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2024年04月10日
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カテゴリ:坂田 博昭

水曜日の担当は、坂田博昭です。
 今回は、佐賀と名古屋からのリポートです。
 
 まずは佐賀競馬場から(取材日:4月7日日曜日)
 
 なかなか咲かないな…と思われていた、国道から競馬場の敷地に入っていく道に並んでいる桜の木。ようやく見頃を迎えていました。
 


 たまたま縁があって、2週間に1回の重賞の開催日ごとにこの場所を訪れていました。最近は3月にはもう花の盛りを迎えてしまうのですが…今年はある意味天候不順。早く咲くと思われていた花も、各地でむしろ例年よりも遅めの開花になったみたいですね。



 今年も、いい季節に訪れることが出来ました。
 
 4月から新年度。
 佐賀競馬場では、新たなキャッチフレーズでお客さま方を迎えています。



 九州競馬​魂。​
 いまや九州にたった1カ所だけ残されているこの佐賀競馬場が、九州の競馬を盛り上げて行こうという心意気の表れなのでしょう。

 場内の、パドックの近くにある大きな掲示も模様替え。
 このようなものが掲げられていました。



「ほんのちょっと前まで、九州競馬は倒れる寸前だった。中津競馬、荒尾競馬が廃止になり、佐賀競馬も存続の危機にあった。それでも、九州で夢を追いかけたいと言う生産者がいた。九州競馬を潰しちゃいかんと。大切な馬を預けてくれる馬主がいた。賞金が削られても、強い馬づくりへの情熱を持ち続ける調教師がいた。どんなに苦しくても、全力で走り続ける馬と騎手がいた。一軒、また一軒と食堂が閉じられる中、笑顔で店を開け続ける店主がいた。何より、応援し続けてくれるファンがいた。そして佐賀競馬は息を吹き返した。一緒に走ってくれるみんながいたからだ。2024年、ついに九州でJBC初開催。でもここがゴールじゃない。夢はまだ先にある。これからも、九州競馬魂を胸に、みんなで走り続けていく。」

 これは……誰に向けてのメッセージなのか。
 お客さん方に向けて、じゃないよな。
 
 競馬に少しでも携わる、私たちのような者一人ひとりが、現状を「勘違い」することなく、こうした気持ちを持ち続けること。なにか、心の奥底には持っているけれど時に忘れがちなことを、改めて思い出させてくれる感じがしました。



 これもさ。
 「近道はアダとなる」
 もう一度心に抱いて、身の回りを省みる時に思い出したい言葉だよ。
 


 この日も、競馬はあったよ。
 でもそれは、当たり前のことじゃない。

 そんな気持ちで、この日一日競馬場で過ごしておりました。
 
 
 田中直人(たなかなおひと)騎手
 この日の3Rでワンダーグランを勝利に導き、通算700勝を達成しました。



 34歳 2007年デビューで17年目に入ったところ
 今年は、年の立ち上がりで勝ち鞍が上がらず、2月17日が今年の初勝利。しかしその後はコンスタントに勝ち鞍を重ねて、今日の区切りの勝利達成となりました。
 この通算700勝目が、今年の9勝目。



 本物の田中直人騎手は、馬の右の右にいるひとです(笑)

「1000勝は、さすがに遠い……(苦笑)」

 今後の目標、的に水を向けてみたところ、このような返事。
 とは言え、毎年コンスタントに勝利を重ねている印象があります。



 この日は、最終レースも勝って3勝の固め勝ち。
 いよいよエンジンがかかってきたようです。

 今週来週はとりわけ、佐賀は騎手が「人手不足」。
 こういうときこそ、まずは存在感を発揮してくれるのではという、期待感。
 流れが良くなってきた彼。これからの季節、目が離せません。
 
 
 10Rでは、キトーウィンが勝利。

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ 管理する池田忠好(いけだただよし)調教師が、通算500勝を達成しました。



 所属の金山昇馬騎手は、力量上位と目されていた馬だったこともあり、勝てば調教師が500勝到達と意識していたみたい。ゴールの際には、このようにガッツポーズではなく「500勝ポーズ」でアピール&祝福していました。

「順調と言えば順調。でもやはり、平坦ではないですね。」

 この500勝までの道のりを、池田調教師はこんな風に振り返りました。



「勝たせてあげられなかった馬もレースもたくさんありますし、馬の故障もありました。悔しさを味わって、そこから勉強してきた道のりでしたね。」

 勝ったことより、負けたことの想いがこみ上げてくるというのは……身体を動かすわけではないけれど、メンタリティーはスポーツのアスリートのそれと通じるところが大いにあるのでしょう。

「自分はまだ重賞を勝っていないから、今後の目標となれば、まずそこからになるのかも知れませんが…でもそれも、様々なことが順調に行ってこそですから。まずはどの馬も順調に。それが目標ということになるのかも知れません。」



