!!なんとかなるはずだ!!!(根拠の無い思い込み) 最初は全員が狭い店内にひしめいていたのだが、一般のお客さんの邪魔になりつつあったので 自然にばらけて、外に出始める。 喫煙所が辻にあるので、そこで一服する者、ショーウインドーに張り付いて 6作品をじっと見つめている者と様々である。 その辻で休んでいると、踏み切りが空くたびに本多劇場の方からどっと人が流れてくる。 怪しい通路と思っていたが、地元の人間にとっては超メジャーな通路のようだ。 何回目かの人の波の中に、黒い服に身をつつんだ可愛いGALを2名発見した。 「お、さすが東京、下北と言えど侮れないなぁ~」 劇場の多い下北沢だけに芸能人クラスの女の子が歩いていても違和感は無い、 ロケーション的には新宿とさほど離れてないわけで、 それでこの下町っぽさはたいしたもんだぜ 下北沢!! 何気に、二人の行方を目で追ってみるとKスタに入っていく。 「??、あれー?女子でもトレカを買うのかなぁ~」とぼんやり眺めていた。 思考力が回復し、かなり可愛いので良く見ようと思い、Kスタ方向に歩き始めると、 二人は店内から出てきてしまった。 「ち、帰るのか~タイミングが遅かったか」と思った・・・瞬間 ハッとした あの横顔、「さくら?ちゃん」 と思った瞬間に彼女はその先の角を曲がって歩き去ってしまった。 がーん!!!俺(達)の運命ってばそんな程度のものだったかぁ~。。。 しかぁーし 確かに似ているよーな気がしたが、気持ちが勝手に幻を作っただけかも知れないじゃん 素早く自分の精神を立て直す、さすが人生経験豊富な俺だ。(^_-)-☆ だが、4畳半の店内に戻るとその努力はガラガラと音を立てて崩れ去った 店長の話から本人だった事が判明してしまったのだ!! こんな情報は家を出た後なので、知らなかったしさ。。 _| ̄|○ガックリ 販売開始の許可だけ出して、去ってしまったのか? 気持ちを切替、ここから先の争奪戦を覚悟せねばなるまい。 どのような販売をするんだ、このインチキ親父?と身構えていたら、 ひょっこっと、さくらちゃんが戻ってきたー!! ・゜・(ノД`;)・゜・ そして、レジの中に入ってハート型のタグに値段を記入し始めた。 ヒィー、めっちゃ近いよ~、物理空間の近さ故に、 さすがの俺様の心臓もヒートアップ!! いい年して情けない感じがしないでもないが、 激可愛いのでショウガナイジャン! い、いかん、動悸が激しすぎて、めまいがしてきた、立ってられね~ このままでは命が危ない、落ち着け、落ち着くんだ俺!! 相手は、23歳の女の子ジャン(子供みたいなもんじゃないか) いつも見ている会社の女子と何が違うわけでもない。 違う、違うぞ!! どうする? そうだ!こんな時は連立方程式を解くんだ! だめだ! 俺は数学が苦手だった! 努力もから回りし心臓の鼓動が収まる事は無かった。 生きる力が弱っていく 販売はまだかなぁ~ 突然さくらちゃんがバッグからデジカメを持ち出して さくら「まだ、買っちゃだめだよ~」 といいつつ、ショーケースの作品を記録している。 そんなんいいから早くしてくれ~!!俺の命が危ないんだよ!!(;゚皿゚)キー 憧れのさくらちゃんに こんな気持ちになる程、生命の危機だった。 15時半を回り、俺の魂が半分抜けた頃、ご本人による街頭販売が開始された。 常連メンバーは事前に誰がどれを買うか決めてあったようで、勝手に仕切り始めた。 俺はと言えば、既に魂が抜けかかっていたので成行きに身を任る。 買えなくてもマンゾクデス そうすると、一番欲しかったNo.3クリスマスが残った。神様! これはだけは価格設定が無くて、時価である。 店長「これは誰?」と声を掛ける。 他の方々は既に購入完了なので、自然と全員の注目を浴びる事になった。 俺「はい!俺が狙ってました」と手を上げて権利を主張する。(魂復活!) ぼったくりスナックで2.5万払った経験から、それ以内なら全然OKさ! 店長「いくらなら買う?」 俺 「えー難しいなぁ」 こういう風に振られると、非常に困る、原価を知ってればそれに15%上乗せすれば 適正な価格になるけど、さくらブランドを加算して無いので失礼になるし、 さりとて、無限資金を持ってるわけでも無いので、安いに越した事もないし、 この場の最適な回答は無言しかない!!