|
テーマ:本日の1冊(3684)
カテゴリ:お勧めBOOK
疾走(上) 疾走(下)
この表紙のすさまじい事と言ったら・・・ 何がどうなったらこんな表紙になるのか? 読了後なんとなくわかりました。この表紙の顔は「人間の苦悩・迷い・弱さ」だという事が・・ ◇STORY◇ 優等生の兄中心の幸せな家庭は、少しずつ壊れかけていた。 両親の期待に応えられなくなった兄は、引きこもる。 そして、放火犯として捕らえられた兄、家出の父、アル中でギャンブル浸りの母、 放火犯(赤犬)の弟というレッテルをはられいじめにあうシュウジ。 一家離散、いじめ、暴力、セックス、バブル崩壊の爪痕、殺人……。 想像を絶する孤独の中、ただ他人(ひと)とつながりたい…それだけを胸に 煉獄の道のりを駆け抜けた孤独な15才の少年に安息の地はあるのか。 ***************************************** 「ビタミンF」で直木賞を受賞した重松清、衝撃の現代黙示録。 犯罪者はこのような環境から出てくるんだなと率直に思った。もちろん、全員ではない。 それには、強固な何事にも負けない、自分にも負けない強い意志が必要となる。 「ダイエットは明日から」と言いながらチョコを食べる人間には到底難しい・・・(*_*) これを読んで、何を感じるのかは個人個人かなり違いがでると思う。 ただ「可愛そうなシュウジ」だったり、「強い精神はこのように作られるのか」 「孤独とは淋しいものだ」などなど。 私が一番感じたのは、「孤独」「孤立」「孤高」の違いだ。 孤独は1人と感じた時、孤立は周りから意識的に独りにさせられている、 孤高は独りでも臆もせず、自分に誇りを持って堂々としている。 このような事にまで思考を張り巡らせる少年を支えながら読んで頂きたい作品だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[お勧めBOOK] カテゴリの最新記事
|