福井県の蒸気エンジン
昨年、福井県に2台の蒸気エンジンがやってきた。この話を聞いたとき「なんで蒸気?」石油発動機愛好家さんは全国に多い、だが蒸気は聞いたことがない。案外簡単に回るのは内燃機関と外燃機関の違い、外燃機関は釜の性能がすべて。Houston Stanwood & Gamble steam engine 初めての運転試験。圧縮空気での試運転動画はこちらをクリック。ヒューストンのシリンダー、右内側のスリットが上部蒸気吹き出し口。スライド弁、ピストンの裏表に交互に蒸気を噴出す。全てが鉄の塊、ピストンヘッドはマンホールの蓋なみの重さ。ガバナー(自動回転調整機)2個のボールが遠心力で速度を感知する。この部分だけの重さで約60kg、ボールは砲丸投げの玉クラス。右、真鍮の筒は「オイル缶」。最初の試験用1号釜、小型のピカリングはこの釜でも回ったが、ヒューストンはサッパリ、この程度の蒸気ではシリンダーの鉄さえ温められない。ドラム缶にパイプを溶接しただけ。圧力計、安全弁なしなので慎重に内圧をあげたら、蒸気で回った。(小さい穴はあけてるので爆発の心配は無)蒸気は音が良い、まさに蒸気機関車。 これからは蒸気で回す事になった。ピカリング、蒸気で回転中。蒸気エンジンは蒸気に限る。圧縮空気、ディーゼルの廃棄ガスと試してみたが、蒸気は爆発的力を持ってる。先人たちが、なぜ蒸気を使ったのか体で感じられる。こちらは試験用2号釜、古プロパンボンベに圧力計と安全弁を取り付け・・釜たき。ボンベは30kgまでOKらしい、安全弁は15kgに設定。どんどん薪をくべたが、圧力が上がらない。もし15kgまで上げようと思うとたぶん半日かかる。蒸気機関車を見れば分かるが、蒸気機関車はほとんど釜でできてる。ピストンなどは小さい物。比べると、釜はピストンシリンダーとほぼ同じ。これではせっか溜めた蒸気もシリンダーを温め、水になりおしまい。この釜では半回転もすれば圧量計はゼロ。かなり厳しい。それでも無理やり蒸気で回した動画はこちらをクリック。回ってるようだが、実はボイラーにコンプレッサーから空気を入れてる。排気管から出てるのは蒸気というよりも、釜の湯気(ゆげ)。ピカリング蒸気エンジンは蒸気で回っている、こちらをクリック。ヒューストンを試験用2号釜で回してもぜんぜん蒸気が足りない。昨年の水晶の湯・運転会にあわせ制作した3号釜、これだと運転できるが長時間は無理。11月3日の「ゆめおーれ勝山・発動機運転会」で回す予定。