こうなりゃ根競べだ!!! 店長「さくらどする?」 さくら「うーん・・・」 店長「この流れなので、大台には乗らないと思うんだよね」 外野A「じゃあ、10万は切るんだ」 俺 「では、帰らせていただきます、ってちょっと~」 この、緊張感は、クイズミリオネアの無言時間に匹敵するような気まずい空気だった。 シーン この重い沈黙に絶えられなくなったのはむしろ店長だった。 ファンのみんなはこの交渉がだらだら続くほど、アイドルさくらと長く一緒に過ごせるので 誰も話をまとめようとはしていない。 腹を括ってだんまりを決め込んだ俺の精神はこんな沈黙で崩れるほどやわじゃない! νガンダムは伊達じゃない!! 根負けした店長はさくらちゃんを誘って店内に戻り、相談を始めた。 そして、ついにプライスラグを持ってさくらちゃんが戻ってきた。 さくら「へへ、8を並べてみました」 俺 「おお、大台に乗らなかった、良かった~」 さくら「初めてなので、もっと上手になったら・・・ね」 これって、ある意味初回限定特典という奴じゃないですか~。 結局、得しまくりじゃん、俺!!(σ≧▽≦)σ プリブリザーブドフラワーって楽天とかで調べたけど、普通に1万~2万はしてるのよ。 下手な交渉せずファンを大切にするさくら本人の意思を尊重して良かった~ さくら「あー、全部なくなっちゃった~」 嬉しいような、寂しいような複雑な表情をしてる。本人にとっても予想外の出来事のようだ。 特にこのクリスマスバージョンはしばらくショーケースに飾って置きたかったようなんだけど 俺が強い意志を持って購入してしまったのデス・・・ 店長「予約って形で後日引取りはダメ?」 俺「それなりに遠くから来てるので、また明日って訳にはいかんのですバイ」 さくら「どこから来たんですかぁ~?」 俺「群馬」 さくら「わー遠いー」 俺「神戸ほどじゃないけど(^_^;)」 外野B「僕、大阪からです」 俺「うーん、俺は近い方だねぇ・・・」 さくらちゃん自ら袋に入れてくれて、おつりの受け渡しで手が触れて、ニヤリ(嬉) しかし、どう考えても袋の中で作品が暴れそうである。 テープで袋の口を押さえるとなんか安定しそうなので、店内に入り 俺 「すんませーん、テープちっともらえます?」 店長「あ、どうぞ」 さくら「あ、そうかテープでわっか作れば」 俺 「え?どんな感じで?」 といいつつ、二人で小さな袋を覗き込む時、おでこの距離は2cmくらいだった。 さくら「ちょっと貸して」 といって花の入った袋を奪い取って床に置き、固定作業を始めた。 それを見ていた外野Cから、「さくらちゃんにそこまでしてもらうなんてあり得ね~」と 嫉妬のような羨望のような怒りのような声がもれて来た・・・。 そうは言っても、ねぇ。魂復活後は心臓は通常心拍に戻っていたし、 さくらが自発的にしてる事だし、甘えん坊の俺は施し受ける事に恐縮しないし・・・(^^ゞ 俺は年上で人生の先輩だしお客だし、この時のさくらは店員さんだし、 普通の花屋なら普通の光景ですよね~。 そんなこんなで、俺とさくらとのファーストコンタクトは撮影会の常連さんですら なかなか踏み込めない領域に入ってしまったようなのでした。 しかし、買えると思ってなかった花が買えて、会えると思ってなかった本人にあえて。 しかも、狙ってたクリスマスversionで、それは、さくらのお気に入りの一品。 さらに、お話も出来て、常連さんすら嫉妬??? なんか出来すぎじゃねぇの~? と想いながらも、自分の運の強さみたいなものを実感してしまったのさ。 まさかと思うけど今日で使い切って無いだろうな??? (((( ;゚Д゚)))アワワワワ・・・ 帰りの電車では必死に花を守っていた中年男性がいたらしいよ。(^^ゞ これは嫁さんへのクリスマスプレゼントでもあるのです。へへ さすが、元グラビアアイドル、現人気レースクイーン!! 写真を撮る瞬間に雰囲気が変わります。 なので、最初にボーっとしてた時に見逃してしまったのは俺に責任は無いんですよ。 だって、写真でしか見た事無いんだもん!! 短い時間だったが、満足度の高い休日だった。 ジャンル別一覧
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