時が矢のようにに過ぎていく。
ドッグイヤーは何も犬に限った事ではないようだ。
この山村に移り住んだ時飼い始めた愛駄犬「ひめ」は、本当に有り余るほどの幸せと安らぎを与えてくれているが、十余年の歳月を経てすっかり老犬となってしまった。
足腰も弱り(もともとラブラドールに多い股関節形成不全だ)、耳や目も悪いし、その上ご主人様(当然ファーマータナカではなく、愚妻の方だ)に似てだいぶメタボだ。
しかし、一端追い越された齢は、ここに来て、再びファーマータナカが追い越してしまいそうな勢いで時が過ぎて行くような気がする。
ただ農を営んでいると、四季を愛でるというより、四季や自然の驚異や恐怖を感じるのが多いのが現実だ。
秋は、何と言っても台風、そして秋冷に伴って温度を確保するためにハウスを閉める事になるのだが、そのための過湿による病気の発生が悩みの種だ。
それでも四季の知らせを運ぶ花達にふと目をやることもある。
農道傍らにキバナコスモスが咲いていた。
(オレンジのキバナコスモスに混じって咲くイエロー)
コスモスといえば、故郷である幅岡県の能古島のコスモスや、北野町のコスモス街道が懐かしい。
従来のコスモスのイメージは白かピンクか赤だったが、昨今はほんとに様々のカラーがある。(コスモスの種類)
オレンジに混じって咲くイエローを見つけた時は、年甲斐もなく心が躍った。
花言葉は野性美。
黄色い花はいわゆるコスモスのイメージとはかなり距離感があり、もともとコスモスには黄色い色素を作る遺伝子がないようで、黄色いコスモスはなかったが、玉川大学で突然変異から改良を加え、1987年に「イエローガーデン」として品種登録、翌年に史上初の黄色いコスモスとして発表されたということだ。
(ただしこの黄色いコスモスはキバナコスモスと混同されることもあるが、別の種類だそうだ)
ふつうのコスモスは、昼の長さが短くなって花芽をつける「短日植物」だが、実際はキバナコスモスはそう言った性質はないので、真夏でも次々と開花する。
だから実際は秋だからというわけではないのだった。
でも秋桜(コスモス)って、穏やかでちょっと物寂しい秋そのものですよね。