「実は……」と、池田調教師がわざわざ教えてくれたことがありました。

「いま勝ったこの馬(キトーウィン)、自分で選んでオーナーに買ってもらった馬なんです。だから、500勝もそうなんですが、この馬が勝てたということが本当に嬉しいんです。」

 聞けば、能力はあるのに気性的には本当に難しい馬で、昨年5月の新馬デビュー戦の時には、ゲートで暴れて競走除外になってしまったとのこと。改めてのデビューの時までにセン馬になってしまったけれど、少しずつ調教を重ねて、馬も人々も頑張って実績を重ねて、3つめの貴重な勝利をものにしました。

「これで、次はまた重賞レースに挑戦することになると思います。」

 500勝の感想よりも、キトーウィンの話を聞いているときの表情の方が、本当に素晴らしい笑みに溢れていました。

 私たちは、どうしても数字とか記録を追いかけてしまうのだけれど……
 調教師の仕事って、こういうことなんだな、と。
 この機会に、調教師という仕事のひとつのありようを、知ることがで来たような気がしました。
 
 
 話は6Rにさかのぼりますが…
 この日のメインレースは、3歳牝馬の重賞ル・プランタン賞
 グランダムジャパンの3歳シーズンのシリーズ戦だけに、兵庫から2頭、高知から1頭の遠征馬が参戦。注目もこれら遠征馬3頭が集めていましたが……地元佐賀所属馬も奮闘!



 先団にいたライバル達を捌き、先頭に立ったグラインドアウト(内ラチ沿い黄帽)
 これに対し、外から追い上げてきたのが​ケンタッキーグレイ​(真ん中の黄帽)
 後方待機から勝負所でスパートして、グラインドアウトに襲いかかっていきました。



 いや……ほんとにね…
 あとちょっとでしたよ……ケンタッキーグレイ
 


 高知のグラインドアウトが、1月の花吹雪賞に続いて佐賀で重賞2連勝!



 ケンタッキーグレイには、今回は出水拓人騎手が騎乗。
 勝負所まで脚を溜め、これ以上ない運びだったのではないでしょうか。
 
 管理する北村欣也調教師も事後、レース振りには納得の様子でした。

「でも……あそこまで行ったら、勝ちたかった……」

 率直なところなんだと思います。



 ホッと安堵の表情。赤岡修次騎手 
 勝利騎手インタビューの模様は、​佐賀競馬オフィシャルYoutube映像のこのあたりから。



 この日、田中守調教師は不在でしたが、酒井オーナーは園田・のじぎく賞(5月9日)への出走を希望しているようでした。
 グランダムジャパン・3歳シーズンはまだ始まったばかりですが、日程や南関東限定の重賞が組まれている事情もあり、使えるレースは意外と少なくなっています。遠征で勝利を得たグラインドアウトは、まず頭ひとつ以上リードしたと言ってもいいでしょう。
 


 今週の佐賀競馬は、4月13日土曜日の1日だけの開催
 頭数も揃うでしょうし、騎手が人手不足なので……混戦激戦になりそうですよ。
 
 
 
 続きまして。
 名古屋競馬場からのリポート。(取材日:4月9~10日)

 なんと言っても、最大の話題は新人騎手のデビュー
 望月洵輝(もちづきじゅんき)騎手が、昨日9日火曜日にデビューしました。



 1レース 整列の時この笑顔
 ですが……前の晩はあまり眠れなかったと……



 イレンカとのコンビで、プロとして初めてのレースに挑む



 ご家族や知人も皆さん競馬場に来て、声援を送っていました。



 デビュー戦の結果は、2着
 勝ち馬が強すぎましたが……自身の着はしっかりと確保しました。



 一生に一度しかない、デビュー戦
 どんな気持ちで臨んで、そしてどんな感触を持ち帰ってきたのだろうか……

「学校のレースとは、全然違いました。みんなタイトに走ってくるし、馬同士の距離が縦も横もすごく狭くて。」

……まさに、プロの本物のレースを体感した、ということなのでしょう。



「新人騎手は、周りが見えなくなるとよく聞くので、いまはとにかく、周囲をよく見て乗るようにと心がけています。」

 遮二無二出して行くでもなく、道中もあたら外を回さず、馬群の中で溜める形のレースがこの日は目を惹きました。それぞれのレースでそれがあるべき乗り方だったのかどうかはわからないけれど……何かを意識していることが、騎乗振りに現れているように感じられました。

