<大雪:農林水産関係の被害額147億円に>
農林水産省は14日、昨年11月以降の大雪などによる農林水産関係の被害額が、14日現在の速報値で約147億円になったと発表した。
北海道から九州までの幅広い地域で被害が出ているという。
農作物関係の被害は約56億円。
雪の重みによるビニールハウスや畜舎の損壊が7011棟に上ったほか、果樹や野菜が損傷を受けた農地も973ヘクタールあった。
漁船の転覆、漁具や漁港施設の損壊など水産関係の被害は約84億円。
林業関係でも、シイタケの培養施設が損壊するなど、約7億円の被害が出た。
(毎日jp 2011年2月14日 21時23分)
大分県でも、年末年始に降った雪でも、100棟を超える農業用のハウスに被害が出るなどして、被害額はあわせて8700万円以上になっている。
県の農林水産企画課では、「県が被害を補償することは難しいが、農家の経営再建に向けてできるだけの協力をしていきたい。」というが、現実には様々な制約もあって、結局確かな支援は受けられない事が多い。
昨日のTVのニュースでも、豪雪でビニールハウスが倒壊している北海道・岩見沢市が報道されていた。
農協の話では、「8日から9日にかけて計102棟が倒壊し、マスコミにも報道された。
その後も被害が拡大して、17日現在で、作物用119棟、格納庫16棟、あわせて135棟が倒壊し、さらに牛舎が2棟つぶれた」と話している。
農家の悲痛な叫びもいくつかピックアップしてお知らせしておこう。
「15年経ったハウスだから、共済でも3割ぐらいしか出ないかも」
「2月末には玉ねぎの育苗をしないといけないので、撤去と建て直しをしないといけないが、毎日雪が続いたらそれもできない」
「種苗栽培用ハウスが被害に遭い、作付計画を大幅に変更しなければならない」
「100mものハウスなので、資材の費用とあわせて10人くらいの人件費もかかる。1日5万円できかない」
「ハウスの再建だけで700万円ほどの費用がかかる」 ・・・・。
共産党や公明党の議員さん等が現地視察をし、例えば共産党では、
「ハウスの撤去費用を認めることや耐用年数の問題を国に働きかけるとともに、共済にはいっていない人への対応、借入の対応や利息の軽減など、国や道・市に求めていく」と伝えたそうだ。
鳥インフルエンザ、口蹄疫、新燃岳の噴火、世界中での異常気象、穀物価格の高騰と、今の農業や食料を取り巻く情勢はその厳しさを益々増している。
ファーマータナカは同業者だが、そうでなくても、被害にあわれた方々の無念さと悲惨さは身につまされる。
参考までに、過去にファーマータナカが強風でハウスが被害にあった画像ものせておこう。
読者の皆さんも、常に弱者や被害者の立場に立って痛みを共有し、例えば市民としての行政への働きかけ、消費者としての支えを願ってやまない。