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カテゴリ:奥村 武
奥村
アメリカの競馬の祭典、ブリーダーズカップが終了しました。 今年はなんといってもゲイーリー・スティーヴンス騎手が2度目の復帰を果たしてから初めて迎えるブリーダーズカップ。 見事ディスタフをビーホールダー、クラッシックをムーチョマッチョマンで2レースを制してみせました。 御年50歳。 未だ騎乗ぶりに衰えはなく、それどころかますます円熟味を増し隙のない騎乗ぶりが目を引きます。 復帰後オクスボウで三冠レースのひとつプリークネスステークスを制し、ブリーダーズカップでは2つの優勝。 恐れ入りました。 1999年に一度目の引退。 翌年復帰したものの2005年に二度目の引退。 そして今年1月に現役復帰。 今年はなんと7シーズン近い休みからの復帰となったわけです。 アメリカでは女性のトップジョッキーでゲームオンデュードの主戦を長らくつとめたシャンタル・サザーランド騎手も昨年引退を表明。 この時期ゲームオンデュードの主戦が変更になるという彼女にとってショッキングな出来事がありました。 しばしの時間をおいて、今年現役復帰を果たしています。 つまり、騎手の引退から復帰という出来事自体あまり珍しいものではないのでしょう。 騎手という仕事は自分一人で生き抜いていく職業です。 もちろん調教師や馬主、エージェントなど様々な周辺環境に影響を受けるものですが、基本的にはフリーです。 体調が優れない時期もなるでしょう。 家庭環境が騎乗に影響を与える時だってあるでしょう。 心が乱れ騎乗に集中できないときだってあるでしょう。 そんなとき一度ムチを置きレースから離れることは、心身のリフレッシュに最も劇的な効果を見せるものではないでしょうか。 そしてあらゆる事が落ち着いたら復帰すればいい。 彼らはレーサーですから。 勝利への集中力を持てる時期にだけ騎乗すべきとも考えられるでしょう。 とてもアメリカ的で日本人の仕事に対する真面目すぎる姿勢では真似できるものではないのかも知れませんが。 今年はすでに報道されているとおり、日本でも一度騎手としての現役を引退し調教助手に転身した方が現役復帰を目指して受験中との事。 しかしこの休養期間中、馬から離れずにサークル内で調教助手というサラリーマン生活を行っているのです。 つまり競馬サークルから離れ、外側から競馬を観る時間はおそらく持っていません。 いかにも日本人的な真面目さを感る、現役復帰のエピソードの違いでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年11月11日 14時17分51秒
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