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テーマ:お勧めの本(7231)
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今度の舞台は、富山です。 何故、富山? 中華レストランは、せっかく軌道に乗っていたのに、台風の被害後、食中毒を出し、お得意さまだった大手電話会社の組合騒動に利用され、撤退を余儀なくされてしまいます。 富山で自動車修理を営む人に誘われ、富山とい新たな土地で、また自動車事業を興そうと一家で移り住むことを決断します。 が、着いた早々、慣れない大雪と寒さと、誘ってくれた人物一家に疑問が生じてしまいます。 熊吾は、自分にほれ込んで誘ってくれた高瀬という人物を、どうして信用してしまったのかとまで、思ってしまいます。口が重く、視野が狭く、大きな事業には不向きな人物ダという事に気付くのです。 房江も、全く見知らぬ土地に馴染めないものを感じ、やっぱり大阪でやり直そうと考え直すことになります。 熊吾は、家族を富山に残し単身大阪で、もう何度目か?の仕切り直しに戻ります。 熊吾不在の間、家計は困窮、間借りした家の親子が争い、寂しさや不安からか、房江は喘息に苦しむようになります。酒を飲むようになり、熊吾も糖尿病に見舞われます。健康面が心配ですね。熊吾も歳を感じさせるようになってきちゃいました。 日本海側の町でも、新潟ではなく、何故富山かというと、新潟は東京カラーが強く、すでに自動車業界の波も来ているらしく、富山ならまだ誰もそうした事業に乗り出していないから、という理由だったようです。残念ながら実現ならずでしたが。 熊吾は、とんだ回り道をした、と、一旦は思いますが、雪国の空気は綺麗で、伸仁と立山連峰を眺めながらの語らいやサイクリングをしていると、こういう回り道も悪くないと思いなおすのでした。 新潟は、わたしの出身県です。雪国は、熊吾一家には合わなかったようで残念。 それにしても、とうとう、あの海老原太一に金の工面のために頭を下げることになり、その場面は息詰まるものがありました。熊吾自身は、床に膝をつきつつも、達観しているので、それが救いでした。一方の、海老原太一は、まだまだ熊吾へのこだわりは消えないようです。熊吾の困窮を、どう受け止めているのでしょう。いい気味だと思ってそれで気がすんだらいいのに、まだまだ暮らしぶりを探っている様子です。器が小さい、とは言及してませんが、そう思います。 熊吾一家は、ずいぶん苦労してますが、やっぱり力強い作品でした! 『流転の海 流転の海・第1部』 『地の星 流転の海・第2部』 『血脈の火 流転の海・第3部』 『天の夜曲 流転の海・第4部』 『花の回廊 流転の海・第5部』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年10月16日 12時26分12秒
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