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カテゴリ:水のメモ
●安っぽい作品だなぁ・・・


「安い」



ひぐらしのく頃に」をひと言で言うと・・・安い物語だと思う

なぜそう感じたのか? 言葉では説明しにくい・・・

物語が

精巧でなかったから?

一貫性がなかったから?

芸術的でなかったから?

美しくなかったから?

バランスが悪いから?

説得力がなかったから?

ご都合主義がすぎるから?


全部といえば全部だが、うまく言えない。


作者は作品をとおして「どうぞこの物語の謎を解明してください」という。

サウンドノベルという性質上、読者は作中のヒントだけを手がかりに、そこに自分の知識を重ねて推理するしかない。

だが、作中の陳腐でチープで現実とあまりにかけ離れていたら?




●たとえば、ある興ざめな2時間サスペンスドラマ


サラリーマンの怪死事件、場所は密室、死因は心臓発作。

容疑者は3人
・心臓外科医である男
・フランス外人部隊にいた男
・超能力が使えるという噂の男

刑事は2時間の番組のうち1時間50分必死に捜査する。

しかし、3人とも謎が多く、手がかりが掴めない。

そこに幽霊を見たという証言や謎の光の目撃。

事件は混沌としてくる。


だが放送ラスト10分になって、唐突にUFOと宇宙人が出てくる。

宇宙人は特殊なビームを使って男を殺したという。

男を殺した理由は、実はその男の子孫が、30世紀ごろ世界大統領になって
宇宙人の星を襲うと予言されたからだという。

そして呆気にとられる刑事を殺して、宇宙人はUFOに乗って去る。


こんな糞ドラマを2時間かけて見たら、あなたはどう思うだろう?


そんなトリックあるか!と激昂しても仕方ないだろう。

なんせ物語の終盤まで宇宙人の「う」の字すら出てこない。
作家の完全な後出しジャンケンだ。

たしかに、話のつじつまはきちんと全部合う。
物語全体としては(一応)矛盾がない。

しかし、間違いなく、つまらないことこの上ないだろう。




そして、意識してかせずか?
「ひぐらしのなく頃に」にはそういう手法が多い。

だから、この言葉が頭をよぎった

「安い・・・」


●良質な謎解きの最低条件


いいサスペンスやスリラーは、共通点がある。

それは「伏線」が見事に機能することだ。

良質な謎解きを見せられると、パズルのピースがパチン!と合う快感を感じる。


私が見た映画ではシックスセンスやTHE EYE、箪笥などがそうだろうか。

推理ものではシャーロック・ホームズや刑事コロンボなど。

私の好きな海堂尊の「チーム・バチスタ」や「ジェネラル・ルージュ」もそう。

マンガだが「ジョジョの奇妙な冒険」の第4部・東方仗助編(クレイジーダイヤモンド)もそうだった。


でも「ひぐらし」にはそういった快感はなかった。

最後まで「パチン!」はなかった。


パズルのピースを合わせる代わりに
バラバラのパズルの上に、全く新しい絵を重ねて
そのまま額縁に入れられたような不快感が残った。


絵が完成されさえすればいいのか?

そうじゃないだろう・・・と思う。

結果、安っぽい絵だけが壁に残るのだ。



●プレーヤーが謎と思いこんでいたのは単なるバグ?



「ひぐらし」の設定に矛盾や間違い(=バグ)はあっても謎は浅い。

だが、矛盾を謎と思いこめば、読者は勝手に深淵を見た気分になる。

はたして作者はそこまで計算したのだろうか?


・・・文章から垣間見える詳細に拘る彼の性格からするに、最初から計算したわけではなさそうだ。

おそらく、話を広げすぎて、前半でちりばめた謎や伏線を収集できなくなった、そのあたりが真実だろう。



ひぐらしのなく頃に
ひぐらしの鳴く頃に






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最終更新日  2009/05/02 01:26:20 PM
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