 6レースの終了後には、騎手紹介イベントが行われました。



 イベントでのインタビューの模様は、​名古屋競馬オフィシャルYoutube映像のこのあたりから。



 所属の井上哲調教師(背中、黄ジャケット)にとっても、今日はひとつの区切りの日。
 これまで、何人もの騎手を送り出している井上調教師ですが……感想を聞くとやはり「ホッとしました」という答えでした。



 集まった家族知人の皆さんと、記念撮影



 この日は全部で6鞍に騎乗して、2着2回3着1回。
 正直……調教師や他の騎手から指導や叱責を受けるシーンもあり、プロとしての洗礼を受けた一日だったようです。
 
 まあ、そうだよね。
 この日が初めての仕事。
 それでも、他の騎手と同じように結果を求められるのが、この仕事。
 おまけに、勝つことよりも負けることの方が圧倒的に多いのが、競馬。

 とはいえ、考えながら粘り強くやっていければ、チャンスは必ずやって来る。
 それもまた、競馬。

 そのチャンスは、翌日すぐに訪れました。



 4月10日5R アルブレーヴで、デビュー初勝利!!!
 デビューから11戦目での勝利でした。



 やっと、彼らしい笑顔が出ました。



 出来るかどうかわからないけれど、と断りながら、当面の目標をこんな風に話しました。

「100勝ですね。出来れば最速で100勝。見習い騎手を早く卒業すること。目指すのは、飛田愛斗騎手の最速記録の更新です。」



 10日は8レースでも、ケンドチョウライで2勝目を挙げました。



 いまはとにかく、まずは怪我なく、無事で回って帰ってくること。
 これに尽きます。

 明日11日は何と10鞍、12日は8鞍騎乗予定です。
 どうかご声援ください!!
 
 
 昨日今日で、他にもとても多くのトピックがあったのですが……
 それは来週お伝えすることにして、今回は最後に昨日の重賞レースの話。
 
 この時期の名古屋競馬の風物詩といえば、東海桜花賞
 ダート競馬の路線の再編に伴い、今年は距離が2100mに変更され、来月の大型連休中に行われるダートグレード競走・名古屋グランプリのトライアルとして行われました。
 


 高知・南関・佐賀・北海道と、遠征勢は多彩な顔ぶれ。
 迎え撃つ地元名古屋の馬も、ブリーザフレスカアンタンスルフレといった重賞勝ち馬が名を連ね、とても興味深い対戦になりました。



 勝ったのは、北海道のアナザートゥルース
 服部茂史騎手も、ゴールの時に挙げた左手の人差し指を立てて、勝利とその喜びをアピールしました。



 蓋を開けてみれば、断然力が違いました。
 今年10歳。勿論、年齢なりの部分はあるのかも知れませんが…持っている能力が違う、という印象。これまで歴戦をくぐり抜けてきた勇者が、実績が示すとおりの底力を示したものでしょう。

 左は、追い上げたものの2着に敗れた名古屋のブリーザフレスカ
 こちらはまだ5歳。年齢半分。おまけにこのレースただ1頭の牝馬。
 なんだか、すごく面白い対戦だったんですね。



 田中淳司調教師(馬の右)によると、この後の馬の予定は「休み明けで船橋、そして今回名古屋と遠征も続いたので、まず馬の回復を優先してから考えます。」とのことでした。遠征しないのであれば、地元戦はコスモバルク記念(5月9日、門別1800m)になりましょうか。



 服部茂史騎手の勝利騎手インタビューの模様は、​名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。



 2着ブリーザフレスカ塚本征吾騎手

「この馬は、相手が強い方がレースがしやすいですね。」

…と第一声。一定の手応えは感じた様子でした。

 今回は休み明けということで、仕上がりも半信半疑の面があったかも知れません。それでも、勝ち馬以外は完封の2着。これから体調面が整ってくれば、もっと大きな舞台での活躍も期待出来るかも知れません。



 こちらは、4着に敗れたアンタンスルフレ丸野勝虎騎手

「今日はこの馬の持ち味である粘り強さが見られませんでした。状態面が今ひとつだったのかも知れません。」

 丸野騎手は、2月2日の落馬事故で腰を負傷して以来、2ヶ月ぶりの実戦復帰でした。

「のんびりと休養していました。復帰も急ぐわけでもなく、自分のタイミングで復帰しようと思っていました。」

 まだ体力的に戻りきっておらず、やはり実戦で乗るとしんどい部分があるようですが……やはり名手の復帰はレースを活気づけます。



 4月9日の11R
 当地転入初戦のインペリシャブルで、復帰後初勝利!

 同じく、この開催から復帰した丸山真一騎手、この開催から短期移籍で乗り始めた室陽一朗騎手の話題は、来週の稿でお伝えしますね。



 明日4月11日木曜日には、3歳牝馬の重賞・東海クイーンカップが行われます。​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​






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最終更新日  2024年04月10日 21時46分42秒
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