鬼滅の刃が面白いのはネームにお笑いの法則が入っているから?荒川弘先生と東村アキコ先生のような匂いがする
「最近面白い漫画無いかな~。ストーリーに引き付けられてギャグセンスのある熱い漫画」そんな漫画を探している人にオススメな漫画があります。鬼滅の刃時は大正時代。まだ日本にも鬼が住んでいたあの頃。一家が鬼に襲われ惨殺されてしまう。かろうじて生き延びた妹はどんどん鬼になっていく。妹を人間に戻すため主人公は旅に出る。週刊少年ジャンプに連載中の鬼滅の刃ですが、どこを見ても連載開始時は「暗い」「ジャンプっぽくない」と低評価。正直絵もそれほどうまくはない。でも味がある。私も人に勧められ、最初は「ジャンプお得意のバトルもの、刀、主人公が純粋、修行で成長して鬼退治か」とまあよくある系かなと思っていました。読み進めるモチベーションとしては「妹がかわいい、修行で成長していく系が好き」というのとなぜかお面のキャラが多く、なんだこれという違和感がいっぱいでしたが、鬼滅の刃の神髄はギャグでした。めちゃめちゃ暗いシーンでもギャグを入れてくるリズム感。私の推奨するギャグストーリー漫画家である荒川弘先生、東村アキコ先生を彷彿とさせる。ひとりの男は悩む。命を懸けて自分を守って死んでいった人がいる。なぜ自分ではなく、その人が死んでしまったのだろう。死ぬのは自分であるべきではなかったのか。主人公はその男に語り掛ける。でも、死んだその人のためにも死んだ人から託されたものを繋いでいかねばならない。その男は心を打たれる。死ぬ前に怒られたことを思い出した。そうだ。繋いでくれた命を、託された未来を繋ぐために全力で生きるのだ。それを読みながら自分も考える。亡くなったばあちゃんのことを思い出す。自分は生まれてきただけで生きている価値があるのだ。繋ぐという使命を果たすために全力で生きていこう。そんな気持ちでページをめくると驚愕する。思い悩む男が感銘を受けたことで言葉が返ってこない間を、主人公は失敗したと思ったらしく言葉を発する。「そうだ!早食い勝負をするのはどうだろう」え!なんで!?なんでこのタイミングでこんなネームが切れるのだろう。天才すぎるぞ吾峠呼世晴!これぞ緊張と緩和、バクマンでいうシリアスな笑い。主人公は笑わせようなんて全く思ってなくてこの状況をなんとかしようと真面目に考えた結果出てきた言葉(そういうキャラだし)でもこの流れでキャラクターが生きた形で自然に笑いの流れが作れる漫画家は少ない。吾峠呼世晴先生も女性という噂があるけれど、少年漫画誌で書く女性漫画家特有のものなのかしら。当初、無料で読めるマワシヨミジャンプで読んでみてツタヤで借りて読んでたけれど、これは購入せねばと思った作品。ハガレンやかくかくしかじかが好きな人には鬼滅の刃、絶対おすすめです。