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カテゴリ: *椎崎夕さん
自分を家族の一員にしてくれた人たちの為に、懸命になって「家」を守る青年の物語。 あまりにも大切過ぎる事に、雁字搦めになって、 他にも大切なものはある事や、たとえ形は変ってもその大切さには変りがない事を、 つい見失ってしまう。 必死に守っているものに、実は頑なにしがみついているのだと、なかなか気付けなくて。 それほどに、大切な「家」って、何だろうね? 片方の巨大な「家」は、もう中は瓦解して、外壁ばかり頑迷に形作って。 その外壁の中の一員である事を、驕慢に誇る愚かしさ、虚しさ。 家族あってこそ「家」で、存在が失われても家族である事に変わりなくて、 その記憶があれば、どんな処でもたとえ一人でも「家」に成る。 そして、扉を開けて、人を招き入れた時、新しい家族が出来る。 あとは幸福になるだけ。 『帰る場所』『隣に居る人』 2009年7月、8月 ルチル文庫 椎崎 夕 * 竹美家 らら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.26 14:37:40
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