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テーマ:心の病(7318)
カテゴリ:思索
鴨居玲「婦人像」 この婦人像を目にした時に感じる、掴みどころのない、透け通るような感覚・・・ それはこのモデルの夫人に纏わる物語などではなく、むしろ画家本人の瞳の奥に棲み付いている闇深い洞察、深淵に触れた哀しさのようなものが伝わってくる。 生きながら精気を完全に抜き取られたかのような、この女性は、美を纏っていたはずのその「容器」ですらもはや脱ぎ捨てている。彼の前にポーズをとった女性は、こうした女性ではなかったと想うのだが、もはや亡霊といったほうがいいほどの表現の中に、彼の「生」に対する希望の無さがにじみ出ている。 いや、かろうじて「美」だけは残そうと努力している。 「重力」に落ちるようなどうしようもない悲壮感の中から、かろうじて浮かび上がってくるものを、なんとか捉えてみようとするかのような… でも、瞳には精気はない… 捉えそこなった試みに、リアルさが際立つ。 Eili ... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年04月23日 21時13分18秒
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