大分県は1日、同県豊後大野市の農家が出荷したゴーヤーから、食品衛生法で定める基6月6日、大分県西部振興局生産流通部のT氏より電話が入った。
この部署は、何やら堅苦しい名称になっているが、昔でいうところの、農業改良普及所が組織変更、名称変更されたものだ。
県内で、野菜から農薬取締法違反の農薬が検出され、指導を兼ねて、防除日誌の提出を求めるものであった。
報道から流れを見ておこう。
【 ゴーヤーから基準超の農薬 健康には影響なし 大分 】
大分県は1日、同県豊後大野市の農家が出荷したゴーヤーから、食品衛生法で定める基準値(0.01ppm)の約200倍の有機リン系殺虫剤2ppmが検出されたと発表した。
通常食べる量なら健康に影響はないとしている。
県は同日、集荷したJAおおいたに自主回収を指導したが、すでに5月27日に出荷した37ケース(約110キロ)が卸業者の大阪中央青果を通して出回っており、流通経路の確認を進めているという。
県によると、27日に持ち込まれたゴーヤーをJAおおいたが自主検査した結果、30日に農薬が検出された。28、29日にはゴーヤーは出荷していない。
(毎日新聞 2011年6月3日 地方版)
【 豊後大野の農薬検出:ゴーヤ、回収進まず 大分 】
豊後大野市大野町で生産されたゴーヤから食品衛生法で定めた残留基準値の200倍の有機リン系殺虫剤が検出された問題で、県農協は2日、出荷した37ケース(1ケース3キロ)中1ケースしか回収できなかったと発表。
残りは関西の小売店で既に販売されていたという。
同日現在、健康被害の報告はない。
生産者は県農協に「アブラムシ対策で、以前カボチャで効果があったので使った」と話しているという。
(MSN産経ニュース - 2011年6月1日)
【 薬剤検出:山香のゴーヤ、不認可薬剤--県農協発表 /大分 】
県農協は4日、杵築市山香町の生産者が出荷したゴーヤから、農薬取締法で使用が認められていないうどん粉病などを防止する殺菌剤「カスミンボルドー」が検出されたと発表した。
豊後大野市で基準値を超える殺虫剤「EPN」が検出されたことを受け、県農協などが杵築、豊後大野両市の生産者の生産履歴を確認していた。
広島県内に出荷されており、自主回収を進めている。
県農協は「健康に影響はない」としている。
県農協によると、生産者は4月21日に農薬の説明書を確認せずにゴーヤに散布。
今月2日、1ケース(12本、3キロ)を出荷した。
カスミンボルドーはキュウリなどに使えるが、ゴーヤへの使用は認められていない。
また基準値を上回る農薬が検出された豊後大野市のゴーヤから、農薬取締法で使用が認められていない殺虫剤「メソミル」0.02ppm(基準値0.5ppm)も検出された。
(毎日新聞 2011年6月5日 地方版)
平成18年に残留農約基準のポジティブリスト制度が導入され、その制度の趣旨と運用についてそれなりの周知徹底のための指導広報がなされたが、時間が経ち、幾分気の緩みもあり、今回の事件が起こったのではないかとして、にわかに農協や行政の動きがあったということのようだ。
これを機会に、農薬(今回は有機リン系殺虫剤)やそれを取り巻く制度等について少し触れてみたいと思う。
(この項続く)