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2009.08.08
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Tengu Kaze.JPG

前作「震える岩」に続く、「見えないものが見えてしまう」超能力を持った少女お初が遭遇する不可思議な物語。
手に取ったときは、前作よりもページ数も伸びて550ページに及ぶ分厚さに腰が引けた。
この手(猫が人間の言語を話す)のファンタジーものは決して「好み」の部類にはカテゴライズできないのだが、
娘を嫁に出す前夜の父親「政吉」の心の叫び声(祝福する父と憎悪する父の二面性)にグイっと引き込まれた。
僕は、人間はどんな人であれ二面性を持っていると考えているし、その二面性の狭間で揺れたり、引っ張り合いをする姿が
「人間らしい」と賛辞の拍手を贈りたくなる。


物語のテーマは既に序盤で語られている。
「お初」と叔母「およし」の会話でおよしが若さを懐かしむくだりで。
「美」とは何か?
それがこの物語のテーマ。
亡くなった女の妄念からその主題を掲げているが、読み進めていくと
「美しさは、それを見る者の心の中だけにある」
という、とてもわかり易い表現で私たちに諭してくれる。
私自身は常日頃、電車や行き交う道でスタイルがよくて色気たっぷりな女性に惹かれるのだが(笑)
それだけを基準にホレてはいけないってことは頭では理解できるんですがね~~~
頭だけ理解しても「モウヒトリノジブン」がそれを許してくれないんですよ(恥)

閑話休題
佐野元春の「DOWNTOWN BOY」の一編にこうある。
「ホントのものよりきれいなウソに夢を見つけてるあの娘」
次にくる詩は
「そんなに見つめないで心分け合えられないなら」
と続く。
あばたもえくぼ。
化粧がうまくなかったり、出っ歯だったり、ペチャパイであったとしても
心分け合えていれば、女性本人がコンプレックスだと思い悩むほど、私ら男性はそれを短所だとは感じない。

もっと言えば、愛されている女性というものはどんなに容姿がイマイチでも笑顔は美しい。
その美しさは例えばどんな一流の女優さんが演技する笑顔にも優る。

この二作目でもお初と右京之介の恋は淡いまま。
あるいは淡いとう表現すらまだ遠いのかもしれない
ただ、この二人の恋模様が微笑ましく、上記の反対「心分け合えらられる」関係に発展しつつあるところに
裏のテーマ「真実の愛」が隠されていると感じている。

このシリーズ今のところこの二巻で止まっている。
続編はもう執筆されないのかなぁ?


【お勧めしたい人】
顔やスタイルに自信を喪失している人
または疑心暗鬼に囚われている女性

【お勧めしない人】
顔やスタイルを判断基準にしてお付き合いする女性を決めている男性
(↑私もこの中の一人かも?)







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最終更新日  2009.08.08 14:52:54
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