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カテゴリ:テレビ
黒柳徹子さんの軌跡を描くテレビ朝日昼のドラマ「トットちゃん!」9週目を見終えました。
この週は、「ヤン坊ニン坊トン坊」をきっかけにブレイクした徹子(トットちゃん,清野菜名)と、この当時に出会って影響を与えた人物とのエピソードが中心になります。おもに、渥美清(山崎樹範)・野際陽子(真瀬樹里)・沢村貞子(浅野ゆう子)との話です。 ----- 1960年、アナログカラー放送が始まり、トットちゃんの仕事も飛躍的に増えました。そして、第一線で活躍するトップスターとのお仕事も増え、充実の日々。 ところが、仕事をこなしすぎて過労で倒れてしまいます。そうして入院を余儀なくされたトットちゃんでしたが、その間に彼女なしでテレビ界が回っていることを知り、「私は使い捨てされているのではないか」という不安も覚えました。 ですが、NHKはトットちゃんを見捨てていませんでした。 ----- ここまでが、基本的なストーリーです。ここから、人物とのエピソードをからめます。 まずは、渥美清さん。もともと、浅草の芝居小屋の座長で、自らNHKに売り込みテレビの仕事を得た新進気鋭の役者でした。トットちゃんとは、夫婦役で共演。最初は、べらんめえ口調に抵抗感を示したトットちゃんでしたが、人柄を知っていくうちに打ち解け、「お兄さん」「お嬢さん」と呼び合う仲になりました。 ところが、そのことが週刊誌に報じられ、母の朝(チョッちゃん,松下奈緒)と父の守綱(山本耕史)に知れてしまいます。「もうわたしたちの徹子じゃなくて、皆様の徹子になったのだから」と静観を促したチョッちゃんでしたが、「悪い虫がつかないように」と言わんばかりに、すき焼きでトットちゃんをおびき寄せて見合いを進めます。しかし、結婚生活に対する自信がなく、野際陽子さんのアドバイスもあって婚約を断念。女優業に専念することを決めたのでした。 その、野際さんはNHKにアナウンサーとしてトットちゃん同様、狭き門をくぐりぬけて入局。相談相手として、友人として仲良くなりました。野際さんとの交流は、女優に転向して、今年亡くなるまで続いた由。その、野際さんの最後の仕事は、同じ時間に放送されていた前作「やすらぎの郷」。 沢村貞子さんは女優として大先輩。事実婚ながらも夫婦の時間を大切にするため、ロケが伴う仕事を断り、せりふ覚えを完璧にして仕事をスムーズに済ませる人でした。役者業と主婦業を完璧にこなす沢村さんを、トットちゃんは「お母さん」と慕っていました。 沢村さんの旦那様は「お父さん」と呼んでいた由。仕事とプライベートの比率は3対7としていました。1989年にリタイアして、その数年後に亡くなるまで、トットちゃんとは長いお付き合いでした。 いっぽう、見ていて気になった点があります。 1960年にアナログカラー放送が関東地区で始まりましたが、その当時のカラー端末は高額で、ドラマのように家庭や店舗などで手軽に視聴できるようなものではありませんでした。カラー放送の時間もかなり少なく、プライムタイム(19時~23時)の完全カラー化は1970年以降、制作番組の100%カラー化は1977年とかなり先になります。 また、このドラマでは、トットちゃんがカラー放送の実験台となった話が触れられていません。カラー放送が始まる前、トットちゃんは「カラー放送の試験のモデル」の仕事をまかされ、取っておきの服を着てNHKの技研に呼ばれます。ところが、「試験」と言ってもポーズをとって映るのではなく、顔にさまざまな色のドーランを塗られて色別の映り具合を調べるためだったのです。この重要な事実が取り上げられなかったのが、残念でなりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017/12/03 11:15:34 PM
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