しゅー君のためのジャンパー膝について。
ジャンパー膝とは?ジャンパー膝とは、ほとんど聞いたことがないかと思います。スポーツ選手の方々ぐらいしか耳にしたことが無いくらい、スポーツに関係のある病気なのです。別名は「膝蓋腱炎(靭帯炎)」とも言われています。つまりは、膝のお皿の部位に何らかの炎症が出る病気だと考えてもらってもよいかと思います。 ジャンパー膝を起こしやすいスポーツ特に、起こりやすいスポーツとしてあげられるのが、足を使う競技です。・バレーボール・バスケットボール・サッカーなどのスポーツでよく見られます。膝に負担を掛け過ぎてしまいやすいスポーツですね。バレーやバスケットは、ジャンプして膝を伸ばし、落ちるときに縮む動作を繰り返します。サッカーは、キックの際の膝の伸展、そして、走るときのダッシュなどで膝にダメージを蓄積させてしまいます。長時間に渡って、屈伸運動を繰り返すとこのジャンパー膝になりやすいのです。 ジャンパー膝に我慢は禁物!膝周りの筋肉が、うまく引力と合わさっていければいいのですが、引っ張られ縮められを繰り返すうちに、過度な牽引がかかってしまって、膝の周りから炎症が起こるのです。つまりは、膝に同じような負担をずっと与えていると言えるでしょう。ジャンパー膝は、スポーツの膝障害疾病のひとつとあげられています。痛みが出るのですぐに分かりますが、我慢してしまうことも多いようです。湿布などで対応しても、元々は炎症からくる病気なので、炎症を止めない限りはジャンパー膝は完治しません。たまに、痛みを鎮痛剤のみで、散らして、靭帯が切れてしまったりすることもあり、将来的に歩行困難になる場合がありますので、注意していきましょう。ジャンパー膝の症状は?ジャンパー膝の主な症状***膝の痛み***ジャンパー膝は、運動時に必ず痛みが伴います。まずは、膝の前側に痛みと圧痛(押されるような痛み、鈍痛的なもの)が起こります。そして、膝周囲に熱を持ってきます。これが炎症を起こしている証になります。***膝(周囲)の腫れ***膝の下(指5本分程の範囲)、膝の上(指2本分程の範囲)の間に、腫れが確認できます。 ジャンパー膝になりやすいのは・・・中学生~20歳くらいまでの男性にジャンパー膝は多く見られます。男の子をお持ちの両親の方々は、注意しておいた方がよいでしょう。女の子の場合は、膝周囲の脂肪でジャンプの振動を吸収しやすいので、ジャンパー膝になる確率は低いです。スポーツ別に見てみると、バレーボール選手が最もジャンパー膝になりやすいというデータがあります。中学生でバレーボールを始めた男の子では、約30%前後の子がジャンパー膝になったという報告もある程です。特にそれまで何も運動せずに、いきなりバレーを行う子に多く起こります。ジャンパー膝の原因は?ジャンパー膝と大腿四頭筋ジャンパー膝の原因に「大腿四頭筋」という筋肉が密接に関係しています。大腿四頭筋とは、太ももの前側の筋肉のことを指します。、筋肉の発達している人は、力を入れるとモコっと盛り上がる場所ですね。その筋肉は、ジャンパー膝の起こり易い12歳前後の年齢では、まだ筋肉が成長期の真っ最中なんです。それが、過激な運動やジャンプによって成長が追い付かなくなってしまい、ジャンパー膝の原因になってしまうんです。特に身長が高い子は、ジャンパー膝になりやすいと言われています。これは、体が急激に成長する時期に、運動によって成長を妨げられる事で膝に負担が掛かってしまうのが原因と言われています。筋肉と骨がバラバラに!?ジャンパー膝になると、大腿四頭筋とその下にある骨がバラバラに成長してしまいますジャンプなどの負担に、大腿四頭筋の成長が追い付かないのです。そして満足に成長しないまま、大腿四頭筋が硬まってしまう結果、骨との相性が悪くなり、末梢の方の「膝周辺」に大きな負担が蓄積されてしまうのです。という事から、ジャンパー膝は慢性的な病気になるケースが多いのです。ジャンパー膝は「疲労性疾病」とも呼ばれています。筋肉への疲労が蓄積されることも原因の一つとして考えられます。少しの間は運動は控えなければいけません。しかし、運動している成長期の子供のみんながジャンパー膝になるわけではないので、きちんと膝の様子を観察することが大切です。膝に違和感を覚えたら、無理をしてはいけませんよ!ジャンパー膝の治療には・・・ジャンパー膝の治療方法は、「急性期」か「慢性期」なのか。または、症状の状態などによって色々と異なってきます。ジャンパー膝は、早めに治療を行えば、比較的簡単に治る怪我です。スポーツを長く続けたいなら、違和感を感じた時点で速やかに治療を始めましょう。保存療法保存療法として、スポーツそのものの禁止が一番効果的です。ジャンプや階段の上り下りなど、膝へ負担の掛かる行為をなるべくしないように心掛けるべきなのです。そして、膝自体を動かさずに大腿四頭筋のストレッチを行いましょう。テーピングやサポーターの使用もよいと言われています。理学療養士の方にアドバイスをいただくのが一番いいでしょう。 内服治療保存療法でも痛みが取れない場合は、内服治療も同時に行います。主に、鎮痛剤と鎮痛消炎剤の処方、内服になります。 点滴療法炎症が酷い状態の場合には、内服薬では効果が現れにくいケースがあります。そうなった場合には、点滴で消炎剤や抗生剤を使用します。手術療法症状が酷く、日常生活にも支障が出る場合には、膝蓋腱の変性してしまった部位を切除する手術方法もあります。また、損傷して硬くなった腱を切除する手術もあります。どちらの手術にしても、1か月のギプスが必要になり、3か月以上のリハビリも必要になってきます。スポーツに復帰できるまで最低でも半年はかかってしまうと言われています。 注意!ジャンパー膝のことをよく知らない選手や家族の方たちは、ほとんどが膝の違和感があっても医者に受診しない方がほとんどです。膝の痛みが慢性化してしまうと、手術が必要になってしまったり、運動制限を強いられてしまう場合もあります。正しい知識を身につけておいてください。また、ほとんどの子は両膝の痛みを訴えますが、まれに片側に膝に痛みが出るケースもあります。しかし、症状が片足だけだとしても、痛みのない方の膝にも同じ負担がかかっているので、治療は両膝に行うことがベストかと思います。参考:ジャンパー膝の秘密