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カテゴリ:お勧めBOOK
オーデュボンの祈り2003年12月/文庫464p
◇STORY◇背表紙から コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか? 第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。 *************************************** あ~、久々おもしろいと感じるミステリー文学でした。。 伊坂幸太郎の本を乱れ読みしていたので、このデビュー作を読むのが最近になってしまいましたが 対照的な"不思議な世界感"と"妙にリアルな現実感"がマッチした作品でした。 伊藤は、2日ほどしか荻島にいないのですが、本の98%は荻島での内容です。 いろいろと事件が起こり、伊藤が推理して進んでいく内容は、読む側にも一緒に 謎解きをしているという感じあり、あきさせない展開となっています。 部外者は客観的な立場にあるの、案外冷静に見れる事もあるのですね。 150年以上、外から人が来ることのない閉ざされた島は微妙にずれています。 地面に耳をあてて地球の音を聞いていると言う少女にも、嘘を言う画家にも、 皆にそれぞれに理由があるのだとわかってきます。 ただ単なる変人では、すまされない部分が感じられました。 伊藤を追う元同級生で警官の城山。 城山がかなり残虐性が強いため、より荻島の穏やかな世界が強く浮きだって印象的になっています。 海辺のカフカ以来の、不思議な世界。楽しみながら荻島での2日間をどうぞ堪能してください。。。 *************************************** ≪心に残った言葉≫ 生まれつき足の悪い田中を見ながら、荻島の青年が伊藤にこう言いました。 「田中に一つだけ願いをかなえてあげると言ったら、きっと普通に歩きたいと言うだろう。 でも、俺は普通に歩けている。俺にはすでに奇跡が起きているんだ」 普通に歩けるのも、話せるのも、物が見えたり聞こえたりするのも、当たり前ではなく すでに奇跡が起きているから普通に過ごせる。 【普通】というありがたみを認識させられた言葉でした。 伊坂さんの本を読んだ順に並べてみました(^∀^) グラスホッパー('04.07)→チルドレン('04.05)→ラッシュライフ('05.05)→ アヒルと鴨のコインロッカー('03.11)→オーデュボンの祈り('03.12) 今度は魔王を読まなきゃ^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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