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2006年11月30日
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カテゴリ:読書感想

今日のヒロシマも、抜けるような青空が広がっていました。


1945年8月、砂漠の町ロスアラモス。
原爆を開発するために天才科学者が集められた町で、終戦を祝うパーティが盛大に催されていた。
しかしその夜、一人の男が撲殺され死体として発見される。
原爆の開発責任者、オッペンハイマーは、友人の科学者イザドア・ラビに事件の調査を依頼する。
調査の果てにラビが覗き込んだ闇と狂気とは。





柳作品の文庫化だというだけで、粗筋も読まずに購入しましたが、正直な話、題材が原爆、ロスアラモスだということを事前に知っていれば、手に取らなかったと思います。
ヒロシマで生まれ、祖父母から話を聞いて育った身としては、どうしても、フィクションとして割り切れない部分が出てきます。

それが例え作中の人物の発言であって、勿論、言うまでもなく作者の言ではないとしても

結果的には、あれ(原爆)はアメリカ人のみならず、多くの日本人の命も
救うことになったのです。いったいどこに正しさを疑う理由があるのです?


なんて台詞には、やりきれない思いで一杯になります。

個人的な理由ではありますが、フィクションをフィクションとして、ただ純粋に楽しめなかったのは、残念でした。


さて、本書は、原爆を肯定するものでは当然ありません。
あくまで作中に登場する科学者としての発言だと理解しつつも、利己主義的な発言にはいや~な気分になりはしますが、殺人事件の謎と原爆開発に対する科学者たちの葛藤、もしくは屈託のなさが渾然一体となって描かれている様は、悔しいけど面白い。
核という未曾有の兵器が登場人物たちを狂気へといざなう様は、ただただ恐ろしいと同時に哀しくもあり、ヒロシマに住むものとしての怒りを駆り立てもします。
犯人の動機は特に目新しいものはなく、ミステリとしては地味な印象を受けますが、作品全体を覆う焦燥感はただものじゃありません。
私にとっては、重くて痛い作品だったけれど、読まなければ良かったとは思わない、そんな1冊でした。
ただまあ、作品の評価とは別次元の問題で、読み返したくはありませんが。


人は、ゼロを発明し、天球を解読し、胡蝶の夢を見て、その都度、新たな世界へ歩を進めてきました。
そして、たった60年前も、新たな扉を開きます。その先に広がるのはバラ色の未来なのか、それとも、焦土と化した大地なのか。


今のヒロシマの風景。

路面電車が無数に走り、架線が縦横無尽に空を駆けます。川と山と海に取り囲まれ、再開発が進んでいるとはいえ、ただただ雑然とした街並み。
けれど、その雑然さに、原爆で一面焦土と化した大地を前に、決して挫けることのなかった人達のエネルギーを感じます。

そんなヒロシマが、いえ、広島が大好きです。



感想を読ませていただいた素敵サイト様
未定の予定~ラビ的非日常生活~ 最後の本たちの国で ヨコシマなシマウマ








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最終更新日  2009年07月02日 21時00分00秒
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