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ある内科医の独り言

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2003.08.01
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本格的な夏になったようです。ずいぶん暑くなってきました。病院自体は24時間空調が効いているので不快とは思いませんが、外に出たときのギャップが激しく大変です。

さて先日、手塚治虫の「アドルフに告ぐ」を読みふけってしまいました。eBookなのでパソコンで読んだのですが、かさばらず便利な時代になったなぁ~と思ってしまいました。手塚治虫作品はブラック・ジャックぐらいしか読んだことがなかったのですが、この「アドルフに告ぐ」は3人の「アドルフ」を巡る物語を峠草平という一日本人が語り部として語っていく形式をとっています。詳しい内容は実際にお読みになることをお勧めしますが、第三帝国創設に異常なまでの情熱を燃やし続けたヒットラーが登場する時代背景のため、人種差別が随所に織り込まれています。ユダヤ人とアーリア人・アラブ人などなど・・・。いつの時代も人種や宗教を巡り対立がおき、血を血で洗うような争いが繰り広げられる・・・。手塚治虫はこの作品を通じ人類愛を訴えたかったのだとは思いますが、我々の身の回りにもちょっとした差別などいくらでも転がっています。

誰しもおそらく大なり小なり差別される対象になり、差別する当事者となっているはずです。ヒトが生きていく以上差別は永遠になくならないことでしょう。ここで「差別」と「区別」の違いについてふれておきたいのですが、差別と区別は大辞林によると「【差別】(1)ある基準に基づいて、差をつけて区別すること。扱いに違いをつけること。また、その違い。(2)偏見や先入観などをもとに、特定の人々に対して不利益・不平等な扱いをすること。また、その扱い。」であり、「【区別】あるものと他のものとの違いを認めて、それにより両者をはっきり分けること。」です。 つまり差別は主観要因により扱いに不平等が生じることであり、区別は客観的判断のみで分別する、一件似て非なるものであることが分かります。

病院で仕事をしているとどうしても相性の合わない患者さんもたくさん出てきます。もちろんその逆もまた然り。気軽に話しかけられる患者さんとはついつい長話を、そしてそうでない患者さんには適当にお茶を濁すような話を・・・。医師である以上、患者さんに対して公平に振る舞わねばならないのは当然のことなのですが、僕自身、いつも自問自答し果たしてこれでいいのだろうか、客観的かつ冷静に判断できているだろうか・・・などと不安になることが多いのです。区別は必要ですが差別は不必要です。しかし私情を全く挟まずに仕事はできません。やはり僕も一個人であるからです。「滅私奉公」や「一個人である前に医師であれ」などと立派なスローガンを掲げてあおり立てられてはいますが、扇動している当の本人がこういった差別的スキャンダルで失脚してしまったこともあります。

実に難しく、深遠な問題なのですが避けては通れない問題でもあります。みんなそれぞれに苦悩し、解決策を模索しながら歩んでいくのでしょう。皆さんの周りにある差別や区別、一度ゆっくり考えてみるのもいいかも知れません・・・。







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最終更新日  2003.08.01 12:30:06
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