「比類なきジーヴス」P・G・ウッドハウス読了しました。というわけで感想です。
のび太君とドラえもん、コロ助とキテレツ君な、バーティー坊ちゃんと有能執事ジーヴス。
坊ちゃんが嬉しげに買ってくる藤紫色のシャツやら真っ赤なカマーバンドやら紫の靴下やら青のスパッツやらがとことん気に入らない有能執事ジーヴス。
そして、気に入らないからって坊ちゃん自ら諦めざるを得ないように仕向けたりとか、それどころか主人の私物を勝手に処分しちゃう有能執事ジーヴス(笑)
うわあ、楽しすぎる!☆(≧▽≦)☆!
バーティ坊ちゃんやら、坊ちゃんのダメダメ親友ビンゴやらの持ち込むいろんな厄介ごとをジーブスが解決していく(執事一人勝ち)ストーリーで、坊ちゃんの軽快な語り(帯にはぐうたらでダメ男の若旦那って書かれてますが、ユーモアに溢れてるし、作中あれだけ有名作品の引用ができるんだから、全然ダメ男じゃなくね?)で、すいすい読めます。
あとがきを読むに、短編を無理やりつないで長編にしたらしく、話がワンパターンなのは否めませんが、これはひとえに、坊ちゃんと執事の会話の妙を楽しむ類の小説です。
そんでもって、燃え(萌え?)どころを抜粋。
名案を思いついた坊ちゃんと執事の会話。
「昼食とディナーを何回かご馳走すれば、こいつの尊敬と愛情は勝ち得るな、どうだ?」
「まったく適切なお考えかと拝察いたします」
自分があんまり賢くないことを素直に認めてる坊ちゃんの言。
「彼が僕を大学卒業一次試験に合格させたと言ったら、只者じゃないことがわかるだろ。僕にいわせれば途轍もなくとんでもないことだ」
坊ちゃんの幼馴染について。
『僕は彼女のことを優れた女性だと思っているし、彼女は僕のことをキチガイと紙一重だと思っている。そういうわけですべてはうまく、仲良くいっているのだ。』
面倒ごとに巻き込まれて、執事を探しにいく坊ちゃん。
『僕には呼び鈴を押している余裕すらなかった。ジーヴスを求めてクンクン鳴きながら台所に走った僕は、~』
執事に素敵な青色のスパッツを穿くのを反対された坊ちゃん。
『ジーヴスは多くの点でロンドン中で最高の執事だが、保守的に過ぎるのだ。こう言っておわかり頂けるか、彼は融通が利かない、進歩の敵なのだ。』
作中頻繁に出てくる坊ちゃんに対するジーヴスの受け答えはだいたい決まってます。
「全くその通りでございます」
「おおせの通りでございます」
「結構でございます」 等など。
言葉はごっさ丁寧にも関わらず、ジーヴスってば、坊ちゃんのことすごいバカにしてるし、事件の解決はしたといっても結局坊ちゃんをひどい目にあわせてるし。でも、実は坊ちゃんのこと
大好きでしょ! って問い詰めたい気になる罠(笑)
うわあ、楽しい(≧▽≦)ってか、かわいい(≧▽≦)☆
それにしても、坊ちゃんがぐうたらなのは間違いないようで、全編仕事もせずにふらふらふらふら、その上、従兄弟やら親友やらにたかられても平気なくらいの裕福ぶりです。
なんだかんだいって、素直で友達思いで自分の目下でもきちんを敬意を払える坊ちゃん……いいなあ、友達になりたい。(笑)
ウィットに富んだて、読んでてめっさ楽しいです。ちょっとお値段高めですが、お薦めです♪