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カテゴリ:古谷 剛彦
19日(木)を持って、今年度のホッカイドウ競馬が無事終了しました。毎年、その年の最後のレースとして実施される「第52回道営記念」は、初めてナイトレースで行われました。
今年は天候に恵まれない日々が多く、日程の半分ぐらいは重馬場だったんじゃないかと思うほど。18日(水)は、不良馬場での競馬だったし、この時期ということもあって馬場の凍結も心配したり、最終日は雪に見舞われたり、大変でしたが、それでも1397人の来場者で大いに盛り上がった門別競馬場でした。 ゴール前は大激戦で、非常に見応えのある道営記念となりましたが、コパノカチドキが5連勝、重賞3連覇で秋の古馬重賞を完全制覇し、文字通り頂点に立ちました。この後は名古屋グランプリを目標にする予定です。 今年は角川厩舎と桑村騎手のコンビで、オノユウ、プリモエナジー、ビッグバン、コパノカチドキとのコンビで8勝。桑村騎手は、栄冠賞で重賞初制覇を飾った後も、北海道2歳優駿、道営記念など、数々のホッカイドウ競馬の重賞を制し、75勝でリーディング3位、獲得賞金順位では1位と飛躍を遂げました。 道営記念の桑村騎手のコメントで、 「ヒロアンジェロの後ろにいれば、詰まることはないと思っていました」 と話してた内容が、オーナーのコパさんも感心していました。馬群の中にいて、端から見ていると大丈夫か!?と思わせる位置にいながら、当の本人は自信も持って騎乗していた表れですし、ヒロアンジェロの後ろなら絶対にどこかで開くという、相手の能力もわかった上での騎乗振りに、成長を垣間見た次第です。 ビッグバンの北海道2歳優駿にしても、横綱相撲での内容でしたし、強い馬に跨っていたこともありますが、それらの能力を信じきって落ち着いて騎乗していたことが、今年の成績に繋がったと思います。 後は、桑村騎手も自覚していますが、他厩舎で勝ち鞍をもっと挙げられることと、2、3着に取りこぼしていた競馬をいかに勝たせる方向で持っていくか、レース後の反省をきちっとしていくかで、来年はいよいよリーディングジョッキーという可能性も現実味を帯びてくると思います。 リーディングジョッキーといえば、今年も五十嵐冬樹騎手が101勝で9年連続10回目のリーディング防衛。今年は落馬事故が多く、歯車が合わない日々も続いて悩んでいた時期もありながら、シーズン後半でいつもの安定感が戻り、勝率.196、連対率.344のハイアベレージで首位を守った辺り、やはり五十嵐騎手の存在感は抜群でした。 リーディングトレーナーは、3年連続で角川秀樹厩舎79勝で堂々首位。南関東の鎌倉記念、平和賞を加えれば80勝を超えるわけで、しかも全日本2歳優駿も有力馬を出走予定ですから、凄いの一言。シーズンが限られた中で、しかも南関東のように恵まれた賞金体系ではない中で、獲得賞金が現時点で1億2000万円を超える成績を残し、遠征先でも結果を残している人こそ、NARの最優秀調教師に選定できるようになると良いのですが…。 ホッカイドウ競馬の今年度は、1日分の開催中止がありながら(この日自体の計画は1億ちょっとぐらいでした)、82日間の開催で115億4,570万2,200円の総売上で、計画対比97.88%、前年対比101.35%という成績でした。道営記念は、他場での発売がなかった中で、5,900万円を超える売上を誇れたことを非常に嬉しく思います。 そして、20日(金)は「09年ホッカイドウ競馬トレーディングセール」が実施されました。名簿掲載頭数68頭でしたが、当日の上場頭数は47頭、売却頭数32頭、売却率68.1%、売却総額5,791万8,000円(数字は全て税込)、平均価格180万9,937円という成績。 売却率は昨年より37.9%増でしたが、売却総額は5,191万2000円減と、昨年より約半数の金額という厳しい数字でした。最高価格はモエレデフィニット(牡2歳、父マジックマイルズ 母アヤノミドリ、母の父アジュディケーティング)の1,365万円で山本武司氏が落札しました。 ここ数年は、在庫一掃セール的な様相になってしまい、盛り上がりに欠けるセールになっているトレーディングセール。欠場馬も多く、購買者の評判も落とす格好になっていますし、当歳市場と同様、セールのあり方を考えた方が良いと思います。本質的には、クレーミングレースが実施できれば良いのですが…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年11月21日 11時55分58秒
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