「名犬どん」危機一髪

どんの大切なところをスモモと呼ぶのか、ナスビと呼ぶのか、言い争いは続いた。
　　　　　　　　
　　ヨメ「どんのナスビは小ちゃくて、かわいいですねぇ～」
　　　俺「スモモと呼べ」
　　ヨメ「うるさい、ジジィ！どんと話してるの」

　　俺の心の声『ジジィじゃなくてジジだろ』
　
　　　　　　　　
　　ヨメ「だいたい、スモモって何よ？酢漬けのモモ？
　　　　　グエッ、まずそー」

ヨメは、スモモを知らなかったのだ。
ならば、買って来て見せつけてやろうと考え、近場のスーパー巡りをしたが、今の季節では売っていなかった。
そこで、ネットで写真を捜したが・・・
　　　　　　　　　　
　　ヨメ「見たって同じだよ、ナスビと言ったらナスビなんだから」

写真を見ようともしないで、ソファーに横になって２時間ドラマを観ている。
どんは・・・
　　　　　　　
相変わらず、ガムを噛み始めた。
　　
　　俺の心の声『そもそも、ナスビじゃなくてナスだろ！
　　　　　　　　麻婆ナスビともナスビ田楽とも言わないだろ！』

　　　　　　　
知らないうちに、どんと寝てしまっていた。

　　俺の心の声『メガネぐらい外して寝ろよ』

翌朝・・・
　　　　　　　
　　ヨメ「どんの夢を見ちゃった」

　　俺の心の声『メガネかけたまま寝たから、良く見えたんだろうな』

　　ヨメ「どんにチンチンが生えてたの、びっくりして起きちゃった」

　　俺の心の声『スモモをナスビと呼ぶからだ』

俺にとって、ナスビは男の子の象徴にしか見えない。