狐や鼠の使い番は誰なのか、サンカクとは何なのか。
その設定と世界観にぐいぐい引き込まれて、気持ちいいくらいに騙されて、ワクワクしなながら読み終えました。
やっぱりこの手の小説は下手な予想なんかしたりせず、心を無にして、流されるまま読むに限ります。
「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」
神経衰弱と断じられ、大学の研究室を追われた28歳の「おれ」。失意の彼は、教授の勧めに従って2学期限定で奈良の女子高に赴任する。ほんの気休め、のはずだった。英気を養って研究室に戻る、はずだった。あいつが、渋みをきかせた中年男の声で話しかけてくるまでは……。
慣れない土地柄、生意気な女子高生、得体の知れない同僚、さらに鹿…そう、鹿がとんでもないことをしてくれたおかげで、「おれ」の奈良ライフは気も狂わんばかりに波瀾に満ちた日々になってしまった!
「世界を救うんだ――先生」
ここのとこ、セクロボのドラマに嵌ってセクロボを読む。
ハチクロのドラマに嵌って…はないですが、原作の評判の高さが気になってハチクロを読む。
という ポロロッカ逆流現象が起きてます。
※ ポロロッカ(Pororoca)
南米、アマゾン川を逆流する潮流のこと。
満月と新月の時に海で大潮が発生し、その波が川の流れを飲み込んで、逆流する。
雨季には水量の多さにより規模が大きくなる。
現地住民の言葉でポロロッカは「大きな騒音」という意味。
小説(漫画)から派生してドラマになったのに、ドラマから入り小説(漫画)を読み始める!
これぞまさしく、
くわしくは、「さよなら絶望先生」第六集をお読みください m(_ _)m
という訳で(前置き長すぎ)、ドラマで鹿男役(小川先生役)の玉木宏さんのテンパりしょんぼりメソメソなモノローグに嵌って小説を読みました。(ドラマ感想はこちらからどうぞ)
原作に当たってつまらないと必要以上にがっかりしますが、これはその逆。
ドラマとは違った面白さがあって必要以上に楽しく読みました。
全編、ユーモアに溢れ、なおかつ、基本的に悪い人が出ません。
悪そうな人は出ても、どっか抜けてて、情けなくて。「悪い」じゃなくて「悪そう」どまり。
スケールが大きいんだか小さいんだかさっぱり分からないストーリーに挟まれる剣道の仕合シーンは迫力満点でハラハラする。
ナマズも鹿も鼠もサンカクも、全てを忘れて堀田ちゃんを応援する小川先生を応援したくなる。
「天然か?大明神」って台詞に、小川先生だって十分天然だから!と気持ちよくツッコミたくなる。
1800年もの間ナマズを鎮め続けてきた鹿の思いに、「びい」と鳴くその声にホロリとくる。
思わず奈良公園に行って
コンビニでポッキー買い占めて鹿の口に5本まとめて突っ込みたくなる!(←絶対しちゃいけません)
全編に散りばめられた伏線が、ラスト、すぅっと収束されて、奇想天外でチープな法螺話が、「シカるべきときに、シカるべき相手から渡される」っていうくだらない駄洒落が、気持ちのいい読後感をもたらしてくれました。
有無を言わさないハッピーエンド。エンターテイメントここにあり。
楽しかったです。お勧めです。ドラマに関係なく、もっと早くに読んでたら良かった。
無性に奈良に行きたくなりました。
これもそれもデビュー作の「鴨川ホルモー」なんてふざけたタイトルに思いっきりひいて敬遠してたせいではありますが、印象だけで判断しちゃいけないってことが良く分かりました。
勢いで「鴨川ホルモー」も読みましたが、やっぱり楽しかったです。
マキメワールド、恐るべし
感想を読ませていただいた素敵サイト様
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