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April 30, 2008
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1.未来社会の基本配当との関係

●私が、未来社会の経済システムとして、基本配当、投資配当及び授権配当からなる「配当システム」を考えたのは、6年ほど前のことである。当時はベーシック・インカム構想などというものが存在することすら知らなかったが、自力で考えついた基本配当とベーシック・インカムの基本的な考えは同じである…と思うが、見直しが必要かもしれない。
●今回、ベーシック・インカムをテーマにした理由は、このシステムが人間的な未来社会への道を切り開く大きな可能性をもつものであるとの再認識による。

未来社会の仕組みを考える(3)
未来社会の仕組みを考える(4)

●現代社会では、人は自身の子供達の養育、マイホームや老後に備えて、若いうちから蓄財に励まなくてはならない。このため、人は、他人の幸福よりも、地球環境問題よりも、なによりも「稼ぐ」ことに最大の関心とエネルギーを注ぎ込まなければならない。「稼ぐ」ためであれば、あこぎなことも行うようになる。
●揺り篭から墓場までの社会保障やベーシック・インカムは、ネオテニーとしての人間さしさを少なからず取り戻すに違いない。
●人間的な社会には人間的な社会規範が必要である。利潤追求動機を基調とする社会の規範は非人間的とならざるを得ない。ベーシック・インカムは所得と労働を分離することによって、人間の活動動機を少なからず変化させ、それによって社会規範を人間的なものに誘導すると考えられる。
●更には、人は蓄財行動から解放されることによって、相続制度を頑強に守る必要さえも薄れていく。この延長線上には私有財産制度の廃棄、誕生時点での機会均等がある。

2.ベーシック・インカム構想の概要

●日本国憲法には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と謳われてはいるが、人々の「働かざるもの食うべからず」や「働かなくても収入があるならば、怠け者が増えてしまう」といった考えには極めて根強いものがある。ベーシック・インカム構想の最大の「敵」はここにある。

●ウィキペディアにはベーシック・インカムの概要について次のように記載されている。

ベーシック・インカムの最大にして最重要の特徴は、就労・労働意欲・年齢・性別・資産状況などの一切の条件を問わず、無条件かつ普遍的に個人単位で支給される点である。イギリスでは市民性との関わりが重視されて市民所得(Citizen's Income)、フランスでは「遍くすべての個人に」という点が強調されて普遍給付(Allocation Universelle)とも呼ばれる。

他に、最低限所得保障の制度として負の所得税(Negative Income Tax)や参加所得(Participation Income)、社会配当(Social Dividend)などが存在するが、その中身は給付に課される条件においてそれぞれ大きく異なる。さらにこれらの制度は、給付に「条件」が付されるということ自体、また参加・勤労などの対価として給付がなされる、すなわち交換原則に基づいているという点で、ベーシックインカムとは根源的に異なる。

ベーシック・インカムはまた、福祉(所得)と就労(労働)を切り離すことで、従来の福祉制度において不可避の問題であった、賃金水準の変化にともなう生活不安を払拭しうる。この点で所得と就労とが強く結びつけられたワークフェアの構想とは対極にある。


●ということで、ベーシック・インカム構想には「就労」への拘りや「怠け者」に対する危惧から、修正バージョンの提案がなされている。

●ともあれ、このベーシック・インカム構想は夢物語ではなく、ヨーロッパを中心に多方面から関心を呼び起こしているとのことである。
●参考までに下記の本を読んでみた。


福祉社会と社会保障改革
ベーシック・インカム構想の新地平
小沢修司

●ベーシック・インカム構想は、修正バージョンを含めて、

自由主義者から社会主義者まで、さらにはフェミニストやエコロジストなども含みつつ、人間福祉の実現を図る新しい社会経済システムを戦後「福祉国家」体制に代わってどうデザインするかに関わった包括的な議論が展開されてきている。

…とのことである。高負担・高福祉国家に批判的な自由主義者のような人達までが関心を寄せているというのは興味深いことである。

●次回は、この本の内容について紹介する予定でいる。





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最終更新日  May 1, 2008 08:54:30 AM
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