|
カテゴリ:坂田 博昭
先週お伝えしたように、9月15日の来シーズン開幕までシーズンオフに入っている香港競馬。昨シーズンも色々な出来事があったのですが、その中で最大のニュースの一つが、やはりこれでしょう。 香港競馬が満を持してリリースする新馬券。その名も「騎師王」 すでに各種メディアで概略は伝えられているとおり、この「騎師王」は馬に賭ける馬券ではなく、ジョッキーに賭ける馬券。1日のジョッキーの成績をポイント制で競い、最もポイントを稼いだジョッキーに賭けた人が的中!払い戻しを受けることが出来るというわけです。
もう少しルールを詳しくご説明いたしましょう。 ・賭ける対象となるジョッキーは11名+「その他全員」の計12名 ・その日の全部のレースの結果に対して ・1日のポイントトータルが最も多いジョッキーがその日の「騎師王」 ・馬券の発売は、その日の1R発走の15分前まで
もう一つ大事なルール。それは的中した場合の配当です。 香港ジョッキークラブ(HKJC)から提示されるオッズは、各ジョッキーの売れ行きによって時々刻々変わりますが、適用されるのは集計された結果最終的に出されるオッズではなく、「騎師王」の馬券を買った時点で提示されていたオッズなのです。 HKJCではこれを「固定オッズ方式”Fixed Odds Betting”」と呼んでいます。要するに、ヨーロッパなんかのブックメイカーの方式と同じですね。
先日香港を訪れた私も、勿論この「騎師王」に挑戦。 昼一番、またはナイターの場合には夕方一番の競馬場。その日の「騎師王」に関する情報がそこかしこにあります。このおネエちゃんのタペストリーに貼ってあるのも、全てそうです。 その日の「騎師王」に割り振られたジョッキーとその番号。写真一番下は切れていますが、12番の「その他大勢」の面々です。 午後3時現在の参考オッズ。この日はナイター開催なので、午後7時に締め切りと書いてあります。リーディングジョッキーのダグラス・ホワイトよりも、ブレット・プレブルの方がオッズが低くなってますね~。これにはわけがあります。 この映画のポスターみたいなものは、「この日の」プロモーションのためのもの。 「プレブルに注目!」 ということで、彼の大写しの姿と、その日騎乗する有力馬の名前まで書いてあります。サブタイトルにはご丁寧に「どのレースも内枠が当たった!」って書いてあります。 こういうポスター、日本だったら「公平に」全員、または何人かのものを作らなければ貼り出すことは出来ないんでしょうけど、この日のポスターはこのプレブルのものだけ。つまり胴元が、「これを買え!」とは言わないまでも、ヒントとして踏み込んだ情報をプロモーションしています。 このポスター、本当に目を引きますよ。 「騎師王」のマークシート。実にシンプル。間違いようがありません。 上が旧式の機械や窓口で買った場合の馬券。記号の羅列で味気ないんですが…新式の機械で買うと、下の写真のようにジョッキー名も表示されます。「白徳民」で、ダレン・ビードマンですね。
このような途中経過も、レース毎に随時発表されます。 この写真は先ほどのプレブルのポスターとは別の日のものなんですけど、この日のポスターのモデルはコーツィーでした。低オッズのホワイトとそのコーツィーの2人を買ってた私。ご覧のようにもうその二人のどちらかで確定!みたいなポイント一騎打ち状況になり、ここからあとのレースはオッズの高いコーツィーを、レース毎の馬券とは全く別に大応援! 残念ながら、僅差でホワイトが「騎師王」に。私のオッズは2.6倍でした。コーツィーの方は7倍だったのですが。まあそれは贅沢というものですね。私の「騎師王」初体験は、見事的中!と相成りました。
実際にこうして「騎師王」を買ってみると、1日通じてジョッキーに着目することにより、レース毎の予想もジョッキーの腕や成績というものを一層意識して進めるようになりますね。贔屓の引き倒しにならないように、「騎師王」とレース毎の馬券は別という、心の中の割り切りも一方では大事になってきますが。 自分の買ったジョッキーがサッパリだと途中で絶望になりますが、その日の終盤までチャンスが残っていると、これは結構テンションが上がります。例えレース毎の馬券で不適中を繰り返していたとしても、自分の買ったジョッキーに望みがある限り、レースへの興味は萎えません。 この「騎師王」自体の売り上げもさることながら、レースにより客を引きつけるという意味では、旧来の馬券へのプラスの波及効果もあるのではないでしょうか。
この「騎師王」、一度買うとハマります。 …ああ、その時には、場内に掲出されているあの「ポスター」は必ず参考にして下さい。勝つかどうかはともかく、内容に関しては「オフィシャル」だけに信頼度高いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年07月29日 23時57分49秒
[坂田 博昭] カテゴリの最新記事
|