☆ これは楽天経由で買っていないのだけど,まあそこそこ面白かった。初出が東京スポーツだったのは驚いたが,艶話はほかの人が書くから東スポに乗せても一切手抜きしないところが彼らしくて良い。
☆ ある意味,ここ25年程度の金融クロニクル的な話ではある。プロローグも元ネタはあるのだが(ちゃんと原著の出典もある)このシーンを描く方法としてはこれで良いのだろうなと思う。
☆ これは作家の性格なのかもしれないが,彼の作品の中には「嫌な奴」はたくさん出てくるが徹頭徹尾悪人というキャラクターがいない。清水一行や高杉良らとの差はそこにあることは
以前から指摘してきたが,反面で登場人物の性格の掘り下げが甘くなるきらいもある。真の悪人を描き切れない限り,黒木の作品はいつか飽きられてしまうのではないかと懸念している。
Last updated Jul 03, 2010 2:06:00 PM
☆ かなり貯まっていますのでまとめて書きます。
Last updated Apr 25, 2010 5:59:05 PM
投稿日:2010年02月11日 ショップ: Felista
=みんなのレビュー投稿内容=
☆ よく知られた話だが「Don't You」のオファーは,最初ブライアン・フェリーのところに来ていた。彼が断り,ジム・カーのところに来たらこれが全米No.1になった。フェリーは後日この事を訊かれて「ジム・カーは良くやったと思う」とほめてるのか皮肉を言ってるのか分からないようなコメントを残している。もっとも『サンズ・アンド・ファッシネイション』あたりからシンプル・マインズを聴いていたファンなら,彼等のオリジナルの音で上手く仕上げたこの曲のヒットは自慢しても良いだろう。
☆ シンプル・マインズがマガジンの影響下にあったこともよく知られた話で,当初は数あるエレクトロ・ポップ・バンドの一つに過ぎなかった。このデジパンク盤ならDisc1の終わりの方に入っているZoomレーベル時代の曲を聴くと分かる。皮肉なことにジョン・マクガフの脱退をきっかけにマガジンが空中分解するかのように解散した直後,ヴァージン・レーベルに迎えられたシンプル・マインズは,代表作となる『New Gold Dream』『Sparkle In The Rain』『Once Upon A Time』と進むにつれ,どんどん骨太のバンドに成長していった。その初期のリリカルなスタイルからの変化の軌跡は,U2と並べ評しても悪くない。ただU2が『ジョシュア・ツリー』の世界的ヒットでワールドワイドなバンドに成長していったのとは対照的にシンプル・マインズは英国を代表するバンドへ成長していった。比喩として的確ではないことを覚悟して言えばストーンズとキンクスのような差があると思う。
☆ 実はこの盤。CDのみの洋盤を入手したばかりであったが,限定盤でCD+DVDの国内盤があると知り,入手し直したもの。洋盤ではバラバラに入手しなければならないCDとDVDがパックされていること自体,入門編としては最適と思う(ただし紙製のデジパックはパッケージのせいで隅っこがよれてしまっていて(これはお店の責任ではなくメーカーの問題)その点だけが残念だ。
=以下追加=
☆『Sons And Fascination』のLP(初版当時)のレビュアーは「The American」をマガジンの「A Song From Under The Floorboards」そっくりだと書いていた。そっくりとは思わないが,シンプル・マインズのマイケル・マクニール(キーボード)は,確かにマガジンのデイブ・フォーミュラを意識していたかもしれない。ただ『New Gold Dream』はマガジン(特に『Real Life』)やニューロマンティックスに至る前のエレクトロ・ポップ(例えばヒューマン・リーグなら『Travelogue』)の色彩が強い。
☆ 「Someday,Somewhere in Summertime」は,当時サントリーのCMで使われたため,このバンドの曲ではかなり認知度の高い作品(サントリーとホンダは本当に選曲センスが良く,ジョン・フォックスやピッグ・バッグなどCMが無ければもっと知られていなかったと思う)。日本選曲でもないこのベスト盤に選曲されたのはちょっと意外(ただ日本盤のレビューの記録以上に全英でヒットした気がするのだが)。
☆ 「I Travel」はまるでジョルジオ・モロダーといっては何だが(笑)ドイツ系のエレクトロ・ポップの系譜の音に感じた。
Last updated Feb 14, 2010 00:27:11 AM
☆ 用賀から渋谷まで混んでいなければあっという間であるが,この時代でも渋滞は日常茶飯事だった(駒形ほどじゃないが)。そこから少しずつ現実が離れていくのだが,この現実から離れていく感覚の違いが,時間経過の違いとなって現れているのかもしれない。村上龍はパラレル・ワールドを題材に『5分後の世界』を書いたが,第1章の経過の中で「その5分間」が追いついていくような感覚がある。ヤナーチェックは,その5分間を呼び寄せる「カタリスト(触媒)」の役割であるかのようだ。
【古本】五分後の世界/村上龍
1Q84 book 1(4月ー6月)
Last updated Aug 09, 2009 1:29:40 PM
☆ 第1章は青豆という主人公の一人が「仕事」のため,タクシーに乗って首都高速4号線の渋滞に巻き込まれるところから始まっている。幾つかのそそっかしい書評や紹介記事には主人公の職業がこれだと書いているものがあるが違う。ここで事情は明かされてはいないが,あくまでも表面の職業は違うし,そうでなければ片手落ちというものだ。
☆ 少し前に絡んで見せたように(笑)その時間にそういうレコード(もしくはライブ録音)を紹介するような番組は,森田美由紀氏がアルバイトをしていた放送局を含む全国のあらゆるFM放送(AM放送は既に前提から排除されている)にはなかった。当たり前である。それが一番最初の「企て」であるのだから。
1Q84 book 1(4月ー6月)Last updated Aug 09, 2009 1:16:46 PM
☆ 最初の数章を読んでいて気付くのは,二人の登場人物が並行的に描かれているのに,互いの時間の流れ方に位相差があるということだ。作家にとって「二つの場面の設定が交互に出て来る手法は同じ新潮社から出した『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』で一度使っている。それとの差異がここに見られる。
1Q84 book 1(4月ー6月)Last updated Aug 09, 2009 1:06:13 PM
☆ この段階で拘る話でもないが,各章のタイトルは最初ばらばらに提示され,話が進行していくにつれて,関係性を持ち始めるように思える。勿論,話を読む前に不用意に各章のタイトルだけを読んではならない。それは作者の用意していなかった「企て」に自分から引っ掛かるようなものだから。
☆ 最初にFM番組のことをあれこれ穿(ほじ)っているのは,その空間が既に作者の「企て」であるのかどうか一読目では解らなかったからだ。ただ,その空間が始まる前から既に物語は始まっており(それは読み進むうちに倒叙される),読み手は最初のページから既に時間と空間を複数持っていることになる(無意識でしかないが)。これは物語であれば当然のことで,作者と読者の位相差のことを話しているに過ぎない。ただそれにしても,映画的にこの空間を受け容れることでしか物語の幕は開かないのだから,開幕ベルが鳴れば,読者は目を凝らして自分の視線の先のことを追うしかなす術は無いのである。
1Q84 book 1(4月ー6月)Last updated Jul 26, 2009 00:04:27 AM