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千葉に中学生の頃から家族と一緒に通っているイタリアンレストランがあるのですが、この間も久しぶりに一人で行って参りました。一人なのでカウンター席に陣取って、料理を作っている御主人と雑談をしながら、出てくる料理を平らげる。料理は夏野菜のサラダに、スカンピの唐揚げ、タコのラビゴットソース、ステーキ、和風シメジスパゲッティ(いつも〆に食べる)。お酒はハイネケンの生、アメリカの白ワインとフランスの赤ワイン。この店はデザートも美味しいのだけれど、一人で行くときはデザートはパスして、食後酒一本槍になる。食べ過ぎて、もう入らないっていうのが真相なんだけれど。
昔はこの店で飲む食後酒の定番は「マイヤーズ・ラムクリーム」だったのですが、どうやら終売らしく無くなってしまった。御主人が一度、ラムとバニラフレイバーティーで再現してくれた「マイヤーズ・ラムクリームもどき」というのがあって、これがまた旨いのだけれども、手間がかかるので、忙しそうな日には頼めない。何か良い手は無いものか、とお酒が並んだコーナーを見ていると、あやしいボトルを発見。 「ねぇねぇ、そこの怪しいボトルはなあに?」 「あっ、これはリモンチェッロだよ。自家製の。砂糖を入れてないからサッパリしてて美味しいよ。飲む?」 リモンチェッロとはイタリア語で「レモンで作った」という意味。イタリア南部のナポリを中心としたカンパーニア地方(カンパリの日記で出てきたCAMPANIAですね)のお酒で、この地方特産の大きくて皮が厚く、芳香が強いレモンの皮をスピリッツに漬け込んで、砂糖の甘みを加えて作る。もともとは各家庭で作られてきたもので、日本でいう梅酒のイタリア版だと思えばいい。日本のイタリア料理屋さんでも見かけるようになったけれど、このお酒が商業ベースにのって会社がリキュールとして売り出したのは1980年代と最近の事なのだそうだ。 ちなみに、自家製リモンチェッロの作り方は、 1. レモン(大きさにもよるけど、4~5個)の皮を剥く(苦くしたくなければ、白い部分が除き、苦くしたければ残す) 2. スピリタス1瓶分に皮を漬け込んで2~3日放置 3. レモンの黄色がアルコールに出て、皮が白くなったら皮を取り除く。 4. 冷ました砂糖のシロップを入れれば出来上がり と簡単なんだけれど、カンパーニア地方のレモンが手に入らないので、作ったことはない。 と、ここで出てきたリモンチェッロを飲む。オンザロックである。色は薄い(リモンチェッロは黄色いお酒です)けれど、レモンのさわやかな香りがしてなかなか良い感じ。砂糖抜きなのでベタベタしないし、適度な苦みと強めのアルコールが満腹した胃袋を刺激して、助けてくれる感じだ。 「イタリアからレモンを仕入れたの?」 「いやいや、普通のレモンですよ。国産の無農薬のを選んでつかっているの。作り方も簡単にしてあるから、Dram Bheag君(子供の頃から通っているので、この店では君づけで呼ばれてます)も家ですぐに作れるよ」 というわけで、御主人に伺った作り方がこれ 1. レモン(2~3個)の皮を剥く(苦みについては上記参照のこと) 2. 40度程度のスピリッツをお好みで選び(サッパリさせたければウォッカを。グラッパなどだと美味しく作れる)皮を漬け込む 3. 10日から2週間で飲み頃になるので、そうしたら皮を除く おお、これなら簡単である。アルコール度数が低いので時間はかかるけれど、暇な時に作っておけばいい。皮を剥いて酒瓶に放り込むだけだなのだから。 で、教わった通りに作ってみたのだけれど、やはり旨い。冷凍庫でキンキンに冷やした奴をきゅっとやると、目の覚めるようなレモンの芳香が口の中に立ち上る。ロックでちびちび呑っていいし、ソーダあるいは甘みが欲しければトニックウォーターで割って、トドメにレモンスライスを浮かせてやれば、爽快な一杯になる。ちなみに、リモンチェッロとカルピスをソーダで割るのが最近の休日の目覚めの酒の定番である。 簡単なので、いいレモンを見かけたら、やってみて下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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