25327994 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

プロフィール

むらきかずは

むらきかずは

日記/記事の投稿

カテゴリ

サイド自由欄

コメント新着

 通りすがり@ Re[1]:ブログ移転のお知らせ(04/21) akiさんへ ネトウヨ自称茶請けのカマシ発…
 aki@ Re:ブログ移転のお知らせ(04/21) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
 http://buycialisonla.com/@ Re:週刊少年ジャンプ15号感想(03/12) cialis da 5 mg. genericoherbal alternat…
 http://buycialisonla.com/@ Re:「リボーン」で獄寺君(09/27) cialis 5 mg 28 compresse prezzocialis v…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

ニューストピックス

2006年01月30日
XML
カテゴリ:読書感想
「蚊トンボ白鬚の冒険」藤原伊織 読了しました。

蚊トンボ白鬚の冒険(上)蚊トンボ白鬚の冒険(下)

飲んだくれの中年男に語りかけてくる謎の声。最初はアルコールによる幻聴としか思えなかったが、どうやら違うようだ。その声は自らのことを蚊トンボの白鬚だと名乗った。その不可思議な現象に戸惑いつつも、蚊トンボの力を借りて、主人公は今、社会の闇に対峙する!


・・・・・・という話だと、何故か勝手に思い込んでました。
ホントの中身は全然、全く違います。

陸上競技を断念して今は水道職人となった主人公の頭の中に、ある日奇妙な生物、蚊トンボの白鬚が侵入してくる。白鬚のおかげで瞬間的に超人的能力を身につけることとなった主人公が、隣人のトラブルに巻き込まれることにより、次第に凶悪獰猛な闇社会の男と対決することとなる。

と、いうのがホントの内容。

これは、ハードボイルドではなく、ハードボイルド・ファンタジーなんだそうです。
だから、結局最後まで読んでも、蚊トンボの白鬚がなんだったかわかんないじゃん!とか、主人公の達夫がそこまで事件に関わる動機が希薄すぎるんじゃないか?とか、20歳の童貞主人公が年上美人と初体験なんだから、普通もっとはしゃぐだろ、とか文句を言っちゃあいけないわけですね。
あくまで、ファンタジー。白鬚の存在の必然性とか、リアルさとかを求める前に、典型的巻き込まれ型主人公がいかに敵に立ち向かっていくか、という点に注目して読むべき。白鬚の能力が都合よすぎだろ、とは思いますが、主人公が一人立ち向かっていく姿はストイックで、終盤の展開なんかページを捲る手がとまらないのは確か。
藤原作品の主人公は、えてしてこうゆうタイプ、いわゆる、世間がどうであっても自分の信念(というか義理)をかたくなに守り続けるタイプが多いです。それは、主人公が中年だろうが、若者だろうが同じこと。このタイプの主人公は、さすが藤原伊織の18番ですね。

あとは、細かなことですが個人的に気になった点。

脇役人が多彩なこの作品。この脇役達がやたらめったら、ことあるごとに主人公を褒めます。聡明な人間だとか鋭いだとか。
そうゆうのは、ある程度は地の文で表現すべきなんじゃないだろうか。最初から最後まで、やたらと会話文の中で主人公の頭がいいって直裁に表現されるのは、正直うんざりでした。

例えば、東直己の「英雄先生」(←日記の感想から)では、高校中退の若者が出てきます。学校の成績は悪かったけれど、この若者も「聡明」です。ただ、勉強が嫌いだったので、言葉を知らない。だから、会話の中でわからない言葉があったら、周囲の大人に素直に聞く。「へえ・・・・でも、レスポンスって、なんですか?」ってな感じに。
読者には「レスポンス」程度の意味も知らないのかよ、こいつバカだ、と思わせつつも、読み進めていくうちに、この若者の行為を通して、彼が知識はなくても「聡明」な人間だということが分かってきます。

それが、この主人公については、「聡明さ」というのが表面的な説明、つまり、脇役がことあるごとに主人公を褒める、という何のひねりもない描写で語られるだけ。
それに、あんまり細かな描写に気を使ってないというか・・・・・・
例えば、白鬚が主人公に、(白鬚が頭の中に入り込んでる現象について)「ちんじ」だと考えろと語るんですが、それに対して主人公は会話文の中で、ちゃんと「椿事」って漢字変換して答えるんですね。「ちんじ」って言ったら、普通「珍事」って変換しちゃうんじゃないかなあ。なかなか「椿事」とは変換できないよね。どんだけ学あるんだ、この主人公って、うっかり思っちゃったもの。こういった描写が今一気に喰わない。まあ、この辺はストーリーが面白いかどうかというのとは違って、いわゆる小説上のテクニックの問題なんでしょうが。

あと、ヒロインの性格。ちっとも魅力的と思えないのが痛い。
勝手に主人公の家に押しかけときながら、ビールを飲んだ挙句、自分だって疲れてるんだから文句を言わずに泊めろ、とか言い出すのはあんまりだと思う。普通だったら、こうゆう非常識な女は叩きださないか?それにTPOを考えずに質問しまくる無神経さ。ヒロインに魅力を感じないものだから、主人公との関係がどうも納得しづらい。 

男性脇役陣はそれなりに魅力的だから、余計もったいない。
特に白鬚のキャラクターは良かった。(以前の日記にも書いたけど)口調がまんま「シャーマンキング」の葉君なだけになおさら好感が持てました(笑)。
それにしても、もう少し、人物造詣とか、表現方法が凝ってたら、重厚なハードボイルドになったんだろうに、いかんせん、軽く読めちゃうのが残念でした。作者の筆力が高いせいか、ぐいぐい読めちゃうだけに、ホント、もったいないなあ。

そういえば、人間に他の生物が入り込んでっていうのは、真っ先に思いつくのは「寄生獣」(岩明均)ですね。あの漫画は面白かったなあ。ミギーが最高でした(≧▽≦)☆

さてさて、今日は「レキオス」(池上永一)を買って帰りました。ホクホクです。あと、「チーム・バチスタの栄光」(海堂尊)を買いたかったんだけど、お金がなかった。自分、どんだけ貧乏?(T△T)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年01月30日 22時20分52秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書感想] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X