ストーリー漫画とは違う漫画文脈
まずこちらのMVを見ていただければはいよろこんで/こっちのけんと なんだか今、1000万再生という大変バズっている楽曲のMVで、で、お気づきかと思いますが、これは古い映像ではありません。あえて「昔風のアニメを意識して作られた」最新のMVです。お、おもしろい!楽曲のすばらしさ、歌詞の突き刺さる内容もすばらしいですが、さらにそれを印象付けるのがこのアニメ、キャラ、そして文字の感じで。これは日本の漫画文化で今ではあまり見られなくなった「新聞や週間雑誌に掲載される大人向けマンガ(エロという意味ではなく、社会風刺など)」の絵柄です。こちらのMVアニメを作られた方のツイートまとめや反応などかつて漫画の主流で、今は”絶滅”した「大人漫画」とは…その歴史と意義を振り返る私は40代ですが、私の子供のころにはすでに当たり前に少年漫画、少女漫画、テレビアニメがある時代でした。ですが、私の親世代だと漫画というと実はこういった作品が大人向けマンガとして雑誌や新聞など賑わせている時代であったと。ちなみにその代表作といえば、今でもテレビで放送中の「サザエさん」で、あれ、元々新聞4コマで当時の社会を鋭く風刺するマンガであった、ということを知らない人の方が多いかもしれません(テレビアニメの印象でほのぼのファミリーの漫画家と思われがち) 上記のまとめ内で作者さんも語られていますが、こういった路線の漫画文化が少なくなったと。というか、私ですら記憶にほとんどない(もっとも、掲載雑誌が大人向けなので当時少年の自分には目に入ってこなかった) 今ですと植田まさしさん、東海林さだおさん、という方などが連載されている感じでしょうか。 しかし・・・こういうのを見ると漫画文化の盛衰を感じますね。たとえば4コマ漫画業界でも、いわゆる「萌えキャラ4コマ」なんて昔は一部作品だけだったのが、今ではそっちの方が主流になってたり。 こういう「大人マンガ」の世界というのは、手塚治虫を源流とするストーリー漫画とは違う漫画文脈として歴史があるんですよねえ。