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カテゴリ:坂田 博昭
水曜日の担当は、坂田博昭です。
先週の木曜日、3月8日、ちょっと久しぶりに笠松競馬場に出かけてきました。 堤防道路の上から見る、笠松競馬場の入場門 もうしばらくすると、周囲に桜の花が咲き、素晴らしい景色になります。 よーく見ると、もうつぼみが出来て膨らみかけてる。 この日もとても暖かい一日でしたが……季節がいつもより早く進んでいることを感じます。 笠松は、本当に馬が近い。レースが近い。 いまでも地域の競馬場らしい雰囲気を残している感じがします。 重賞レースへの騎乗のために、兵庫からこのひとが笠松に乗りに来ていました。 永井孝典騎手 25歳 間もなくデビューからまる7年。 昨年兵庫で62勝 リーディング11位 今年は昨日までの数字で9勝 「笠松には、3~4年前に今日と同じレースに乗りに来ました。3着でした」 調べてみたら、2020年にコスモピオニールでゴールドジュニアに参戦して3着でした。 「自分は人見知りなもので……」と言いながら、仕事の合間に長く話をしてくれました。 笠松では渡邊竜也騎手と同期。レースに向かう彼を見送りながら「遠征に来る時、同期とか知っている人がいると安心します(笑)」とも。 近年では、徐々に勝ち鞍を伸ばしていますが、何せ兵庫の上位陣は「岩盤層」。いまの状況からどうやって上を目指していくか、という話になりました。 「難しいですね……自分は、吉村さん(吉村智洋騎手)がどうやって突き抜けていったかを見ていない。だから、どうしたらそうなれるのかがわからない。そういうことがわかっていないと感じています。」 確かに、経験年数としてもポジションとしても、いまがもっとも「微妙」に感じられるときなのかも知れません。 「周囲からは『(年間)100勝』と言われています。100勝は意識しますね。」 現時点でのひとつの目標を、そんな風に話しました。 「廣瀬さん(廣瀬航騎手)が、100勝を超えてから、年々キャリアハイを更新して、いま上がって行っているじゃないですか。だからやはり100勝というのは大きいと思います。自分はまだまだそこには遠いです。」 いまは「節目」を目指して、そしてそこを超えて更に上昇していく自らの姿をイメージしながら、前へ歩いて行けるかどうか。これから追いかけて応援していきたい、そんな風に思わせてくれる話でした。 今日のメインレースは、明け3歳馬の重賞・ゴールドジュニア。 楽しみなメンバーが揃った中で、昨秋のネクストスター笠松を買ったワラシベチョウジャは休養中につき欠場。管理する笹野博司調教師に話を聞きました。 「三重県の名張の牧場に坂路があるので、そちらに出していました。もう帰厩してきていますよ。」 この間の調整について、こんな話が出ました。 名張、ってもしかしたら聞き慣れない地名かも知れませんが…奈良県との県境にある場所で、以前はへと抜ける交通の要衝でした。最近、ここに競走馬の育成施設が出来るようになり、この場所の名前を聞くことも多くなりましたね。一度行ってみないと。 ワラシベチョウジャのこれからについて、笹野調教師はこんな風に話しました。 「勿論期待はしていますが、名古屋にも強い馬が多くいますし、この馬自身距離も短めの方がいいのかもしれないと感じています。名古屋への輸送がどうかということも、これも試してみてからのことになりますし。」 ネクストスター笠松を勝つまでの5連勝が強い内容だっただけに、復帰が待たれるところです。一応、間に合えば3月7日のジュニアグローリーから、3月28日名古屋でのネクストスター中日本を目指すとのこと。 その動向にご注目ください。 さて、メインレースのゴールドジュニア(1600m) 次週に名古屋でも重賞があるため、名古屋からの参戦はミトノウォリアー1頭だけ。その代わり、兵庫から3頭の遠征がありました。 3コーナーの引き込み線からスタートして、最初のゴール板前 注目されたミトノウォリアーは先団の後ろ(桃服)に楽々とつけて 2番人気のクリスタライズは、速度もあるだけにどんな手に出るか注目されましたが……ミトノウォリアーの直後につけました。 ミトノウォリアーにとっては、スローな展開。3コーナーあたりで早めに先頭に立ってしまって……抜け出すとまだ遊んでしまう面があるこの馬にとっては、他とは違う意味で「厳しい展開」になりました。 そこに、クリスタライズのスパート! ワンチャンある仕掛けだったと思います。 直線半ばで、クリスタライズがクビぐらい前に出てます、確かに しかし…… そこから、再度走る気を出したミトノウォリアー 一段ギアが上がって、凄い脚で差し返しました レースのあとには騎手と調教師が「これから反省会(笑)」と顔を見合わせながら話したように、際どい勝利でした。それでも、この馬の能力自体はむしろインパクトを持って示したレース振り。まさに「これから」の馬なのでしょう。 角田輝也調教師の話 「いい感じで仕上がっていて、本来は負ける要素はないと思っていました。課題があるのは、それを一つひとつクリアしていけば上がっていける、伸びしろがあると言うことですから、ポジティブに捉えたいです。」 このあと、当面の目標はネクストスター中日本。 明日、名古屋のスプリングカップに出てくる主力勢との対戦となります。 強いメンバーと戦った方が力を発揮出来る馬だけに、ここから先の成長とパフォーマンスが楽しみです。 岡部誠騎手の勝利騎手インタビューの模様は、Youtubeライブのこのあたりから。 一方、惜しかったのはクリスタライズ。 元々は門別の昨シーズン最初の新馬戦「スーパーフレッシュチャレンジ」を勝つほどの、高い素質を持った馬。ただその後、気性的な課題もあって思うように活躍できていませんでした。今回は、重賞制覇にあと一歩という大きな見せ場。馬の走りが明らかに変わってきたように見えました。 レースのあと、取材に応じる後藤佑耶調教師 「来たばかりの時は、それまでどうしても短い距離で行ってどれだけというレースをしてきたからか、本当に難しい面がある馬でした。今回でも、スタートしてからの序盤、1コーナーあたりまででどうしても行きたがってしまい、負けてしまったのもその分なのだと思います。あそこまで行けば勝ちたかったですね。」 こんな風に、本当に悔しそうに話しました。
「それでも、前走から調教の乗り手を(自厩舎の長江騎手から)替えて、抑える競馬が出来るようになって来ました。馬は成長しているし、今回も収穫はありました。輸送がどうかとかまだわからない面がありますが、ネクストスターを目標に進めていきます。」 実は、スイッチしたという「調教の乗り手」の名前も、取材の中では出ていました。そうした人々のことも、いずれ取り上げて行ける時が来ると思っています。 やっぱり笠松は「名馬名手の里」だと、改めて感じさせられました。 明日は、名古屋競馬場へまた取材に出かけてきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年02月15日 10時26分50秒
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