高校の私立と公立 その3
山形では中学校の卒業式は、公立高校合格発表の前に行われる。以前は合格発表が終わり、それぞれの進路が確定してから卒業式が行われていた。しかしいつの頃から、卒業式は合格発表の前になった。そうなった理由は、公立校に落ちたから卒業式に出ない子がいるとか、最悪な時には自殺してしまった子もいた。不合格したこと自体気の毒ではあるが、これも公立校第一主義の犠牲者と言えるのではないか。公立校に合格する事が全てになってしまえば、それに落ちたら人生は全てお終いと思う子供の気持ちは判る。しかしそれは子供の責任ではない。そう仕向ける環境を、社会を作った大人の責任だ。その責任を放棄し、臭いものに蓋をし、その場を凌ごうとする安直な手段が、合格発表前に卒業式を行うと言う愚行だ。綺麗ごとを並べて卒業おめでとうと言っても進路が定まっていない子供たちが半数もいて、何がおめでたいものか!そう、子供たちの半数が公立校へ進学すると言う事は、合格発表の前では、公立校へ進学するのか、併願で受かった私立校へ行くのか、浪人するのか、全く進路が定まっていないと言う事だ。中学校は誰でも承知している義務教育だ。進路が半数も定まっていなのに卒業式とは何たることか・・・そもそも、公立校に落ちた子に配慮と言うのなら私立校に落ちた子はどうするのか?本当の教育とは、落ちた子供を含め、受かった子供もそれらの事実を受け止め、その後のみんなの人生を考えていくことではないか。例え公立高校に落ちたかと言ってその後の人生が全て無くなる訳ではない。たった一度負けたからと言って人生が駄目になる訳ではない。立ち直り、普通の人以上に夢に向かって突き進んだ人をたくさん知っている。そう言った事を教えるのが教育だ!だから今の中学校の公立校第一主義は間違っていると断言する。