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☆ご挨拶☆
ご訪問ありがとうございます。 読書,音楽,美術などの趣味について 思いつくままに記録していくだけのHPです。 袖擦り合うも多少の縁。もし気が向きましたならば おつきあいのほどよろしくお願い申し上げますm(__)m 一村雨(ひとむらさめ) [全1176件]
今まで鏑木清方の女性像には、どうもしっくりと こなかった。とくに単独で清方の絵を目にすると、 他の画家の美人画と比べて、顔のメリハリが少なく インパクトが感じられないのである。はかなく 弱々しい印象が強いのである。 今回の展覧会でも、はじめはそんな印象を感じた。 明治の頃(清方20代の頃)の絵は、顔の表情も はっきりとしていて、力強く感じるのだ。 「深沙大王」や「嫁ぐ人」を見るとよく分かる。 だから基本的に、清方の初期の方の絵が好きなのだ。 しかし、これだけ清方の絵ばかり見ていると、だんだん このはかない顔つきにも馴染んできて、階下の「明治 風俗十二ケ月」ぐらいになると、もうすっかり、 清方ファンに変わった自分を感じていた。 特に4月の花見の絵。桜の枝に引っかかったおもちゃの パラシュートに新しい時代の美人画を感じさせられた。 そして、桜花の下の少女の着物の朱のあでやかさに感激。 そういえば、お夏清十郎物語の、幔幕の前のお夏の朱の 着物も美しかった。 もうひとつ感激したのは、清方が生まれ育った明治期の 東京下町の暮らしを描いた「朝夕安居」の絵。 さるすべり?の木の下で休む風鈴売りの姿。屋台一杯の 風鈴が鳴る音が聞こえるようだ。 清方は神田佐久間町の生まれとのこと。私の亡き祖父は 関東大震災の前年に、佐久間町にやってきたとのこと。 佐久間町のどの辺りが生家なのか気になる。 ![]() もう一点のお目当ては、福富コレクションの「妖魚」。 今まで、たびたび見るチャンスを逃していたので、 はじめての出会い。男を海に引きづり込むセイレーンか。 妖しい赤い唇に魅入られてしまった。 夜の7時50分過ぎ(閉館10分前)には、あの階の お客さんが誰もいなくなり、妖魚の前は異界と化して いた。
平木コレクションのすべてと題打った展覧会。あの ららぽーと豊洲にあるUKIYO-e TOKYOが平木浮世絵美術館。 そして、なぜか中央大学創立125周年記念とのジョイ ントの展覧会。中央大学と関係が深いそうだが、初耳。 どんな関係になっているのか知りたいところだ。 それはさておいて、この展覧会。入場料が300円。 朝日新聞の広告を切り抜いて持っていくと150円。 ほとんどただ同然で楽しめる。 この展覧会も、時代を追って、浮世絵を紹介している。 菱川師宣の「若衆と娘」から始まる。三井記念美術館で、 「衝立のかげ」と名付けられていたのと同じもの。 重要美術品や重要文化財の作品がずっと並ぶ。でも、 発色は三井の高橋コレクションの方が素晴らしい 感じがする。 石川豊信の手彩色の漆絵。「花下美人」。桜の花に短冊を かける女。ほんのりと赤みを指したほほが印象に残る。 いい絵だなぁと思ったら、重要文化財であった。 春信は4枚。「鷺娘」の雪の風景の表現にキメ出しや 空刷りがうまく使われている。 窪春満の「六玉川之内 高野」は、白黒の版画の中に、 女の傘の紐だけに一か所、朱の紐が見える。あとは深い モノクロームの典型的な紅嫌いの絵。 ![]() 歌麿の「物思ふ恋。」年増女が頬づえをついて、恋の行く 末を案じている。見ているこちらもアンニュイな気持ちに なる。 一楽亭栄水など、初めて聞く名前の絵師だが、釣り花瓶に 菊の花を投げ入れたシーンがすばらしい。 広重の「江戸近郊八景の内」も重要文化財。墨絵のような 雪景色の山々。心がキュンと引き締まる。 歌舞伎堂艶鏡の「市川男女蔵」は、写楽の大首絵とはまた 変わった役者の顔のクローズアップ。 後期はすべて展示替え。
