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カテゴリ: *サイバーフェイズ制作
水壬楓子さん原作の、『コルセーア~記憶の鼓動~』を聴きました。
原作的にもコメディ色の濃い作品、音声化してますます愉しいコトになっていました… アウラの懐妊騒動に始まって、カナーレの記憶喪失、同盟国の盟主選挙にまつわる陰謀、そしてアヤースのカナーレ奪還という、実にバラエティーに富んだ内容です。 ただ、物語が本格的に動き出すひとつ前という‘幕間’なので、コメディ的味付けをふんだんに施して、気楽に愉しめる内容になっています。 カナーレと、今回が顔見世のオルセン大公ディーゴとその弟ティエリ公子に関する物語はシリアスですが、プレヴェーサの面々は皆コメディ担当で、改めて彼らの素顔に触れる事が出来るのも嬉しい事でした。 アヤースとマオの闘いも、ますます激化しているし…頑張れ、マオ… 原作を読んでいた時には、割合サラリと読み過ごしていたのですが、今回アヤースが意外なほど笑かしてくれます。 森川智之さんは、終始低音におさえて‘伝説の海賊’の雰囲気を醸し出されているのですが、その音色でボソリと吐かれる「あいにく、俺が幸せじゃないかならな」に、思わず噴出してしまいました。 そうか、恋人が居ないとシアワセになれないのか…アヤースってば… オルセン大公ディーゴには、日野聡さん。 先の『交渉人は黙らない』での寡黙な助手に大喜びしたのですが、今回は多くの登場シーンで良い声をたっぷり聞かせて下さっています。 品が良く、心地良い音色で、カナーレへの心遣いの底に垣間見える大公の淋しさ、そして‘弟’への限りない情愛が感じられました。 これで更に格が備われば(これからのキャリアと年齢的な積み重ねかと…)、ますます魅力的だと思います。 ティエリ公子は、お声を聴く機会がますます増えている代永翼さん。 可愛らしく元気な12歳の公子を、活き活きと演じていらっしゃいます。‘兄’に対する想いと、そして凛とした決意が清々しかったです。 お二人とも、フリートークにもFUN BOOKにもご登場が無く、コメントが伺えなかったのが残念でなりません… そして、何といってもお愉しみは、DISC.2のtrack1‘舞踏会’。 嬌声と阿鼻叫喚の着付けシーンでの、ボソリ、ボソリと的確なツッコミをかましているアヤースと、副官の務めとばかりに宥め役に回っているシロッコの吉野裕行さんに笑っていると、いよいよ真打ジルの登場と相成ります。 その艶姿に、「キラキラキラ~」と効果音まで振り撒かれて、今回のジルの役処が明確に提示されていて、思わず笑ってしまいました。 また、遊佐浩二さんが極上の音色を聞かせて下さっていて、知性と抜け目のなさを柔らかく抑えて、見事な姐さんっぷりでした。 んで、キョーレツな存在感なのが、オセラ大公家のロラン公子。実にアッパレなバカ息子っぷりで、あの語尾の跳ね上がり具合に、ゾワゾワしてしまいました。 バカ息子を軽~く手玉にとって、篭絡してのけるジルの手管と強かさに、ジルの過去を知りたくなってしまいました…どんな経験を積んできてるのやら… クライマックスに女伊達よろしく堂々と登場するアウラに、まだ16歳なのだなぁと改めて思いました。 少女と言っても良い若さで、ずいぶんと大きなものを背負っていると思いつつ、でも彼女自身のしなやかさと大きさでしっかり受け止めていくのだろうと感じました。 彼女の物語は、『コルセーア~暁の女神~』で知る事が出来るでしょう。改めて彼女の視線で語られるカナーレと、そしてユーグとの物語が、今からとても愉しみです… 終始シリアスなトーンを貫いたカナーレの鈴木千尋さんは、しっとりとした音色を堪能させて下さっています。 カナーレの悲劇のヒロインっぷりは、更に磨きがかかり…新刊の‘月を抱く海’では、とうとう囚われの姫だそうで、ますます今後の展開が愉しみでなりません。 原作は2段組で4巻刊行予定だそうで、そうなるとCD的にも2枚組で4組を期待したいところです。セサーム様とヤーニくんも、ご登場ですしね… 『コルセーア~記憶の鼓動~』 2008年1月 サイバーフェイズ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.02.02 13:39:35
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