![]() 楽しみにしていた後期。わずか18日間の開催で、 Takさんのブログに「いついこうかな〜」と迷って いる間にまずは行動とあったので、鎌倉から折り返す。 土曜日の夕方5時。東博に到着。この時間帯は、人は 多いもののさほどの混雑ではない。展示方法の制約上、 絵巻物のコーナーが渋滞していただけ。鑑賞時間が 一時間しかなかったので、書は横目で眺めただけ。 工芸品と絵画に絞る。 そんな状況の中で選んだ今回のベスト3。 最も感動したのが、螺鈿紫檀阮咸(らでんしたん げんかん)。よく江戸絵画などに出てくる竹林七賢人 の中の一人の阮咸がもっている楽器なので、この名前 がつけられたのこと。 とにかく、裏面のデザイン、筆舌に尽くしがたいとは こういうものを指すのか。とにかく、見とれてしまった。 ひとまわりした後、もう一度もどり、閉館までの5分間、 周囲に人がいないので、かぶりつきで眺めていた。 真ん中の盛り上がった、螺鈿細工の複雑な花々の美しさ。 そして、何色にも光り輝くオウム。くわえているのは、 菩薩などの仏を飾る瓔珞。じっと眺めていると美の迷宮に、 はまりこんでしまったような感覚に陥った。 ベスト2は、春日権現験記巻。 春日権現がいろいろな姿に身体を変えて現れる不思議な 物語の絵巻。先週、日曜美術館で予習していたので、 楽しみにしていた。夢と現(うつつ)をつなぐ色という テレビタイトルどおりの色。ちょうど700年前の作品と いう驚き。 特に山々に雪が積もる場面が美しく、心に滲みたと思うや 否や、戦乱の場面がでてきて、人の愚かさを痛感した。 ベスト3は、蒙古襲来絵詞。 ここがいちばんの混雑。はるか昔、この絵のパネルを持って、 何度、授業をしたことか。子どもたちをこれほどひきつける 資料も珍しい。この一枚で蒙古襲来の様子が一目で分かる からだ。竹崎季長がどうしてこれを描かせたのか理由を 考えさせるとさらに鎌倉幕府と御家人との関係が分かるし、 その後の幕府の衰退の様子も理解できる。 そのほか、宗達の扇面屏風や正倉院の螺鈿細工の鏡とか、 今のベルトと同じ形の帯。探幽の唐子遊びの絵なども 印象に残る。開催3日目、早々と出かけて正解だった。
真如苑の大日如来像以来、ブームになっている運慶仏。 神奈川・浄楽寺の運慶作の阿弥陀三尊像が出展されたとの ことで、鶴岡八幡宮まで出かけた。 この仏像は、浄楽寺では、3月3日と10月19日の年 2日しか公開しない。浄楽寺以外での展示は30年ぶり とのこと。 ![]() さて、展示会場に入るといきなり、中央に阿弥陀三尊像が でんと控えている。 運慶の阿弥陀如来像は静岡の願成就院にもある。 (いつでも拝観できる。)こちらのものに比較すると、 金箔もきれいに残っており、かけている部分もなく、保存 状態がよい。 やはり、顔のモチモチとした感覚は運慶仏の特徴なのだろう。 脇侍の観音、勢至菩薩の腰の張り方くびれ方は女性的。 むかって左の勢至菩薩の方が色っぽい感じがする。 うしろから眺めるとすその部分の衣文がくちゃくちゃと まとまっているのが面白い。(ふだんは後ろから見ることが できないらしい) これで、運慶仏を見に浄楽寺に行かなくてはいいかと 思ったら不動明王と毘沙門天は出展されていなかった。 さて、他にも見応えのある仏像がかなりある。光明寺の 如意輪観音坐像の金色に輝く顔は、江戸川乱歩の黄金仮面の マスクを連想してしまい、ちょっと笑ってしまった。 絵画では「国宝 当麻曼荼羅縁起絵巻」が、スゴイ。 絵巻のラスト、阿弥陀如来の来迎シーン。多くの仏が 音曲を奏でるながら現れる姿が印象的である。細い筆の線で 描かれた仏たち。みな微笑んでおり、優しい顔立ちだ。 ![]() 鶴岡八幡宮はちょうど七五三のお参りの子どもたちでいっぱい。 階段下の舞殿では、結婚式までやっており、観光客で賑わって いた。
![]() 皇室の名宝展で盛り上がっている東博。ここは、戊辰 戦争の際、彰義隊の基地となったところ。西郷隆盛像の 後ろには、彰義隊の墓がある。 そういえば、彰義隊の幽霊の話は、地元でも有名な怪談 で、昔々。祖父母によく聞いたことがあったことを 思い出す。父方の祖父母は谷中、母方の祖父母は神田 佐久間町に住んでいたのだ。 杉浦日向子の合葬は、そんなおどろおどろしさもなく、 淡々と若者の夏の日常のひとコマとして、彰義隊戦争を 描く。 140年前の江戸から明治への政権交代の際の悲劇。 次に上野の山に出かけたら、彰義隊の戦いで散った 若者のことを思い出したいと思う。
![]() 11月2日の月曜日。東博はオープンしていた。 ツイッター情報では、月曜日ということで皇室の名宝展は 空いているようなことであったが、3時ごろは、若冲の まわりなど、人の列が動かない有様だった。 大混雑の中、若冲の動植綵絵を見ながら、ふと考えた。 はじめて若冲の存在を知ったのはいつだったのかと。 琳派の画家や応挙などには、馴染みがあったのだが 今思えば不思議なことに、若冲のことはまったく知ら なかった。 2000年に京都で若冲展が開かれた時の記憶もない。 この頃は、若冲を「わかおき」と誤読していたかもしれない。 伊藤若冲が自分の中の最初にインプットされたのは、 2003年の森美術館の開館記念展のハピネス展で 「鳥獣草木図屏風」を見たことだと思う。この頃はまだ ブログを始めていなかったので記録が残っていない。 そのあと、2005年の正月。日本橋高島屋の「大本山 相國寺と金閣・銀閣の名宝展」で「釈迦三尊像」を見た。 その時も強烈な色彩の仏画だという印象しか残っていない。 はじめて、若冲の名前が強烈に残ったのは、千葉市美術館で 「月夜白梅図」を見た時だった。ブログを調べるとそれは 2005年の11月のこと。梅の枝のウネウネとしたくねり 方や白い花のおしべの黄色が艶めかしい。 動植綵絵では、「梅花皓月図」と似ている。 その後、2006年の春から夏の半年間の宮内庁の三の丸 尚蔵館で「動植綵絵」の公開。そして、東博の「プライス コレクション展」で、若冲ブームになった。私もこのブームに 便乗して夢中になったのだ。 奇想の系譜を読んだのもちょうどこの頃であった。 この後、奇想の画家を中心とした江戸絵画の追っかけとなった のであった。
菱田春草展 後期 明治神宮文化館 みなさんのブログで菱田春草展を知った。調べると、月 曜日も開館しているとのこと。前期には出かけることが できなかったので、いいチャンスであった。 霧雨の降る中、明治神宮は明日の大祭の準備中。菊花展が 秋の風情を醸し出している。 菱田春草は横山大観の盟友で、若くして亡くなった画家。 大観ともども画風を朦朧体の画風。あちこちの美術館で 彼の絵を眺めたことがあるが、まとまった展覧会は、 はじめて。代表作の「黒き猫」。どこかで見たような 気がするが、定かではない。 今回は、山種美術館の「月四題」が出展されている。 おぼろ月を背景に、桜、柳、葡萄、梅が滲むように 描かれている。どこか、もの哀しい風情が漂う。 特に春草が描く桜はおぼろげではかなさを感じる。 ![]() 春草の描く美人画は、ずいぶんと幻想的な雰囲気が漂う。 「羅浮仙」は、梅の精だから、怪しい風情は当然だが、 幽霊美人画といってもいいほどである。 ![]() 「秋の夜美人」。乙川優三郎の「喜知次」の表紙と なっている。絽の着物が、まだまだ残暑を感じさせる。 白い女郎花の花が印象に残る。秋がもうそこまで来ている。 ![]() 前期も見たかったなぁとつくづく思う。
![]() 子どもたちが続々とインフルエンザにかかったという 連絡が、次々と携帯に入る。あまりにも多すぎて、 ○○よ、お前もかという感じ。そういう自分も、風邪で 声が出ない。今日も一日、家でおとなしくしていようと 思ったが三井の浮世絵展の中期が今日までということを 思い出し、昼過ぎからのんびりと日本橋へ。 美術館に出かけるのは3週間ぶり。浮世絵展だし、美術 館のはしごする予定もないので、たまには和服を着て いこうかとも思ったのだが、外は暑いくらいの陽気。 夕方は雨との予報もあり、風邪気味で体温の管理が めんどくさいので、普段着の洋服で出かけた。 今回も、師宣の「低唱の後」から始まる。手彩色は、 色鉛筆で塗ったような鮮やかさ。男女の切れ長の目が きれいだ。 そして、春信〜清長〜歌麿〜北斎〜広重〜写楽とこの パターンは、3期を通して変わらないようだ。 それぞれの絵の発色の素晴らしさは、もうスタンダードと なったがそれでも、毎回、感動させられる。たとえば、 歌麿の「名所腰掛八景 鏡」の鏡の鏡面のキラ刷りの 輝きには恐れ入った。 春信の美しい作品も多数。これだけ見るだけで、心が ホクホクしてくる。純情可憐という言葉がぴったりな カップルや子どもたちの姿。 勝川春章の3人の役者の長いタイトルの絵も、グラビア 刷りのような鮮やかさでびっくり。 二代目喜多川歌麿。こういう人物がいたのだ。卵のような デロリ顔。これはこれで面白いのだが、やはり歌麿に 比べるとお笑い系に感じてしまう。 豊国の「高しま ひさ」は木枠のある鏡に映る女の姿。 だまし絵のようだ。 英泉の「丸海老屋内玉川」のゴージャスな着物に息をのみ、 国貞の「滝夜叉姫」のカッコよさに見とれてしまう。 国芳の3枚揃いの「宇治川合戦之図」はスゴイ。かろうじて 水面から頭を出す馬と武将。この馬の文様がユニークでも あり、この馬を目指して飛ぶ一本の矢が、戦場の臨場感を 煽りたてる。 広重の「富士川上流の雪景」は、水墨画の山水を鮮やかな 青と白で表現したような奥深さ。「猿わか町よるの景」も ワンコの影までが美しく表現されている。 これで、明後日からの後期を見れば、この展覧会。思い 残すことはなし。日本にもすばらしい浮世絵が残っていた ことを知ってうれしい。 |一覧| |